百獣の王ライオンは人によって激減していた【絶滅動物シリーズ】

百獣の王ライオンは人によって激減していた【絶滅動物シリーズ】

百獣の王と言われるライオン。
ライオンは、その力強い姿から、動物の王と言われることも少なくありません。
そんな、強さの象徴とも言えるライオンの多くが絶滅の危機を迎えています。
弱肉強食の世界であっても、強いライオンが生き残れるわけではないようです。
ライオンの絶滅について、ご紹介いたします。

ライオンとは

ライオンはネコ科ヒョウ属の肉食動物で、別名を獅子と言います。
体重が250キロを超えることがあり、トラの次に大きなネコ科の動物です。
草原や砂漠などの環境で生息し、吠えることや尿を撒いて縄張りを主張します。
縄張りの中で群れを作り、その中では非常に高い社会性があることも、ライオンの大きな特徴です。
プライドと呼ばれる群れを形成し、そこにはメスと子供のライオン、そして少数のオスがいます。
狩りはメスの仕事で、小型であろうが大型であろうが、哺乳類を捕食します。
複数のメスが連携し、協力して獲物を捕らえますが、成功率は4分の1と言われています。

このように、ライオンは捕食者としてのイメージがあり、強さの象徴とされ、旧石器時代からその姿が描かれるなど、人間にとっても広く知られている動物です。

絶滅したライオンの種類

そんなライオンが、実は急激に減少しています。
約1万年前までは人の次に広く分布する哺乳類だったと言われ、アフリカから南東ヨーロッパまで広い地域に分布していました。
しかし、人間の登場により、生息地を狭めていくことになります。
これは文明が発展するに伴って、農耕地が増えたことから、森が減り、砂漠が増え、ライオンの獲物となる動物も減少したことが原因の一つだと考えられます。
ギリシャでは紀元前100年頃にライオンが絶滅していますが、1800年代の初め頃はアフリカの大部分、アラビア、イラク、トルコ、インドなど各地で見られました。

しかし、その後に各地でライオンが消滅します。
1858年、アフリカ南部のケープ。1865年、ナタール。1891年、アルジェリア。1920年頃、イラクとモロッコ。
このように次々とライオンが姿を消していったのでした。
絶滅してしまったライオンの種は以下のようなものがあります。

ケープライオン

最大のライオンと言われるケープライオンですが、正確な記録はありません。
メスの剥製標本を計測したところ、全長が264cmだったため、オスはさらに大きな体だったと考えられます。
アフリカ南部のケープ地方に分布していましたが、そこは金やダイヤモンドが採れる地域だったため、急速に開発が進みます。
そのため、標本も残されることなく、1865年からケープライオンの姿は見られなくなりました。

バーバリライオン

ケープライオンと並ぶ大型のライオンで、黒味を帯びた黄褐色の体、そして長いたてがみがバーバリライオンの特徴でした。
たてがみは長くて黒い毛が混ざり、肩を超えて銅の前部に達するほどの長さがありました。
アフリカ北部のバーバリ地方からエジプトにかけて分布していました。
エジプト文明の影響を受けないように、山岳地方のバーバリ地方に控えていましたが、ハンティングが盛んになったことで、その数を減少させてしまいます。
また、生息地の破壊もあり、1920年に絶滅したとされています。

絶滅が危ぶまれるライオンの種類

絶滅には至らないものの、その数が激減し、絶滅が危ぶまれるライオンの種類は数多く存在します。

インドライオン

インド西部に分布するインドライオン。
小形のライオンで、黄褐色からバフ色の体をしています。
狩猟や開発によって、頭数が激減していましたが、現在は保護活動によって、増加傾向にあります。

アビシニアライオン

エチオピアのスーダンに生息するアビシニアライオン。
小形でたてがみも短いのが特徴。
学者の中にはアビシニアライオンを亜種として認めないこともあるそうです。

ソマリライオン

ソマリア、ケニアの低地に分布するソマリライオン。
最小の亜種で淡い灰黄褐色の体毛を持っています。
時折、たてがみのないオスが見られます。

ライオン絶滅の原因は?

動物園に行けば、当然のように見られるライオンですが、アフリカでは20年間で30~50%ほど頭数が減少していると言われています。
それは、人間による開発が進んだことが大きな原因と言えるでしょう。
人間は自らの生活を豊かにすべく開発を行ってきました。
人間が幸福を追求した結果、ライオンのような力強い動物まで絶滅に追いやろうとしています。
開発を進めた人たちに、そのような事態が起こることを想像できたでしょうか。

私たちは動物たちの現状を知り、さらに種が失われていくことがないように、注意をしなければならないでしょう。
ぜひ、動物について知るきっかけがあれば、積極的に耳を傾けてみてください。

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