さいたま市桜環境センターを見学!ごみ処理から余熱体験まで
桜環境センターはJR武蔵野線西浦和駅から徒歩15分ほどの場所に位置する、さいたま市の一般廃棄物処理施設です。 ここでは、主に南区、浦和区、桜区、中央区、西区のごみを収集し、もえるごみから粗大ごみまで、あらゆるごみが処理され再資源化の工夫が行われています。しかし、それだけではありません。
ごみを処理した余熱を回収することで様々なサービスを展開し、さらに3Rや環境の大切さを学習できる施設でもあるのです。 さいたま市の一般廃棄物処理施設、桜環境センターをご紹介いたします。
目次
ごみ処理だけじゃない!熱回収施設
それではさっそく、桜環境センターの設備をご紹介します。まずはごみ処理に関する設備です。
プラットフォームとごみピット
収集車が集まるプラットフォーム。ごみ処理施設と言えば、やはり収集車が集まるプラットフォームと、ごみが貯留されるごみピットです。 桜環境センターでは、プラットフォームは熱回収施設とリサイクルセンターで別れて、熱回収施設には1日に約350トン、リサイクルセンターには1日に約50トンものごみがやってきます。 プラットフォームでは、エアカーテンや脱臭装置、ピット内を負圧にすることで臭い対策が行われ、周辺の環境に配慮されています。 家庭ごみの直接搬入も受け付けているため、持ち込みごみの受付時間であれば、いつでもごみの処理をお願いできます。平日(祝日を含む月曜日~金曜日)は8:30~12:00/13:00~16:30、土曜日は8:30~12:00が受付時間となります。日曜日、年始(1月1日~3日)は定休日になので、ご注意ください。
ごみピットに集められたごみを巨大クレーンがつかむ。熱回収施設のごみピットは1,900トンのごみが貯留可能。 ここに集められたごみは、一度に約3トンのごみをつかむ巨大クレーンでシャフト炉式ガス化溶融炉に投入されます。 ちなみに見学コースでは、クレーンの実物大レプリカが展示されているため、圧巻の迫力を実感できます。
巨大クレーンのレプリカ。クレーンは手動でコントロールし、ごみを混ぜたり投入を行ったりしていますが、夜間、日曜日は自動で投入作業を行っているそうです。
高温で溶かしたごみは資源へ
ごみを高温で溶かすシャフト炉式ガス化溶融炉。桜環境センターでは、もえるごみはシャフト炉式ガス化溶融炉に投入されます。 シャフト炉式ガス化溶融炉は1,700~1,800度の高温でごみを溶かし、炉の下部から溶融物を排出します。
この溶融物は高品質なスラグやメタルとなり、資源となるのです。 ちなみに、スラグは道路の材料などになり、メタルはクレーンやショベルローダーなどの建設重機の重り(カウンターウェイト)などに使われます。
桜環境センターのシャフト炉式ガス化溶融炉は、ごみを再資源化して、最終処分場へ送られる残渣の発生を抑えるため、市内の他の環境センターから発生した残渣も受け入れて、処理を行っているのです。
ごみ処理時の熱は発電へ
蒸気は蒸気タービン発電機によって発電に利用される。ごみの処理時に発生する熱はもちろん回収され、無駄なく利用されます。 回収された余熱は施設内にある大浴場やウォーキングプールに使われ、蒸気は蒸気タービン発電機によって発電に利用されます。 電気は最大8,500kW発電され、施設内の電力として使うことはもちろん、余った電気は売電されます。
資源物を再循環!リサイクルセンター
次は、桜環境センターでもえないごみや資源物がどのように処理されているのかをご紹介します。
もえないごみと粗大ごみの処理
二次破砕機のレプリカ。もえないごみは、回転するカッターでごみを小さくする一次破砕機を経て、高速回転するハンマーによってごみを砕く二次破砕機によって処理します。また粗大ごみは、直接二次破砕機に送り、処理します。 粉々になったごみはその後、磁石を利用した選別機によって鉄類とアルミ類に選別されます。
磁石に吸引されるのは鉄、回転させた磁界に反発するものはアルミ、と選別されるのです。 こうして取り出された鉄やアルミなどの資源は別の施設で再資源化され、残渣はもえるごみのピットへと送られ、シャフト炉式ガス化溶融炉で処理されます。
ペットボトルと食品包装プラスチック
ペットボトルと食品包装プラスチックは収集されてから、専用のピットに集められます。 その後、クレーンで運ばれ、手作業でペットボトルと食品包装プラスチックに選別されます。
コンベヤ上のごみは手作業で選別される。ペットボトルと食品包装プラスチックは、破袋機や破除袋機によってごみ袋を取り除かれ、別々のコンベヤに乗せられて移動し、再び手作業で異物を取り除きます。 そして、ペットボトルはペット梱包機、食品包装プラスチックは食品包装プラスチック梱包機によって、圧縮・梱包し、別の施設で再資源化されるのです。
缶とびん
圧縮・梱包された資源ごみ。缶とびんについても、同様の処理が行われます。
缶は破除袋機でごみ袋から取り出された後、手作業で異物を取り除き、選別機によってアルミ缶とスチール缶に分けられます。 そして、圧縮機によって圧縮・梱包され、再資源化のため別の施設へと送られるのです。 びんは破除袋機にかけられたあと、手作業で白色、茶色、その他の色に分けられ、再資源化のために別の施設へ送られます。
分別されず混入されていた危険物。リサイクルセンターでは、手作業で異物を取り除く作業がありますが、中には刃物や電池のようなものまで混じっていることがあるそうです。 これは作業する人にとって大変危険であり、限りある資源の再循環を妨げてしまう恐れがあります。 もし、ごみを捨てる際に分別を怠っている場合は、ぜひ改めるよう意識してください。
余熱体験施設を見学
桜環境センターでは、前述したようにごみ処理の際に発生した熱を回収し、余熱体験施設でそのエネルギーを有効活用しています。 その余熱体験施設には、開放的な露天風呂や、水中の運動を楽しめるウォーキングプール、地産地消をテーマにしたレストランまであります。
ちなみに、エコトピアのスタッフも取材前に、レストランを利用させていただきました。 とても、過ごしやすいレストランでメニューも豊富! もちろん味も美味しくて、お財布にも優しかったです!
入館料はさいたま市の方であれば、一般は730円、小中学生は310円、60歳以上であれば100円です。 市外からお越しの方は、小中学生以外はプラス100円となります。
レストランだけの利用も可能で、1時間以内の利用であれば、入館料はかかりません。 休館日は月曜日(月曜日が休日の場合は次の休日でない日、他にも臨時休館日あり)となるので、もしお近くにお住まいで、まだご利用されていない方がいましたら、ぜひ一度訪れてみてください。
参考:さいたま市桜環境センター 余熱体験施設/利用案内・フロアガイド
ごみ処理だけじゃない桜環境センター
このように、優れた設備を有する桜環境センターですが、現在駐車場の場所は、もともとはごみの埋立地があり、そこを環境に配慮して整備したそうです。 そのため、駐車場には埋め立てられたごみから出るガスを排出するための排気筒が存在します。
埋められたごみから排出されるガスを外へ出すための排気筒。過去に埋め立てられたごみの横で、現在は様々なごみが処理されていると思うと感慨深いですね。
他にもごみ処理や環境に関する様々なことを桜環境センターで学ぶことができるのです。 今回、桜環境センターの魅力をお伝えしましたが、まだまだご紹介し切れない設備がたくさんあります。 桜環境センターの魅力を少しでもお伝えできるよう、次回も別の設備をご紹介いたしますので、ぜひご覧ください。
続きはこちらからさいたま市でリサイクルやエコを学べる!桜環境センターをご紹介
さいたま市にあるごみ処理施設、桜環境センターでは、エコや環境に関する多くのことを学べます。 ご
さいたま市にあるごみ処理施設、桜環境セン
参考:さいたま市桜環境センター 公式ホームページへ