気候変動枠組条約(UNFCCC)
気候変動枠組条約とは、気候変動に関する国際連合枠組条約の略称です。
地球温暖化に関する環境条約で、英語では「United Nations Framework Convention on Climate Change」と表記されます。
そのため「UNFCCC」と省略されることがあります。
気候変動枠組条約の概要
気候変動枠組条約は国際連合の下、地球温暖化対策の枠組みを初めて定めた条約です。
1992年の5月、ニューヨークで作成され、1992年の6月3日から6月14日まで、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催された「環境と開発に関する国際連合会議(UNCED)」またの名を「地球サミット」で採択されました。
気候変動枠組条約という略称の他にも、国連気候変動枠組条約、地球温暖化防止条約などと呼ばれます。
この条約の目的は、まず二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの増加によって、地球温暖化が進み、自然や生態系に悪影響があることを人類共通の関心事であると確認することです。
さらに、温室効果ガスの濃度を安定化させ、現在と将来の気候を保護することも大きな目的です。
また、気候変動による悪影響を防止する取り組みの原則、措置なども気候変動枠組条約によって定めています。
気候変動枠組条約の内容
気候変動枠組条約では以下のような原則があります。
- 締約国の共通だが、差異のある責任
- 開発途上締約国等の国別事情の勘案
- 速やか、かつ、有効な予防措置の実施
地球温暖化は共通の責任ではあっても、産業革命から大量の化石燃料を消費してきた先進国と、途上国では責任の違いがあるとしています。
そのため、先進国は先行して温室効果ガスの削減を行い、途上国に対して温暖化対策に関する必要な資金や技術を提供する義務があります。
これを実行するために、地球環境ファシリティ(GEF)や緑の気候飢饉(GCF)が組織されています。
締約国会議(COP)
気候変動枠組条約を発効してから、1年に1回「気候変動枠組条約締約国会議」が行われています。
これは、英語では「Conference of the Parties」と表記されるため「COP」と呼ばれています。
このCOPの中でも、第3回で2000年以降の数値目標を設定する京都議定書が採択されたことは有名です。
また、フランスのパリで行われた第21回は、パリ協定が採択されたことでも話題になりました。
その他、締約国会議は以下のように行われています。
開催回 | 開催期間 | 開催国 |
---|---|---|
第1回締約国会議(COP1) | 1995年3月28日 – 4月7日 | ドイツ ベルリン |
第2回締約国会議(COP2) | 1996年7月8日 – 19日 | スイス ジュネーヴ |
第3回締約国会議(COP3) | 1997年12月1日 – 10日 | 日本 京都 |
第4回締約国会議(COP4) | 1998年11月2日 – 13日 | アルゼンチン ブエノスアイレス |
第5回締約国会議(COP5) | 1999年10月25日 – 11月5日 | ドイツ ボン |
第6回締約国会議(COP6) | 2000年11月13日 – 24日 | オランダ ハーグ |
第7回締約国会議(COP7) | 2001年10月29日 – 11月10日 | モロッコ マラケシュ |
第8回締約国会議(COP8) | 2002年10月23日 – 11月1日 | インド ニューデリー |
第9回締約国会議(COP9) | 2003年12月1日 – 12日 | イタリア ミラノ |
第10回締約国会議(COP10) | 2004年12月6日 – 17日 | アルゼンチン ブエノスアイレス |
第11回締約国会議(COP11) | 2005年11月28日 – 12月9日 | カナダ モントリオール |
第12回締約国会議(COP12) | 2006年11月6日 – 17日 | ケニア ナイロビ |
第13回締約国会議(COP13) | 2007年12月3日 – 14日 | インドネシア バリ |
第14回締約国会議(COP14) | 2008年12月1日 – 12日 | ポーランド ポズナニ |
第15回締約国会議(COP15) | 2009年12月7日 – 18日 | デンマーク コペンハーゲン |
第16回締約国会議(COP16) | 2010年11月29日 – 12月10日 | メキシコ カンクン |
第17回締約国会議(COP17) | 2011年11月28日 – 12月9日 | 南アフリカ共和国 ダーバン |
第18回締約国会議(COP18) | 2012年11月26日 – 12月7日 | カタール ドーハ |
第19回締約国会議(COP19) | 2013年11月11日 – 22日 | ポーランド ワルシャワ |
第20回締約国会議(COP20) | 2014年12月1日 – 12日 | ペルー リマ |
第21回締約国会議(COP21) | 2015年11月30日 – 12月11日 | フランス パリ |
第22回締約国会議(COP22) | 2016年11月7日 – 18日 | モロッコ マラケシュ |
第23回締約国会議(COP23) | 2017年11月6日 – 17日 | ドイツ ボン |
第24回締約国会議(COP24) | 2018年12月2日 – 15日 | ポーランド カトヴィツェ |
第25回締約国会議(COP25) | 2019年11月(予定) | チリ |