メガファウナとは?かつての巨大動物を絶滅させたのは人間か

メガファウナとは?かつての巨大動物を絶滅させたのは人間か

人類は多くの動植物を滅びの道に導いてしまいました。 その中には、メガファウナと言われる巨大動物たちも含まれていたかもしれないそうです。 メガファウナとは聞きなれない言葉ですが、どのような動物なのでしょうか。

また、メガファウナを滅ぼしたのは、本当に人間なのでしょうか。メガファウナとその絶滅についてご紹介します。

かつて存在した巨大動物「メガファウナ」とは

かつて、地球にはメガファウナと言われる巨大な動物たちが存在しました。

彼らは、約7万年前から1万年前の間、地上を闊歩していたと考えられ、特にアメリカやオセアニアに生息していました。 体重が3トンに及ぶナマケモノ、小型自動車ほどの大きさがあるアルマジロに似た生き物、ゾウのような巨大動物など。 そんな巨大なメガファウナたちは、ある時期に大量に絶滅してしまいます。

これは「第四紀の大量絶滅」と呼ばれていますが、この時期のメガファウナたちに、何が起こっていたのでしょうか。

更新世の巨大動物たち

メガファウナたちが生きていた時代は、第四紀の更新世と言われています。 その時期に生きていたとされる巨大動物たちは、どのような特徴を備えたいたのでしょうか。 更新世の巨大動物たちをご紹介します。

メガテリウム

メガテリウムは約5百万~1万年前に南アメリカ大陸で生息していた動物で、ナマケモノの近縁属です。 和名では大懶獣(だいらんじゅう)、またはオオナマケモノと言われています。

メガテリウムは地上性のナマケモノの中では最大級で、成長すると全長6~8メートルに及びました。 体重は3トンほどあり、私たちの知るナマケモノとは違って、木に登ることはありません。 葉を食べるためには、木の枝を前足にある巨大な鉤爪で引き寄せていたと考えらえています。

グリプトドン

グリプトドンは、南アメリカ大陸にいた被甲目で、現代で言うところのアルマジロに近い動物です。 和名では彫歯獣(ちょうしじゅう)で、生涯歯が伸び続ける、という特徴がありました。

初期のグリプトドンは小型でしたが、中新世の頃には1~1.5メートル、更新世では3メートルのものも現れました(アルマジロは75~100センチほど)。 背中には甲羅のようなドーム状の装甲板を背負い、危険になると手足を引っ込めて身を守っていたと考えられています。

メガラニア

メガラニアは、新生代第四紀更新世のオーストラリアに生息していた、巨大なトカゲの一種です。 全長は5~7メートルに及び、史上最大のトカゲだったとされています。

食性は肉食で、オーストラリアに生息していた有袋類を食していました。 絶滅したと思われるメガラニアですが、近代でも目撃情報があり、UMA(未確認動物)としても知られています。

ディプロトドン

ウォンバットは90~115センチ程度で、コアラに近い動物ですが、新生代第四紀更新世には、その巨大型とも言える、ディプロトドンがいました。 ディプロトドンは体長3メートルあり、上顎と下顎には発達した切歯を有しています。

また、鼻が非常に大きく、嗅覚が発達していたと考えられます。小指になる部分が一番発達していることが特徴的で、これは他の哺乳類には見られないものです。

プロコプトドン

史上最大級のカンガルーである、プロコプトドン。 大きさは2メートルに近く、直立すれば3メートルほどもありました。 現代でもオーストラリアでは、ジャイアントカンガルーというUMAの目撃情報がありますが、これはプロコプトドンの生き残りではないか、と言われています。

メガファウナを滅ぼしたのは人間か?

このように、巨大な動物であるメガファウナですが、約7万年前から1万年前の間に、急激に絶滅してしまいます。 彼らが絶滅してしまった原因は、はっきりしていません。現在も様々な説があり、論争が続いているのです。しかし、有力な説としては二つあります。

その一つが、人間による乱獲で絶滅してしまった、という説です。 この説が有力と言われる理由の一つとしては、メガファウナが多く生息していたオーストラリアに、人類が入植した時期と、メガファウナが減少した時期が一致していることからでした。 メガファウナの一種である、グリプトドンも甲羅を盾として使うために、人間に乱獲されていたと考えられています。

メガファウナのような巨大な動物まで、絶滅に追い詰めてしまう人類、おそるべし…と思われますが、新しい研究では人類がオーストラリアに入植していた約6万年前から4万年前にも、メガファウナが生き残っていたと判明し、人類の乱獲を裏付ける証拠はない、と主張されています。

そうなると、メガファウナが滅びた原因は、もう一つの有力な説である「気候変動」ではないか、と考えられるようです。 さらに、この説を主張する研究者は、現在も激しさを増している気候変動が、大量絶滅を引き起こすのではないか、と警告しました。 気候変動は環境問題が関係しているとも考えられています。そして、環境問題は人間によって引き起こされるものです。私たちはこれ以上、環境問題を悪化させないよう、心がけて生活する必要があるでしょう。

参考:Nature Communications Extinction of eastern Sahul megafauna coincides with sustained environmental deterioration

動植物の付き合い方も環境問題も考えよう

メガファウナの絶滅は、今回の研究では気候変動が原因とされていますが、また新たな証拠が出てきて、別の有力な説が出てくるかもいません。 それは改めて人間の乱獲が原因だった、と指摘されることもあり得るはずです。

現在も多くの動植物が、人間によって命を落としています。これ以上、人の手によって種が失われるべきではありません。 私たちは動植物が滅びてしまうことがないよう、環境に負担をかけない生活を心がけなければならないでしょう。

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