クマが冬眠できずトラブルに!原因は地球温暖化か?
寒い日が続き、コタツやお布団から出たくない、と思う日が増えてきました。 そして「自分もクマのように冬眠したいなぁ」と考えてしまうこともないでしょうか。
しかし、この時期に冬眠しているはずのクマも、安らかに眠れているとは限らないようです。 なぜ、クマが冬眠できていないのか。 それには、ある環境問題が関係していました。
クマが冬眠する時期と理由
まず、クマはなぜ冬眠するのでしょうか。 それは冬の時期に食料がないから、と言われています。 クマは大型の哺乳類で、一日に多くの食事をとる動物です。
しかし、クマが食べる木の実や草、魚や昆虫などの食料は、冬の間は見当たりません。 そのため、クマは秋の間に多く食事を取って栄養と蓄え、冬眠に入るのです。
冬眠中は体温が低下せず、代謝も大幅に落とせるため、春まで眠ったままでいられます。 冬眠の具体的な時期は12月から4月頃が一般的です。 冬眠前となる10月や11月は非常にクマが食べる時期であるため、遭遇してしまった場合は大変危険かもしれません。
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白く美しい体毛のホッキョクグマ。 可愛らしい姿を想像しますが、クマはクマであって、襲われたりし
白く美しい体毛のホッキョクグマ。
クマが冬眠できない理由とは
それは、2018年の2月のことでした。 アメリカの生物学者が冬眠中のクマを観察していたところ、研究対象としていたクマにつけていたGPSが動いていることに気付きます。 これはクマが冬になっても冬眠せずに起きていることを知らしめるものでした。
なぜ、クマが冬眠していないか、という疑問に対し、多くの研究者は「気温の高さ」と「食料の増加」が原因であると考えます。 クマは寒さを感知して冬眠に入りますが、このときは地球温暖化による暖冬で、冬眠するほどの寒さではなかったのです。
さらに、雪不足だったためにクマの食料となる松の実が雪で覆われることがありませんでした。 そのため、気温は暖かく、食料が十分にあったことから、クマは冬眠する必要がなかったのかもしれません。
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日本にも自然や動植物に囲まれ、人々からも愛される場所が多く存在します。 北海道にある、世界遺産
日本にも自然や動植物に囲まれ、人々からも
町に出没するクマ
しかし、クマの冬眠時期が短くなることで、今度はクマが町に出没することが考えられます。 日本でもクマが人を襲う事件が連日のように報道されることがありました。 そのときは、冬眠前の秋、ドングリが不作だったため、クマは食料を求めて山を降りてきてしまったと考えられます。
地球温暖化によりクマの活動期間が長くなると、その分だけ多くの食料が必要になってしまうことは当然と言えるでしょう。 また、クマがドングリや松の実を多く食べてしまえば、次の年はそれらが不作になると考えられます。
すると、クマは人の町まで降りて、食料を探すことになってしまうことに。 そうなってしまうと、クマと人間の関係性が悪化することも自然な流れです。 もし、クマが自分たちに被害をもたらすと人間が判断し、積極的に駆除を行った場合は、結果的に絶滅してしまう恐れも考えられます。
地球温暖化の原因は、人間が発端と言える現象です。 その地球温暖化が原因で、生活のリズムが狂ってしまったクマが、人間によって駆除されてしまうのは、とても悲しい話ではないでしょうか。
少し気温が上がっただけのことだとしても、生態系は大きく崩れてしまう恐れがあります。 そして、私たち人間も同じ生態系の中で生きる動物です。 これ以上、生態系を崩さないように、私たちは環境を配慮した生活を考えて行かなくてはなりません。 できる限り、3Rを意識することで、少しでも環境に良い暮らしを心がけましょう。
参照:The New York Times As Winter Warms, Bears Can’t Sleep. And They’re Getting Into Trouble.
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