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合掌造りとは?世界遺産になった建築構造はどんなメリットがあるのか

合掌造りとは?世界遺産になった建築構造はどんなメリットがあるのか

合掌造り、という言葉をご存知でしょうか。
小学生のときに、教科書で紹介されていたような気もしますよね。
雪国に存在するイメージが強い合掌造りですが、実際にはどのような役割があるのでしょうか。
合掌造りの構造やそのメリットをご紹介します。

合掌造りとは

合掌造りは日本の住宅建設様式の一つで、建築物をすっぽり覆う傾きのある屋根が特徴的な民家です。
有名なのは、岐阜県の白川郷と、富山県にある五箇山の合掌造りです。
白川郷・五箇山にある合掌造りの集落は、1995年に世界遺産に登録されるほど、多くの人に知られています。

なぜ、これらの地域に合掌造りの家屋が作られたのかと言うと、それは平地が少ないことが理由でした。
平地は稲作に不向きであったことから、屋内での養蚕製糸や煙硝作りによって、収入を得ていました。
また、次世代の家長夫婦を中心として、親族や使用人と大勢で暮らすことが主流でもあったことから、この地域では大きな家が必要だったのです。
これらの状況に適した建築物として合掌造りは作られました。

合掌造りが広く知られるようになったのは、1930年代のことでした。
きっかけは、ドイツの有名な建築学者であるブルーノ・タウト(Bruno Taut)が自らの著書で合掌造りについて記述したことです。
白川郷へ訪れたブルーノは、合掌造りが建築学的に合理的で論理的であると絶賛しました。
この評価は世界中に広まり、多くの人が合掌造りに興味を示すようになったのです。

合掌造りの構造とメリット

世界的に有名な建築家である、ブルーノ・タウトがその構造を褒め称えた合掌造り。
どのような点で、その構造は優れているのでしょうか。

雪に強い構造

合掌造りの構造として、まず挙げられるのは、雪に強い構造です。
雪の降る地域では、家屋の屋根は何トンもの重さを支える必要があります。
その重さに対応するために使われているのが、根曲りの木です。
根曲りの木は、強い雪によって、真っ直ぐ伸びず曲がってしまった木のことを言って、雪の重さに耐えたための強度があります。
これを東西に配置しますが、建築に合わせてしっかりと左右対称になるよう、職人の技術が使われているのです。

茅葺の役割

合掌造りの大きな特徴は、茅葺(かやぶき)の屋根です。
茅葺とは、屋根を覆うための材料のことで、イネ科やカヤツリグサ科の総称である茅を束ねたものです。
この茅葺で屋根を覆う際、その並べ方を工夫することで、雨水の流れを良くしたり、強度を高めたりと言った役割があります。

エコとリサイクル

合掌造りはエコと言える特徴もあります。
合掌造りは、屋根が西を向く面と、東を向く面があるように建造されます。
これは、屋根に積もった雪を午前中は東側で溶かし、午後は西側で溶かす、という工夫があります。
自然のエネルギーを無駄にすることなく、家を守るための仕組みがしっかりと考えられていると言えるでしょう。

また、合掌造りの家屋の中は意外にも暖かいことが特徴です。
しかし、その熱源は囲炉裏のみです。
この囲炉裏は様々な役割があり、エコロジーな側面があります。
家を保温することはもちろん、照明としての役割、鍋やお湯を温める役割、煙による防虫としての役割などです。
現在、私たちが使用する家電の中にも、これほど複数の役割を果たすものは、あまり見られないでしょう。
他にも、屋根を覆う茅は、役目を終えると田畑の肥料としてリサイクルできるという役割もあることから、合掌造りは無駄のない家だと言えるのです。

無駄のない生活を支える合掌造り

このように、合掌造りは無駄を出さないための知識が複数存在しています。
もちろん、火に弱い、風に弱いなどの弱点はありますが、優れた部分が多いのは事実です。
無駄を出さない合掌造りは、私たちの今の生活にとって、大変参考になるものではないでしょう。
このような工夫を積み重ねれば、地球への負担も減らすことができるかもしれません。
ぜひ、合掌造りを参考にして無駄のない生活を心がけてみてください。

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