知床が世界遺産となった理由は?広大な自然と豊かな生態系に迫る
北海道の知床は、世界遺産に登録されている有名な観光地です。 しかし、名前は聞いたことがあっても、どんな場所なのかご存知ない方も少なくないと思います。
また、知床は何が評価されて、世界遺産に選ばれたのでしょうか。 知床の魅力をご紹介します。
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目次
知床とは
知床は北海道東部にある半島で、その豊かな自然が評価されたことから、2005年に世界遺産として登録されます。 北海道の右上に突き出ている部分がありますが、それが知床半島です。 「知床」の名前の由来は、アイヌ語の「シリ・エトク(sir etok)」で、突き出した地、地の果て、といった意味があります。
地形や環境が人を寄せ付けないものであったため、人の手が入ることがなく、昔からの自然が残されていることが、知床の最大の特徴です。 その生態系によって育まれた動物も数多く存在します。 ヒグマやアザラシ、エゾシカ、トドなどが知床に生息する動物として有名です。
また、知床は半島部分だけでなく、周辺の海洋も自然遺産として登録されています。 このような自然遺産は日本国内では初めての登録でした。 遺産とされている地域の面積は7400ヘクタール。 陸が48700ヘクタール、海域が22300ヘクタールという割合になります。
世界遺産に選ばれた理由とは
豊かな自然が評価されている知床ですが、具体的にはどのような部分が世界遺産として認められたのでしょうか。
知床の生態系
まず、知床には独特な食物連鎖が存在しています。 プランクトンが豊かな海が、海獣や海鳥を育て、海で育ったサケが川に戻って山の生き物の餌となります。
そして、山の生き物が息絶えると、それが土に帰って山を豊かにするのです。 このように、海と山の生き物が循環することで、価値を高め合う生態系が、知床の自然が高く評価されるポイントの一つでした。
絶滅危惧種の存在
次に、知床には世界的に絶滅が危惧されている動植物が複数存在することも評価のポイントとなっています。 シマフクロウ、シレトコスミレの他、オジロワシやケイマフリなども知床に生息する希少な動植物です。 動植物で言うと、ヒグマやエゾシカ、アザラシのような大型の哺乳類が高密度で生息していることも、知床の評価さる特徴です。
環境管理の充実
知床は国が保護管理を行う指定された自然公園です。 さらに、自然や生態系を守るための委員会や会議などが複数設置され、科学的な側面からも自然が管理されています。 このような充実した環境管理も、世界遺産として相応しいと評価されたポイントです。
知床の見所とは
それでは、その知床の見所は、どういった部分になるのでしょうか。
知床五湖
知床五湖は原生林に囲まれた5つの湖です。 知床五湖を一周できる遊歩道があり、湖面に映る知床連山や木々が幻想的です。 また、多くの動植物を見られることも魅力の一つでもあります。
プユニ岬
プユニ岬ではオホーツクの海岸線が一望できる絶景スポットです。 知床国立公園のオホーツク海側の入り口となっている、ウトロ港も一望できます。 冬は流氷も見られるかもしれません。
カムイワッカ湯の滝
温泉の滝であるカムイワッカ湯の滝も知床の見所です。 滝壺が数段ありますが、それらが露天風呂となるため、自然を楽しみながら秘湯を楽しめます。 入浴も可能なところが嬉しいですね。
フレペの滝
「乙女の涙」という愛称で知られるフレペの滝。 この滝は川につながっていません。 知床連山に降った雨や雪による水が地下に溜まり、断崖の割れ目からそれが流れ落ちているのです。 控えめに流れるその姿から、涙と例えられているそうです。
オシンコシンの滝
知床最大の滝であるオシンコシンの滝。 その特徴的な名前はアイヌ語で「エゾマツが群生する場所」を意味しています。 間近で見られるため、その迫力を十分に味わえることができます。
知床へのアクセス方法は?
知床へアクセス方法は、女満別空港や釧路空港からウトロを目指すと良いでしょう。 飛行機による移動の費用を抑える場合は、バスやレンタカーの利用も手段の一つです。 ただ、札幌から車で移動する場合は、7時間から8時間かかることになります。 ご自身に合った移動方法を考えてみてください。
また、自然を楽しむ際は、マナーやルールを守って環境を大事にするよう心がけてください。 知床の自然が失われないよう、環境に配慮して楽しむことが一番です。 ぜひ、旅行の際は気を付けてくださいね。