玉ねぎの皮は血圧を下げる?ベジブロスで皮の栄養もチャージしよう
玉ねぎを使った料理は、毎日のように食卓にのぼりますよね。でも、実際料理に使っているのは皮ではなく、中身の部分という方がほとんどだと思います。しかし玉ねぎの皮には、血圧を下げる効果があると立証されているんです。
そこで今回は、「玉ねぎの皮に隠された栄養の効果」と、「玉ねぎの皮レシピ」をご紹介します。レシピは簡単なので、私も子どもと一緒に作ってみました。レシピとともに、作った感想もお伝えします!
玉ねぎの皮に含まれる栄養は「血圧を下げる」
玉ねぎの皮に含まれる栄養である「ケルセチン」には、血圧を下げる効果があることを知っていますか?ケルセチンはポリフェノールの一種で、ネギ類、ニラ、ニンニクといった、独特の香りのするユリ科の植物に多く含まれています。
血圧には心臓が収縮したときの「収縮期血圧」と、心臓が膨らんだときの「拡張期血圧」の2種類があります。「収縮期血圧」は上の血圧、「拡張期血圧」は下の血圧という意味です。この2種類の血圧のうち、どちらか一方でも正常範囲より高い場合は「高血圧」と診断されます。
玉ねぎの皮に含まれるケルセチンには、このどちらの血圧も下げる効果があることが立証されているんですよ。
2009年に「British Journal of Nutrition」という論文誌で発表された研究結果によると、肥満が理由の高血圧患者に、玉ねぎの皮の抽出物を6週間摂取したところ、「収縮期血圧」を下げる効果があったと発表しています。
また、2013年に農研機構と札幌医科大学の共同調査により、ケルセチンの摂取量が高い人ほど、「拡張期血圧」が低い傾向があることがわかっています。
このように、玉ねぎの皮に含まれるケルセチンは、血圧を下げたり、上昇を抑えたりする効果があるんです。玉ねぎの中身にもケルセチンは含まれていますが、皮に含まれるケルセチンは中身のなんと1300倍の含有量!にもかかわらず、捨ててしまっている方は多いですよね…。
それでは次に、玉ねぎの皮からケルセチンをおいしく摂る方法をお伝えしたいとおもいます!
参考:論文誌British Journal of NutritionQuercetin reduces systolic blood pressure and plasma oxidised low-density lipoprotein concentrations in overweight subjects with a high-cardiovascu…
参考:農研機構 ケルセチンの生活習慣病予防機能
玉ねぎの皮の栄養を摂れる「ベジブロス」のレシピ
さあここからは、いよいよ玉ねぎの皮を使った、おいしい料理のレシピをご紹介します。今回ご紹介する料理は「ベジブロス」。聞いたことのない方のために、まずはベジブロスがどんなものか、簡単にご紹介します。
そもそもベジブロスって何?
ベジブロスの「ベジ」は野菜、「ブロス」は出汁という意味。野菜の皮だけでなく、ヘタや芯など、普段は捨てるような部分を煮出して作る出汁を「ベジブロス」といいます。野菜の皮に含まれる栄養を、あますことなく摂取できる万能出汁なんです。
5種類以上の野菜の皮などを使うと、それぞれの野菜のうまみが引き出され、よりおいしく仕上がりますよ。ベジブロスに向いている野菜は、煮込むと甘味の出る玉ねぎやニンジンなどの香味野菜。逆にブロッコリーの芯やキャベツの芯は、苦みが出てしまうので不向きです。
皮についた農薬が心配という方は、こちらの記事を参考にして、皮を洗ってみてくださいね。
野菜の皮も捨てずに食べよう!野菜の洗い方から栄養・効果までご紹介
野菜の皮には栄養があるのは知っているけれど、農薬が心配で捨ててしまっている人は多いのではないでしょう
野菜の皮には栄養があるのは知っているけれ
玉ねぎの皮を使った「ベジブロス」の材料
材料は普段の料理で出た野菜のくずを、冷蔵庫にストックしておいたものでOKです。人気の材料は以下の6つ。中でも玉ねぎの皮は甘味が強く、スープの色も黄金色になるのでおすすめです。
- 玉ねぎの皮
- 長ネギの緑の部分
- セロリ
- ピーマンのヘタ
- トマトのヘタ
- ニンジンのヘタ
+
- 水 1.3L
- 料理酒 小さじ1
この中から5種類は選んでみましょう。もし、こんなに種類がないという場合は、昆布やにぼし、しいたけなどを入れて、旨味をプラスするとよいですね。
ベジブロスの作り方
- 鍋に「水1.3L」を入れ、両手にもてるくらいの量の「野菜くず」と、「料理酒」を入れます。
- 弱火で蓋をせずに、20~30分煮込みます。
※このときアクはとらないでくださいね。アクには栄養分がたくさん含まれています。 - ざるで濾します。
たったの3工程でできてしまうので、手軽にチャレンジできますね!作ったベジブロスは、「冷蔵庫」で3日間は保存可能です。たくさん作った場合や、すぐに使わない場合は、「冷凍庫」で保存しましょう。
ベジブロスはミネストローネや、炊き込みご飯など、アイディアしだいで様々なレシピに使えます。今回私は、玉ねぎの皮とニンジンのヘタ、長ネギの青い部分、ピーマンのヘタ、しいたけを煮出したベジブロスを作りました。そこにコンソメとキャベツをプラスして、「野菜コンソメスープ」作りにチャレンジ!
玉ねぎの皮2個分、ニンジンとピーマンのヘタ2個分、ネギの青い部分1本分、しいたけの軸4個分で作ったベジブロスをコンソメスープにアレンジ
子どもと一緒に作って食べてみましたが、子どもも私も、玉ねぎの皮がこんなにおいしいとは知らず、衝撃をうけました。ぜひみなさんも作ってみてくださいね!
玉ねぎを皮まで活用して体にも環境にもやさしい生活を
今回は玉ねぎの皮の栄養効果と、その栄養を効率よくとれるレシピをご紹介しました。玉ねぎの皮の血液サラサラ効果は、様々なテレビで紹介されていますが、血圧を下げるのにも効果的とは驚きです。
今回ご紹介したベジブロスのほかにも、玉ねぎの皮を粉砕して「ふりかけ」にしたり、ハンバーグに混ぜたりしても、料理の味が引き立ちます。野菜の皮まで食べれば体にやさしいだけでなく、ごみを減らすことにもつながります。みなさんも、体にも健康にもやさしい生活をはじめてみませんか。