【プラスチックごみ問題入門.2】海洋ごみに対する世界の動き

【プラスチックごみ問題入門.2】海洋ごみに対する世界の動き

話題のプラスチックごみに関する問題を解説する「プラスチックごみ問題入門編」ですが、 第二回となる今回は海洋ごみに対する、世界の取り組みをご紹介します。

海洋ごみの問題

海洋ごみは世界的な問題となっています。どのような危険性があり、どれくらいの規模で広まっているのでしょうか。

マイクロプラスチックとは

プラスチックごみの問題の中でも、特に話題になっているのが、マイクロプラスチックです。マイクロプラスチックとは、微細なプラスチックごみ(5mm以下)のことを言います。今、プラスチックごみから出たマイクロプラスチックが、世界中の海で浮遊しています。化学物質が吸着、もしくは含まれていることから、魚などが食べることで食物連鎖の中に取り込まれ、生態系への影響が懸念されています。
マイクロプラスチックには二つの種類があります。
まず、マイクロサイズで製造されたプラスチックである、一次的マイクロプラスチック。これは排水溝などを通じて自然へと流出していることが考えられています。
次に二次的マイクロプラスチックです。こちらは、大きなサイズのプラスチック製品が廃棄されたあと、自然の中で分裂・細分化されることでマイクロプラスチックに変化したものです。

海に浮かぶプラスチックの現状

プラスチックごみによる海洋汚染は地球規模で広がっていて、南極や北極でも観測されたと報告があるほどです。プラスチックごみが、どこから発生しているのか調べたところ、東アジア・東南アジアから多く発生していることがわかっています。
出典:Plastic waste inputs from land into the ocean (2015.Feb. Science)

出典元:環境省 プラスチックを取り巻く国内外の状況



これらの海の中に存在するプラスチックごみは、2050年に魚の量を超えるとまで言われています。

プラスチックへの国際的な取り組み

海がプラスチックごみで溢れてしまいそうな状況に対し、様々な取り組みが国際的に行われています。

持続可能な開発目標(SDGs)

エコトピアでも何度かご紹介しましたSDGsも海洋ごみの問題をターゲットの一つとしています。2025年までに、あらゆる種類の海洋汚染を防止して削減することが掲げられています。

G7サミット

2016年に行われた「G7伊勢志摩サミット」と、2018年に行われた「G7シャルルボワサミット」でも、プラスチックごみの発生や海洋ごみについて話し合われています。
特にシャルルボワサミットでは、プラスチックごみの効率的なライフサイクル管理に向けた取り組みを各国へ促す「海洋プラスチック憲章」が承認されました。

国連環境総会(UNEA3)

2017年に開催された第3回国連環境総会では「海洋プラスチックごみ及びマイクロプラスチック」に関する決議が採択されました。
海洋ごみの問題、マイクロプラスチックに対処するための障害、必要項目を精査する専門家を収集することも決定されました。

G20サミット

2017年のG20ハンブルクサミットでは、初めて海洋ごみが取り上げられ「海洋ごみに対するG20行動計画」の立ち上げが合意されました。
これには海洋ごみの発生抑制、廃棄物管理の構築や調査などが含まれています。

日中韓三カ国環境大臣会合

2018年に開催された、日本、中国、韓国による「日中韓三カ国環境大臣会合」では、海洋プラスチックの問題が世界的な課題であるとの認識が共有されました。
2019年に日本で開催される「G20首脳会合及び大臣会合」に向けて連携と協力が確認されました。

国連海洋会議

2017 年6月に海洋の環境破壊に関する国連会議が初めて行われました。それが「国連海洋会議」です。海水面や海水温の上昇の適応や緩和措置に加え、海洋ごみの削減についても合意がされました。
また、国連加盟国193カ国が「行動の呼びかけ」の採択に全会で一致しました。この「行動の呼びかけ」とは、海洋ごみの問題は以下のようなものがあります。

  • プラスチックごみ・マイクロプラスチックの削減のため長期的かつ本格的な戦略実施。
  • 生産、販売、消費の各段階で関係者との協力。
  • 廃棄管理システムの整備。
  • 繰り返し利用が可能な代替品の開発。

マイクロビーズへの取り組み

マイクロプラスチックの話題に隠れがちですが、マイクロビーズも世界中で問題視されています。

マイクロビーズとは

マイクロビーズとは、直径が0.5mm以下のプラスチック粒子です。
歯磨き粉、化粧品に用いられることが多く、日本でも古くなった角質の汚れを除去すると、マイクロビーズが含まれた洗顔料がみつかりました。
しかし、マイクロプラスチックと同様に微細であることから、自然界に排出されてしまう危険があります。
また、マイクロビーズは化学物質やその他の汚染物質を吸収する性質があり、それを魚が食べて、最終的に人が摂取することで悪影響が出るのではないか、と懸念されています。

世界のマイクロビーズ規制

有害な影響が懸念されるマイクロビーズに対し、各国は以下のような規制を行っています。

出典元:環境省 プラスチックを取り巻く国内外の状況



日本のマイクロビーズ使用状況

日本ではマイクロビーズについて、自主規制が始まりました。自主規制と使用状況は以下のようになっています。

出典元:環境省 プラスチックを取り巻く国内外の状況

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