リユース・リサイクルの魅力は「いらない」が誰かの笑顔につながること 株式会社浜屋 リユース事業部営業課 會田さん インタビュー
資源枯渇や環境汚染が懸念される中、埼玉県東松山市にある株式会社浜屋はリユース・リサイクル事業を幅広く展開し、循環型社会の形成を目指しています。 不用品をリユースして「もったいないを価値に変える」という使命を掲げる浜屋は、どのような取り組みを行っているのでしょうか。
事業の魅力やリユース品の行き先など、株式会社浜屋 リユース事業部営業課の會田さんに伺いました。
リユース・リサイクルでもったいないを広める株式会社浜屋
――株式会社浜屋は、どういった事業に取り組む企業なのか、概要を教えてください。
私たちは、埼玉県東松山市を拠点に「もったいないを広めよう」という合言葉を掲げ、国内外でリユース・リサイクルの事業を展開しています。 浜屋の原点であり、今も核となっている事業は「リユース」です。ご家庭や会社で役目を終えた家電、生活雑貨、キッチン用品など、世間では「不用品」と呼ばれてしまうものを、私たちは大切な資源として買取らせていただいています。
これら不用品は、回収業者さんや行政、個人事業主さんなど、さまざまなルートから私たちの元へ集まり、国内外に向けてリユース販売していますが、その行き先は東南アジアを中心に、中東、アフリカ、中南米といった海外がほとんどです。 日本では「古い」とされるものでも、海の向こうでは必要としている方々がたくさんいます。現地で再び販売され、新しい持ち主のもとで大切に使い続けられる。普通ならごみとして捨てられていたモノが、再利用されるため、循環型社会形成の一翼を担っているという自負はあります。
また、モノとしての再利用だけでなく、素材の形に戻す「リサイクル」も力を入れています。例えば、今の家電やスマートフォンには、貴重な資源を含んだ電子基板が入っているため、これらを国内外で回収・破砕して、国内の精錬メーカーさんに販売するなど、モノを再循環させる事業です。
地球の資源には限りがありますから、こういった持続可能な仕組みづくりはこれからの社会に欠かせません。ただ中古品を扱うのではなく、世界中の「もったいない」を価値に変え、より良い社会の構築を目指したいと考えています。
「Win-Win」の精神を大切にする浜屋の魅力とは
――會田さんは、どのような経緯で浜屋に入社したのでしょうか。また、浜屋の魅力についても教えてください。
私の場合は経緯が少し特殊で、在学中に別の会社が決まっていました。しかし、直前になってその会社の経営状態が思わしくないことが分かりまして。大学卒業と同時に結婚もして、勤務地に合わせて都内からこちらに引っ越してきた後だったので「急いで仕事を探さなくては」と。そんな時に偶然見つけたのが浜屋でした。
決め手も、求人広告に「家具を海外に販売」や「英語を使う仕事」といったワードがあり、父の仕事の関係で幼少期をイギリスで過ごした経験もあって「自分のスキルが少しは活かせるかな」くらいの、気持ちだったのです。 しかし、働いていくうちに、当時の小林社長(現顧問)のお客様を大事にする考えや、掲げている企業理念に引き込まれていきました。
特に魅力だと思ったのは、関わる全ての方と喜びを共感する「Win-Win(ウィン・ウィン)」の精神です。リユースについても、日本では使わなくなったモノを買取して、本当に必要としている海外のお客様へ届ける。これは買取を利用した方、現地の方々、どちらにも喜んでもらえるサービスと言えます。自分たちの仕事が誰かの役に立ち、喜ばれているのだ、と感じたとき、ここで働いてよかったなと感じられました。単なるリユース品の輸出ではなく、喜びを循環させているんだと確信できたことが、浜屋に魅力を感じるようになった一番の理由と言えるかもしれません。
浜屋のリユース品が海外で笑顔を生む
――浜屋は海外にリユース品を輸出されていますが、市場調査などで現地を訪れることもあると思います。現地で日本のリユース品が使われている様子や、どのような形で喜ばれているのか教えてください。
直近ではカンボジアとベトナムを回ってきました。カンボジアは自転車の輸出が目的なのですが、日本製が本当に人気です。都市部ではあまり見かけませんが、郊外や田舎に行くと学生たちがみんな日本製の自転車に乗っています。
カンボジアも「Made in Japan」に対する信頼が強く、日本から送られてきた自転車を現地の人がクリーニング・塗装し、錆びたパーツを交換して、丁寧にメンテナンスして使ってくれるのですが、驚くべきことに中国製の新品よりも人気です。価格は中国製の新品とあまり変わりませんが「日本製の中古品の方が長持ちする」のだとか。 年配の方には昔の新聞配達で使われていたタイプの頑丈な鉄ブレーキの自転車が好まれ、若い人や学生さんにはいわゆるママチャリ、富裕層には趣味としてのスポーツバイクといった具合に、現地の生活に完全に溶け込んでいました。
ちなみに、カンボジアが好景気だったときは「これからはバイクだ」と自転車の需要が落ち込んだこともありましたが、その後の経済危機に陥ると、再び「安価で高品質な日本の自転車」に注目が集まったという過去もあります。現地の経済状況が、ダイレクトに私たちの仕事の需要に直結していることを痛感しました。
ベトナムについては、電動工具類の輸出がメインです。現地の人たちは修理技術が高く、ハンドツールにもこだわりがあるのか「浜屋が持ってくるハンドツールは質がいい」と喜んでくれます。 他にも、最近のベトナムでは「骨董品」の需要も高まっています。浜屋のオークション事業を通じて、日本の壺や掛け軸、茶碗などがベトナムの富裕層に届くようになりました。彼らは日本の骨董に関する知識もしっかり持っていて、目利きをして購入されてるんです。 こうした意外な需要を発見して、お客様に喜んでもらえることも、この仕事の醍醐味と言えるかもしれません。
参考:浜屋オークション 公式ホームページ
ここまで日本製が喜ばれる理由は「安全性に対する圧倒的な信頼」の部分が大きいからだと考えます。 その例として、ガスファンヒーターが人気の国で、日本製の魅力を伺ったことがありました。そこでは、インフラが未発展のためガスの供給が突然止まったり、再開したりすることがあり、使用していた中国製品はそのようなことを想定されて作られていないことが原因で、ガス漏れが発生し大きな事故につながっているとのことでした。その一方で日本製は安全装置がしっかり作動して、事故が起こらなかったそうです。日本製は安全性が高いから助かると言われたとき、我々が集めているモノは、ただの中古品ではなく、日本の「品質」と「安心」なのだと再認識したのを覚えています。また、別の国では日本製のベビー用品が人気で、それも丈夫で、長持ち、何より安全面に配慮された設計で安心と評価をいただきました。
私たちの使命は「もったいないを価値に変える」ことにあります。 日本では捨てられてしまうはずだったものが、海を越えて誰かの生活を支える「必要」に変わる。丈夫で、長持ちで、何より安全な日本製品を届けることは、現地の人にとって我々の想像以上の価値を生み出しているのです。それを提供できている浜屋の仕事は、本当に価値があるものだと感じています。
リユースで「喜びがつながる世界をともにつくる」
――最後に浜屋で働くことを通して社会に役立っていると感じるシーンを教えてください。
自分の生活の中でも「もういらないかな」と思うものはありますが、そのほとんどは浜屋で扱えるものばかりです。本来ならクリーンセンターに運ばれ、粗大ごみとして消えていくはずだったモノたち。それらが私たちの手を通じて、もう一度「資源」として活用されれていると考えるだけでも、廃棄物が削減されていると実感できます。
そして、毎日のように拠点から出発していく膨大な数のコンテナは、浜屋が「もったいないを価値に変えた」という証です。このコンテナの数だけ、地球の資源が守られ、そして海の向こうで誰かの笑顔が生まれたと思うと感慨深い気持ちになります。
私たちが目指すのは「喜びがつながる世界をともにつくる」ことです。 日本の「もったいない」という心を世界へつなげ、モノを大切にする喜びを循環させていく。その先に、持続可能な未来があると信じています。浜屋のリユースという仕組みを通じて、これからも世界中に喜びの輪を広げていきたいです。
それから、浜屋の輸出先は7~8割が東南アジアとなり、そこには日本の中古品を心から待ち望んでいる生活者がいますが、自分の届けたコンテナが、現地の人たちを支援していると実感できる仕事です。 浜屋には海外支援に強い関心を持つ若い人が多く在籍し、大いに活躍していますので、次の機会にはそんな従業員たちの話もぜひ聞いてみてください。










