フィリピンのタール火山が噴火!地震や農作物への影響は?

フィリピンのタール火山が噴火!地震や農作物への影響は?

2020年1月、フィリピンでタール火山が噴火し、周辺地域に被害が出ました。 タール火山は、フィリピンでは活動的な火山として知られ、噴火が恐れられていました。

今回、タール火山の噴火でどのような被害があり、環境にどのような影響を及ぼしたのでしょうか。 フィリピンのタール火山の噴火について、ご紹介します。

フィリピンのタール火山とは?ルソン島の複合火山

最初に、今回噴火したタール火山について、ご説明します。

タール火山は、フィリピンのルソン島にある、複合火山です。 フィリピンの首都であるマニラ市から、南方に約60キロメートル離れたバタンガス州に位置し、過去34回の噴火歴がある活発な火山です。 タール火山には、タール湖というカルデラ湖がありますが、過去の噴火は、すべてその中央付近にある火山島に集中しています。

また、火山島の全域が、リスクの高い永久危険区域(PDZ:Permanent Danger Zone)に指定されているため、島に永住することはできません。 しかし、貧しい家庭の人々が自らの命を危険に晒しながら、住みつき、漁獲や火山性の肥沃な土壌から獲れる農作物で生計を立てています。

そんなタール火山で2020年1月に43年ぶりに噴火が起こったのです。

2020年タール火山が43年ぶりに噴火

2020年の1月12日の午後、1977年の噴火から43年ぶりに、タール火山が噴火しました。 1万5,000メートルに達する噴煙が上がり、周囲には火山雷が発生。 火山性地震も多数観測され、翌13日には火口からは溶岩が流れ出し、噴火は激しさを増しました。 約60キロメートル離れている首都マニラにも火山灰が降り、空の便は欠航。学校や公的機関も閉鎖となりました。

フィリピン火山地震研究所(PHIVOLCS)は、噴火警戒レベルを2から4に引き上げ、周辺地域の住民約8,000人は避難を余儀なくされました。 1月26日の時点で、フィリピン火山地震研究所は噴火警戒レベルを3に引き下げましたが、火山の活動状況によっては、再びレベル4に引き上げられる恐れもあるそうです。

つまり、まだ噴火は終息したとは言えない状況であり、多くの人が不安な日々を過ごしていると考えられます。

タール火山の噴火による影響

タール火山の降灰や溶岩流によって、交通機関や農作物に甚大な被害が出ています。 特に降灰は広範囲で影響があり、住民らにはマスクの着用が呼びかけられています。 しかし、マスクの売り切れが続く状態で、フィリピン政府は値上げしないよう、小売業者に警告を出しているほどです。

また、心配されているのは「火山の冬」と言われる寒冷化です。 大噴火が起こると、水銀と二酸化硫黄ガスが大量に放出されます。 これらは、成層圏で硫酸に変化し、浮遊微粒子(エアロゾル)となって太陽光を遮ってしまうのです。 そうなってしまえば、作物が育ちにくくなり、社会的な混乱を招くこともあります。

研究では、古代の人類は噴火によって、絶滅の危機に晒されたことがある、という見解もあるそうです。 周辺の人々はもちろん、人類に大きな被害が出ないためにも、タール火山の噴火が終息することを祈るばかりです。

タール火山の噴火だけではない!災害の備え

地球で生活する上で、災害に対しては常に注意を払わなければなりません。 日本に暮らしていても、地震や台風など、私たちの生活を脅かす災害の気配は常に存在しています。

いつどこで起こるか分からない災害に対応できるよう、準備をする必要があるでしょう。 万が一のことを考え、定期的に災害対策を見直すと良いかもしれませんね。

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