有名な火山噴火は?日本と世界で起こった噴火による災害
ときに自然は、大きな変化を起こし、災害として私たちに降りかかります。その災害の1つが火山の噴火です。 噴火はどのような山で起こった過去があり、どれだけの被害をもたらしてきたのでしょうか。日本と世界の有名な火山噴火をご紹介します。
目次
日本で有名な火山噴火
日本だけでも有名な火山噴火は数多く存在しますが、その中でも5つの山をピックアップし、ご紹介します。
桜島
桜島(さくらじま)は、九州南部、鹿児島県の鹿児島湾に存在する火山です。面積は約77平方キロメートル。標高は1,117メートルです。 桜島は日本の火山の中でも有名で、噴火の記録は多く、現在も活発に活動を続けています。
1955年の噴火では、10月13~17日までに8回の爆発・噴火があり、死者1名、負傷者7名または9名の被害、農作物の被害がありました。 1986年11月23日の噴火の際は、直径2メートル、約5トンの噴石がホテルを直撃し、重軽傷6名、付近の飼料乾燥室全焼という被害が出ています。
また、桜島はかつて鹿児島湾に浮かぶ島でしたが、1914年の噴火によって、鹿児島市の対岸の大隅半島と陸続きとなりました。
浅間山
浅間山(あさまやま)は、長野県北佐久郡軽井沢町と群馬県吾妻郡嬬恋村の境にある成層火山で、標高2,568メートルです。 1947年には、山域が上信越高原国立公園に指定され、2007年には日本の地質百選に選定されています。
浅間山は1947年、1949年、1950年と短い期間で噴火しています。 1961年の噴火では、噴石により行方不明者1名、耕地に被害が出ました。 2004年9月2日の噴火では、中規模な爆発的噴火が発生。9月14~18日に小爆発が続き、23日、29日には中爆発が発生しています。
雲仙岳
雲仙岳(うんぜんだけ)は、長崎県の島原半島中央部にある火山で、標高は1,483メートルです。 最高峰の平成新山をはじめ、普賢岳、国見岳など総計20以上の山々から構成されています。
1990年の噴火では、溶岩ドームの生成・崩壊によって火砕流が繰り返し発生。1991年6月も火砕流などによって、報道関係者を中心に、死者・行方不明者43名、負傷者9名、建造物被害179棟という被害も。この噴火は、1995年2月まで収束することはありませんでした。
三原山
三原山(みはらやま)は、東京都大島町の伊豆大島にある火山で、標高は758メートル。 三原山の噴火は1986年11月15日に発生したものが有名です。
この日、中央縦穴火口南壁から噴火が開始され、噴煙高度は3,000メートルに達しました。 15~19日までの噴出物量は約2,930万トン、21日の噴出物量は2,900万トン。 噴火活動の直後は観光客増加を見込んで大歓迎していた島民ですが、想定外の大噴火によって、全島民11,000人が島外避難することになりました。
有珠山
有珠山(うすざん)は、北海道にある洞爺湖の南に位置する活火山で、標高は737メートルとなります。 1663年以降の活動は、ケイ酸を多く含む粘性の高いマグマによるもので、噴火前には地殻変動や群発地震を発生する上に、噴火に伴って溶岩ドームや潜在ドームによる新山を形成する、という特徴がありました。
1977年8月7日の噴火では、降下火砕物により住宅被害196棟、死者2名という被害。さらに、10月24日には雨によって山周辺ほぼ全域で土石流が発生し、こちらでも大きな被害が出ています。 2000年3月31日にマグマ水蒸気爆発が発生し、噴煙は火口上3,500メートルに達した上、周辺に噴石が放出されました。しかし、火山性地震の分析や断層の探索により、27日の時点で噴火が予測されていたため、住民約10,000人を避難させることに成功しています。
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世界で有名な火山噴火
次は世界的に知られている火山噴火を見てみましょう。
キラウエア火山
キラウエア火山は、ハワイ諸島のハワイ島を構成する、5つの火山の1つです。 キラウエアとは、ハワイ語で「噴き出す」「多く撒き散らす」という意味があります。
1983年1月の噴火では、玄武岩質マグマが時速16キロの速さで斜面を流下しました。これほどの流れやすいマグマは稀で、火口における溶岩温度は摂氏1,100度と見積もられています。 さらに、1990年、1991年の噴火では溶岩流によって付近のカラパナ村が壊滅しました。
エトナ火山
エトナ火山は、イタリア南部のシチリア島東部にある活火山で、標高は3,326メートル。 神話では、神とも怪物とも言われる巨人、テュポンが封印された場所とされ、ノアの大洪水を引き起こした、という説もあります。
1978年8月、規模の大きい噴火があり、間もなく小康状態になったと判断されましたが、9月12日に再噴火したことで、観光客ら46人以上が死傷する、という事態となりました。 1998年には4か所の火口から同時に噴火が起こり、溶岩噴泉と噴煙が続きました。
アレナル火山
アレナル火山は、コスタリカにある成層火山で、標高は1,633メートルです。 アレナル火山国立公園の北部に位置し、コスタリカで最も活動が活発な火山で、世界の火山と比べても活発と言えます。
1998年5月5日に発生した噴火は大規模なもので、火口の北西部分を崩壊させ、膨大な熔岩と火山灰を噴出しています。 コスタリカ火山地震観測所の研究者は異常事態として警告を発し、山の北側にいた450人を退避させ、付近の道路やホテル、観光会社を閉鎖しました。 5月7日も、午後1時から午後7時までの間に23回もの噴火を繰り返し、2平方キロメートルの森林地帯が破壊され、火口も崩壊しています。
マヨン山
マヨン山は、フィリピンのルソン島南部、ビコル地方アルバイ州にある火山です。 標高は2,463メートルで、一帯はマヨン山国立公園に指定されています。 2006年8月の噴火は、11月の台風21号影響により、岩塊土砂と水の混合物が洪水のように流下する、ラハールという現象が発生したことで、死者620名、行方不明710名、倒壊家屋約9000戸という甚大な被害を出しました。
フンガ・トンガ噴火
フンガ・トンガは、トンガの首都ヌクアロファの港から、65キロ北に位置する海底火山です。 2022年1月15日に発生した、フンガ・トンガ噴火は、噴煙高度16,000メートル、トンガに80センチの津波、日本国内でも津波警報が発令されるなど、1000年に一度の大規模噴火と称されています。
2009年3月の噴火では、フンガ・ハアパイ島が灰に覆われたことで荒廃し、植物と動物が絶滅。 2014年も、11月から12月にかけて、火山活動が活発になり、灰と酸性雨が降り注いだことで、フンガ・トンガ島もフンガ・ハアパイ島も植物が全滅しています。
火山噴火は大きな災害を起こす恐れが
このように、世界中で恐ろしい火山噴火が起こり、災害として被害が出ています。 自然災害は、いつどこで起こるか予想できるものではなく、事前の備えが安全の鍵を握っていると言えるでしょう。
また、万が一のことが起こっても、慌てず適切な行動が取れるよう、知識を蓄えておくことも大切です。 エコトピアでも災害に関するニュースや情報を発信していますので、ぜひご確認ください。
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