キンバリーのビッグホールとは?なぜ人間は地球に大穴をあけたのか
南アフリカ共和国の北ケープ州にキンバリーという都市があります。 そのキンバリーには、ビッグホールと言われる大きな穴があります。
ビッグホールは一説によると地球上にある最大の穴と言われている、大きな穴です。 キンバリーのビッグホールは、どのようにして生まれてきたのでしょうか。
キンバリーのビッグホールとは?南アフリカの巨大な穴
南アフリカ、キンバリーに巨大な穴があります。 その規模は、幅が463メートルあり、深さは175メートルという巨大な穴です。 底には水が溜まっていて、これは40メートル以上の深さとなるため、実際の穴の深さは215メートルとなります。 それどころか、かつては240メートルもあった、と言われています。
これだけの大きな穴が、どのようにして作られたのでしょうか。 その答えは、とても単純なものです。
ビッグホールの出現は、自然現象ではなく、人間が掘り進めた結果、巨大な穴となったのです。 それでは、誰が、どうして、これだけの穴を掘ったのでしょうか。
キンバリーのビッグホールは人間が掘った地球最大の穴
キンバリーのビッグホールは、1871年の7月から1914年にかけて、5万人がツルハシとシャベルを使って穴を掘りました。 きっかけは、この場所でダイヤモンドが発見されたことでした。
1867年、南アフリカに流れるオレンジ川で農夫の息子がダイヤモンドを偶然見つけます。 これは「ユーレカ」と名付けられ、売却されることになりました。 それから3年後にも、オレンジ川でダイヤモンドが発見されます。 そのダイヤは「スター・オブ・サウス・アフリカ(南アフリカの星)」と名付けられ、大きな話題となりました。
それから、南アフリカでダイヤモンドラッシュが起こります。 世界中の人々が、南アフリカに訪れ、一獲千金を狙ったのです。
そのとき、多くの鉱山が発見されましたが、その一つがビッグホールだったのです。 ビッグホールは機械を使うことなく、人間が掘った穴として地球最大の規模と言われています。 ここでは最終的に、2200万トンの土砂が掘り出され、3000キログラムのダイヤが見つかったそうです。 50年近い年月を費やし、地球にとてつもない大穴を人間の力だけで掘ったとは、驚きではないでしょうか。
キンバリーのビッグホールは現在どうなっている?
1914年、キンバリーのビッグホールは閉山され、地下水や雨水が溜まったことから、今は湖のような姿です。 その景観は美しく、観光スポットとして人々が訪れています。
また、キンバリーのビッグホールに関する記念品やコレクションなどが整理され、それらを展示する博物館が1971年に開館しました。 それは、キンバリーの採掘が始まってから、ちょうど100周年となる年でした。
キンバリーのビッグホールは、ダイヤモンドの歴史に触れられる場所として、今も残されているのです。
キンバリーのビッグホールは人間の欲深さを垣間見る穴
キンバリーのビッグホールは人類の歴史の一部分を知ると同時に、人間の欲深さについても知ることができるでしょう。 自らの生活のために穴を掘り続けた人も数多く存在したと思われます。 程度の差はありますが、人間は欲望のために、どこまでも突き進めるのかもしれません。
しかし、このような活動が環境問題につながる恐れもあります。 生活を良くするために、努力することはもちろん大切なことではありますが、行動の前に環境への配慮は忘れてはいけないでしょう。