温暖化で永久凍土が融解!ウィルスや温室効果ガスが発生する恐れ
この地球上には永久凍土と言われる、大変寒い地域が存在します。 その中には1年の間、ずっと氷に覆われている、過酷な地域もあります。
しかし、そんな永久凍土の氷が温暖化で融解していることが話題になっています。 永久凍土の氷が融解してしまうことで、どのような問題があるのでしょうか。温暖化と永久凍土の融解についてご紹介します。
温暖化の影響で永久凍土が溶けている?
まず、永久凍土とは、2年以上にわたって、土壌の温度が0度以下となる土地のことを言います。 実は永久凍土とは、地表に氷が存在するかどうかではなく、地表に含んだ水分が凍っているかどうかで定義されるのです。 そんな永久凍土が近頃、各地で融解していることで、様々な発見があったと話題になっています。
例えば、絶滅してしまった動植物の種が発見されたことが挙げられ、ロシアでは遥か昔に絶滅したとされる、マンモスの発見が続いています。 マンモスについては、遺伝情報を調べることで復活させる、というロマンある計画まで出ているようです。
これらは素晴らしい発見ではありますが、永久凍土は、分布や融解を計測することで、地球温暖化の指標にもなります。 つまり、永久凍土の融解によって様々なものが発見されているこの状況は、温暖化が進んでいるとも考えられるのです。 そして、永久凍土が融解することは、他にも様々な問題の原因にもなると懸念されています。
永久凍土の融解で放出される温室効果ガス
永久凍土の融解による恐ろしい現象の一つとして、まず挙げられるのは温室効果ガスの放出です。 実は永久凍土の氷には、たくさんの炭素が含まれています。 中には二酸化炭素やメタンガスのような温室効果ガスも含まれているため、永久凍土が融解することで、地球温暖化に拍車がかかってしまう恐れがあるのです。
メタンと言えば、温室効果が二酸化炭素の28倍と言われる温室効果ガスです。 温暖化の影響により、氷が融解し、そこからメタンのような温室効果ガスが排出されるとしたら、恐ろしい話ではないでしょうか。
また、融解した永久凍土の中から、ウィルスが発見されたこともあり、他にも様々な病原菌が発生する恐れもあると考えられています。 過去に猛威を振るった様々なものが、温暖化によって今の世に復活してしまう現象が、この他にもたくさんあるとしたら、このままではとても恐ろしい未来がやってきてしまうのではないでしょうか。
永久凍土の融解が影響で建築物が傾く?
永久凍土の融解によって発生する問題は他にもあります。 それは永久凍土の融解が影響して建造物が倒れてしまう、ということです。
ロシアのシベリア、東部にあるヤクーツクは、永久凍土の土地に作られた都市の中でも最大級と言われる街です。 しかし、ヤクーツクにある建造物の中には、2年前と比べ、40センチほど傾いた、と言われているものがあります。
ヤクーツクの旧ソ連時代に建てられた建造物は、永久凍土の上にありますが、1960年代の建築基準では温暖化の影響は考慮されていませんでした。 そのため、永久凍土の融解によって、倒壊する恐れのある建造物が少なくない状況で、既に取り壊されたものもあるそうです。
もし、長く住んでいた家が温暖化で住めなくなった、なんてことになったら、誰も責められず悲しさに打ちひしがれるしかないですね。
参考:AFPBB News 温暖化で解ける永久凍土 傾く建物、有害物質放出の恐れも シベリア
温暖化は氷の中にも潜んでいる
このように、温暖化は様々なところに潜んでいる、恐ろしい環境問題だと言えます。 永久凍土の中に潜んでいる温室効果ガスのように、温暖化の脅威がどこかに潜んで発見されていない、という恐れもあります。
突然の温暖化の進行に、人類が慌ててしまうことがないよう、今からで二酸化炭素排出の抑制を心がけると良いでしょう。 電気をマメに消す、使っていないコンセントを抜く、テレビを見る時間を減らすなど、できることからでも、ぜひ挑戦してみてください。