壁画で有名な世界遺産「カカドゥ国立公園」が危機遺産になった理由

壁画で有名な世界遺産「カカドゥ国立公園」が危機遺産になった理由

世界遺産の中には「複合遺産」と呼ばれるものがあります。 世界遺産と言えば「自然遺産」「文化遺産」が有名ですが、どちらにも適用するものが複合遺産となるのです。

カカドゥ国立公園も複合遺産の一つで、人類にとって大切な場所だと言えますが、かつては世界遺産から解除される恐れがある、危機遺産の指定が検討されました。 複合遺産であるカカドゥ国立公園で何が起こったのでしょうか。

カカドゥ国立公園とは

カカドゥ国立公園は、オーストラリアのノーザンテリトリーにある国立公園です。 その広さは、19,804平方キロメートルという大スケールで、日本で言えば四国と同じくらいの広さになります。

そんな広大な地に、豊かな熱帯雨林や湿地帯が広がり、様々な動物も生息しています。 特に鳥類の生息が有名で、トサカレンカクや黒首コウノトリ、カザリリュウキュウガモなどの鳥も見られ、国際的野鳥保護組織の「バードライフ・インターナショナル(BirdLife International)」が重要野鳥生息地に指定しています。

自然や動植物が有名なだけではなく、カカドゥ国立公園には4万年以上前から人が住んでいた形跡があり、当時の人々が描いただろう壁画が残されていることが、最大の特徴と言えるでしょう。 この壁画はオーストラリアの先住民である、アボリジニの先祖が書いたものと考えられ、カカドゥ国立公園では歴史あるアートを楽しむことができるのです。

このように、カカドゥ国立公園は自然的にも文化的にも、価値の高い場所であることから、複合遺産としてユネスコの世界遺産に登録されています。

カカドゥ国立公園の見所

カカドゥ国立公園は世界遺産に登録されていますが、どのような見所があるのでしょうか。 古代アボリジニが描いたロックアートを始め、いくつかの名所をご紹介します。

ロックアート

カカドゥ国立公園と言えば、やはり壁画のロックアートです。 公園内に3000以上存在し、時代によってモチーフや技法が異なりますが、中でも有名なのがレントゲン技法で描かれた壁画です。 魚やカメなどの絵が、レントゲン撮影のように、骨格や内臓が描かれています。

イエローウォーター

イエローウォーターは、カカドゥ国立公園の中央に位置する、熱帯雨林の湿地帯です。 ここでは、自然の楽園とも言えるような、天然の動植物に溢れ、中でも間近で見られるワニは大迫力です。 船に乗って湿地帯を進むクルーズもあるため、よりイエローウォーターを楽しめるでしょう。

ジムジム滝とツイン滝

ダイナミックな二つの滝。 大迫力な自然を堪能できるだけではなく、雨の降らない乾季には滝つぼでスイミングもできるそうです。 また、雨季であればヘリコプターや小型飛行機で滝を見下ろすツアーもあります。

アーネムランド

カカドゥ国立公園の東にあるアーネムランド。 ここはアボリジニの居住区として指定された場所で、アボリジニの暮らしを垣間見ることができます。 観光するには許可が必要なため、ツアーに参加すると良いでしょう。

危機遺産になった理由は?

このように、多くの見所がある複合遺産、カカドゥ国立公園ですが、1998年に危機遺産として指定されることが検討されました。

原因はウランの開発でした。 カカドゥ国立公園の地中には、大規模なウラン鉱床があったのです。 カカドゥ国立公園は1981年に世界遺産に登録されましたが、これと同時期にウランの採掘が始まってしまいました。 採掘により、景観が悪くなり、放射能汚染による環境破壊が危惧されたことから、危機遺産への登録が検討されてしまったのです。

ほとんど人の手が入らないコアゾーンの掘削は中断されましたが、その周辺では採掘が続けられていることから、ユネスコの世界遺産センターは現在もモニタリングを行っています。

歴史も自然も大事

カカドゥ国立公園は文化的にも自然的にも価値のある世界遺産ですが、それが人間の手によって破壊されてしまう恐れがありました。 自然の大切さはもちろんのこと、文化も人間にとって重要な存在です。 開発によって利益を生み出すことも重要ではありますが、自然や文化は失ってしまったら、それを取り返すことは大変難しいことです。

利益を追求する前に、地球全体にとっての利益を損なってしまわないか、しっかりと考える必要があるでしょう。 私たちもエコを心がけ、自然も文化も大事にしていきましょう。

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