北極にいた唯一のペンギン!オオウミガラスとは【絶滅動物シリーズ】

北極にいた唯一のペンギン!オオウミガラスとは【絶滅動物シリーズ】

ペンギンは南半球のみに生息する、という話はご存知でしょうか。
ペンギンは南極大陸にいるイメージですが、北極には存在しないのです。
関連記事:北極にペンギンはいない!南極だけに住む理由とは?
しかし、北極にはペンギンによく似た鳥がいました。
それがオオウミガラスです。
北極に住む唯一のペンギンとも言えるオオウミガラスですが、既に絶滅しています。
いったい、オオウミガラスに何が起こったのでしょうか。

※写真はイメージとなり、実際の動物と異なる場合があります。

オオウミガラスとは

オオウミガラスはチドリ目ウミスズメ科に分類される海鳥です。
カナダの東海岸に位置するニューファンドランド島や、グリーンランド、アイルランドなどに生息していました。
全長は約80cmで、腹が白く、頭部から背は暗褐色と、姿もペンギンによく似ています。
集団で生活し、食べ物は魚類やイカ類で、特にイカナゴを好んでいたようです。
また、鳥であるにも関わらず、空は飛べずに泳ぎが得意という特徴もペンギンと同じでした。

実は、オオウミガラスの方が先に「ペンギンと呼ばれていた」のです。
ウェールズやブルターニュの人々は、オオウミガラスのことを古代ケルト語で「白い頭」を表すペンギンと呼んでいました。
また、ラテン語では「脂肪」のことを「Pinguis」と言うことから、太ったオオウミガラスをペンギンと呼ぶようになったとも言われています。
その後、人々が南極まで行くようになると、そこにも太った飛べない鳥がいたため、彼らもペンギンと名付けられたそうです。
オオウミガラスの方が、初代ペンギンであったわけなのですが、絶滅してしまったために、ペンギンと言えば南半球に生息する誰もが想像するペンギンになったのです。

また、オオウミガラスはペンギンと同じように、人に対して恐れがない性質でした。
人間が近づいても、逃げることなく、よちよちと歩いているだけだったそうです。
しかし、この性質がオオウミガラスの絶滅を早める結果となってしまいます。

オオウミガラスの乱獲

オオウミガラスが滅びの道に進むことになったきっかけは、1534年にフランスの探検家である、ジャック・カルティエ(Jacques Cartier)が、ニューファンドランド島に上陸したことでした。
彼らはオオウミガラスの羽毛が役立ち、卵が美味しいと知ると、1日で1000羽のオオウミガラスを殺しました。
その話はヨーロッパ中に広がり、すぐに卵集めのプロたちがやってきて、親鳥は容赦なく片っ端から殺され、オオウミガラスの巣は破壊されました。
毎年のようにこれが繰り返され、オオウミガラスは急激に減少してしまいます。
1750年には、ニューファンドランド島、グリーンアイランド、アイスランド沖の小島などにわずかに残るだけになってしまったのです。
それでも乱獲は続き、最後にはアイスランド沖にあるウミガラス岩礁と名付けられる小島に存在するだけとなってしまいました。
この島は崖で囲まれていたために、人が付かづくことはできず、オオウミガラスは何とか繁殖を続けることができました。
それが1820年頃のことでしたが、オオウミガラスの運命は、その後も悲惨なものとなるのでした。

オオウミガラスの最後

1830年、ウミガラス岩礁で細々と繁殖を続けていたオオウミガラスですが、その島は海底火山の噴火による地震によって海に沈んでしまいます。
オオウミガラスはヒナを育てる島を失ってしまいますが、それでも生き残っていました。
たったの50羽ほどですが、奇跡的に生き残り、近くのエルデイと言われる岩礁に移り住んだのです。
奇跡的に生き残ったオオウミガラスですが、それによって希少価値が付いてしまったことで、ヨーロッパ中の博物館が標本としてオオウミガラスを欲しがることになってしまいました。
そこで、多くの捕獲者が大金を目当てにオオウミガラスを探し回ることになります。

そして、1844年のことでした。
エルデイには、最後の生き残りと言える、2羽のオオウミガラスのつがいと、彼らが育てていた卵があるばかりでした。
そこに、一艘のボートがやってくることになりますが、その後どうなってしまったのかは、語る迄もないと言えるでしょう。

こうして、オオウミガラスは絶滅してしまいました。
他にも、似たような経緯で絶滅してしまった動物は少なくありません。
私たちは同じ地球に住みながら、他の動物たちとは違った生活をしていると言えます。
時として、それがバランスを崩して種を絶滅に導いてしまうことがありますが、欲望のためだけに他の種を根絶やしにしてしまうことは、あってはなりません。
これ以上、種が絶滅しないように、少しでも動物たちの生活を想像してみてください。

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