ヒマワリが栽培される理由は?花が持つ意外な役割とは
太陽のように明るく大きな花をつけるヒマワリ。 その花言葉は、私はあなただけを見つめる。 開花の時期は7月~9月で、夏の季語でもあるヒマワリは、活気ある夏を象徴するかのようです。
日本の観光地にも、ひまわり畑があり人々に温かさを与えてくれます。 そんなヒマワリですが、実は園芸のためだけにあるわけではありません。実は、ヒマワリには人の生活を支える役割を持っているのです。 ヒマワリの持つ意外な特徴とは、いったい何があるのでしょうか。
ヒマワリの歴史
ヒマワリの原産地は北アメリカ大陸の西武だと考えられています。 1510年にスペイン人がヒマワリの種を持ち込み、マドリード植物園で栽培が開始され、日本にやってきたのは、1660年頃の江戸時代でした。
ヒマワリは日本にやってくる前にフランスやロシアに渡っています。 そして、そのロシアでヒマワリの種子の価値が認められたのです。
なぜロシアだったのかと言えば、ロシアは正教会と言われるキリスト教の教派が多かったことが、原因でした。 正教会では、聖枝祭と言われる祭日の6週間前から食物品目の制限が行われるという決まりがあったため、多くの油脂食品が禁止食品となっていましたが、教会はヒマワリから油分が取れることを知らず、そのリストには入っておらず……。
そのため、ロシアの人々はヒマワリから油を取ることで、制限される期間でも食事に取り入れました。 そういった経緯もあり、ロシアは食用ヒマワリ生産の先進国となったのです。
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食用としてのヒマワリ
ヒマワリは、ロシアの人たちが食用とする前から、アメリカ先住民たちの食用作物として欠かせないものでした。 すりつぶして主食やお菓子として食され、料理に使う油としても活躍していたと考えられています。
種を絞って搾油することで得られるヒマワリ油は、マヨネーズやサラダドレッシング、マーガリンの原料としても用いられます。 煎ることで食用となり、中国やアメリカではおやつとして好まれることも。
アメリカではかなりポピュラーな食品で、栄養学的にヒマワリの種はカロリーが高く、疲労回復の効果やミネラル、食物繊維が含まれている、といった特徴が評価されています。 また、ディーゼルエンジン用の燃料として利用する研究も進められています。
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緑肥としてのヒマワリ
ヒマワリの特徴は食用として使えることだけではありません。 ヒマワリは地力回復の効果も兼ね備えているのです。
そのような効果を持った植物を緑肥と言います。 緑肥とは、栽培した植物を収穫することなく、田畑と一緒に耕すことで作物の肥料とし、地力を回復させることです。
つまり、弱った土地にヒマワリを植えれば地力が回復し、その後に栽培する作物にとっての肥料にもなります。 ヒマワリは直根型と言われる太い根が深く生える花です。 そのため、それが土を耕し酸欠のない土壌と変える効果があります。
また、地中の家養分であるリンを吸い上げることもあり、刈り取らずにそのまま土に混ぜて耕せば、地力の回復につながるのです。
緑肥植物で持続可能な生活を
ヒマワリの大きくて明るい姿は、見るものに元気を与えます。 しかし、ヒマワリは鑑賞用としてだけではなく、食用や肥料としても活躍する一石二鳥どころか一石三鳥と言える花なのではないでしょうか。
また、ヒマワリの他にも、緑肥として使われる植物は存在します。< トウモロコシやライ麦、大豆やマリーゴールド、レンゲソウなどが代表的な緑肥植物です。 もし、植物を育ててみよう、とお考えでしたら緑肥としても活躍する植物を検討してみてはいかがでしょうか。
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