バーチャルウォーター

バーチャルウォーター(Virtual Water)とは、仮想的な水のことです。
食品や物には水分が含まれていないように見えたとしても、作る過程で水分を必要とします。
その製造過程で必要となる水をバーチャルウォーターと言います。
バーチャルウォーターはロンドン大学の教授、アンソニー・アラン(Anthony Allan)によって、1990年代初頭に提案されました。
中東地域は水資源量が絶対的に少ない地域ですが、国家間で水紛争が少ない理由が考察されました。
その結論の一つが、食料を輸入することで、間接的に水を輸入している、と考えられたのです。
食品や物を生産するために、水資源は必要であり、食料や物の輸出入は水資源の輸出入に置き換えられるのです。
食品や物を作る際、輸入国側がそれを作るためにどれだけの水資源が必要で、投入を仮定したときの水量をバーチャルウォーターで表すのです。

食品におけるバーチャルウォーター

例えば、ハンバーガーを一つ作るためには水を1000リットルほど必要とします。
牛丼一杯であれば、1890リットルの水を使用します。
もし、ハンバーガーを一つ輸入することがあれば、それは1000リットルのバーチャルウォーターを輸入することになります。
ハンバーガー一つにしても、レタスを育てるための水や、牛が食べる飼料のための水などが使用されているため、多くの水が使われていると考えられるのです。
ちなみに、牛は飲み水をそれほど摂取することはありませんが、飼料を大量に食べて育つため、飼料を作る水が多く使用されることから、牛肉を輸入するのは大量の水を輸入することと同じになります。

日本のバーチャルウォーター

日本は水が豊かな国ですが、多量のバーチャルウォーターを輸入しています。
それは日本の国土が狭く、農畜産業にとって条件が悪いことが理由の一つです。
農業従事者の人件費が高いことから、農畜産物は大幅に輸入を頼りにしています。
牛肉を始めとする農畜産物を多く輸入していることから、バーチャルウォーターとして水資源を大量に輸入しているのです。
日本のバーチャルウォーターの輸入量は、国内で使用される年間水使用量と同程度の約800億立方メートルで、輸入元はアメリカが最も多く、次いでオーストラリア、カナダとなっています。
世界は水不足の問題に悩まされています。
日本や経済的に豊かな国でありながら、水を大量に輸入する一方で、輸出量はそれを相殺する量とは言えません。
そのため、日本は輸入している水資源を世界に還元しなければならない、という課題を抱えていると言えます。
参考:東京大学 生産技術研究所 沖研究室 世界の水危機、日本の水問題

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