動物由来感染症のまとめ10選!動物から人に移る病気とは

動物由来感染症のまとめ10選!動物から人に移る病気とは

2019年から2020年にかけて猛威を振るい続ける新型コロナウイルスですが、動物由来の感染症であると考えられています。 動物由来の感染症は、新型コロナウイルスだけでなく、いくつも確認され、中には多くの人を脅かしたものあります。

動物由来の感染症とは、どのような病気なのでしょうか。また、どのような種類が存在しているのでしょうか。 動物由来の感染症をご紹介します。

新型コロナはコウモリ由来?動物由来感染症とは

新型コロナウイルスは、どこからやってきたのでしょうか。 それは、コウモリなどの動物が保因していたものが、人に移ってしまい、感染能力を獲得したと考えられています。

このように、動物由来感染症とは動物から人間へ移る感染症のことを言います。 感染症が移ることを伝播(でんぱ)と言いますが、動物由来感染症は大きく分けると「直接伝播」と「関節伝播」の二つがあります。

直接伝播は咬み傷や引っ掻き傷から病原体が侵入するものです。 関節伝播はさらに細分化され、ベクター媒介、環境媒介、動物性食品媒介があります。 ベクター媒介はダニや蚊が吸血を行うことで、感染動物から人間で病原体が伝播されてしまいます。 環境媒介は病原体で汚染された水や土壌に接触、もしくは排泄された病原体が風に飛ばされ、その空気を吸ってしまうことから感染してしまうことがあります。

動物性食品媒介は、病原体を持った家畜や魚類を熱することなく食べてしまうなどが原因で、感染してしまうことです。

動物由来の感染症10選まとめ

新型コロナウイルスをはじめ、恐ろしい動物由来感染症は数多く存在しますが、今までどのようなものが出現し、人類に脅威を与えたのでしょうか。 有名な動物由来感染症10選をご紹介します。

MERSコロナウイルス

MERSコロナウイルスは別名を中東呼吸器症候群(Middle East respiratory syndrome)と言います。 2012年9月、イギリスのロンドンで初めて確認されました。 感染地域は中東地域を中心に、韓国や中国にも感染拡大。 ヒトコブラクダが保有宿主であり、ラクダとの接触や加熱不十分の肉、未殺菌乳を摂取してしまったことで感染します。

現在も収束が見られていない、動物由来感染症の一つです。

ペスト

ペストは、ペスト菌による感染症であり、またの名を黒死病と言います。これはペストに感染すると、皮膚が内出血によって紫黒色になることが由来となっています。 14世紀に大流行し、世界人口の22%が死亡したと推計される、恐ろしい感染症です。

ネズミなどが宿主であり、野生動物から人への直接感染、人から人へと飛沫感染の場合もあります。 19世紀末に原因菌が突き止められ、流行は去りましたが、近年でもペスト感染は続いています。

また、新型コロナウイルスの感染拡大により、フランスの作家、アルベール・カミュが書いた小説「ペスト」が再び話題になりました。

エボラ出血熱

エボラ出血熱は、感染後の治療開始が遅れてしまうと、かなりの高確率で死に至る恐ろしい感染症です。 毒性や致死率が高いことから、感染者が遠出する機会も得ることがなく、世界的流行には至っていません。

最初にエボラ出血熱が発見されたのは、1976年の6月、スーダン南西部でした。 そこから、アフリカに広く感染拡大し、2019年にはWHOによって「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」に指定されました。 自然宿主の特定には至っていませんが、オオコウモリが有力であるとされています。

狂犬病

狂犬病は、毎年世界中で約5万人の死者を出している恐ろしい感染症です。 ワクチンによる予防が可能、人から人への伝播がない(例外あり)ため、大流行につながることはないと考えられていますが、高い致死率を持っています。

昔は感染源のほとんどが犬でしたが、近年では猫や猿、コウモリなどの野生動物が感染源として増加しています。

鳥インフルエンザ

鳥インフルエンザは、A型インフルエンザウイルスが鳥類に感染して起こる、動物由来の感染症です。 水鳥の腸管で増殖し、鳥の間では糞を媒介に感染します。

感染した鳥の体液や排泄物に、ウイルスが大量に含まれ、解体や羽をむしるなどの濃厚接触が原因で人へも感染する原因です。 2005年には東南アジアで猛威を振るい、多くの人の命を奪いました。

デング熱

デング熱は、蚊の吸血によってウイルスが人から人へと感染し、高熱が発症します。 1779年の文献にデング熱は現れていますが、原因や伝染経路が解明されたのは、20世紀初頭でした。

日本では、第二次世界大戦中に南方の戦地から、ウイルスが持ち帰られてしまい、日本に生息するヒトスジシマカによって媒介され、多くの人が発病することになりました。

オウム病

オウム病は感染鳥類の排泄物や汚染羽毛の吸入によって感染します。鳥類以外の小動物から感染することもあります。 人に感染すると、インフルエンザ様症状を示し、治療が遅れてしまうと、肺炎や気管支炎になってしまうことも。 ワクチンはないため、鳥類と密接な接触を避けることが予防になります。

マラリア

マラリアは、イタリア語で「悪い空気」という意味を持つ、熱帯から亜熱帯に分布する感染症です。 感染すると高熱や頭痛、吐き気などの症状が見られます。 病原体はマラリア原虫という単細胞生物で、ハマダラカによって媒介されます。

エキノコックス症

エキノコックス症は、寄生虫の1種であるエキノコックスによって引き起こされる感染症です。 原因は、犬や猫、キタキツネ、タヌキなどの肉食動物の糞に混入した、エキノコックスの卵胞が、水や食料を通して人に感染することです。 その卵胞は、人の体内で幼虫となり、肝機能障害を起こすことがあります。

野兎病

野兎病は人やウサギ、プレーリードッグに感染する、動物由来の感染症です。 これは、グラム陰性非運動性無芽胞性好気性桿菌である野兎病菌が病原体であり、感染したウサギの血液や肉に接触してしまうことで人に感染します。他にも、ノミ、ダニ、蚊などを媒介して感染することも。

感染すると、波状熱、頭痛、悪寒、吐き気、嘔吐、衰弱、化膿、潰瘍などの症状が見られます。未治療の場合は、3割以上の死亡率となりますが、適切に治療することでほとんどは回復します。

感染症は自然破壊や温暖化も要因か

このように、様々な動物由来の感染症があり、人々はその脅威と隣り合わせです。 しかし、動物由来の感染症が拡大する背景には、環境問題があるのではないか、という説もあります。 それは、人間の自然破壊により、住処を失ってしまった動物たちが、餌を求めて人の住む町に近づいてしまい、人と動物の距離感が縮まってしまうことから、動物由来の感染症が増えてしまう、ということです。

他にも、温暖化が進むことで永久凍土溶けて、氷の中に封印されていた未知のウイルスが登場してしまう、ということも懸念されています。

私たちは、ウイルスとの戦いのため、三密を避ける、手洗いうがいを徹底するなどを努力してしますが、長い目で見ると、環境破壊を悪化させないために、リサイクルやエコを心がけることも効果的かもしれないですね。

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