サイガとは?乱獲や大量死から回復の兆し【絶滅動物シリーズ】

サイガとは?乱獲や大量死から回復の兆し【絶滅動物シリーズ】

絶滅が危惧される動物は、世界中に数多く存在しますが、中には減少した個体数が回復するケースもあります。 その一つが、絶滅危惧種である、サイガという動物です。

サイガはなぜ絶滅危惧種になってしまったのでしょうか。また、サイガの個体数が増える可能性はあるのでしょうか。 サイガとその絶滅についてご紹介します。

大きな鼻が特徴的!サイガとは?

サイガとは、あまり聞くことがない動物ですが、どのような特徴があるのでしょうか。

サイガはウシ科サイガ属に分類される偶蹄類で、別名をオオハナレイヨウ、オオハナカモシカと言います。 体長は雄で123から170センチメートル、雌は108から125センチメートルあり、一番の特徴は下向きの大きな鼻と、半透明の黄色い角(雄のみ)です。 サイガは群れを作り、餌となる草を求めて、季節的な移動をします。その群れは、多くて数千頭という大規模なものを作ることもあります。

また、時速80キロで走ることが可能で、1日で80から120キロメートルも移動します。 主にモンゴルの南西部やカザフスタン、ロシア南部などにサイガは分布しています。

以前はヨーロッパやカムチャッカ半島、アラスカにも分布していましたが、絶滅してしまいました。 サイガの身に何が起こり、姿を消してしまったのでしょうか。

絶滅危惧種のサイガが大量死!その原因は?

サイガは食用とされる、毛皮に利用される、薬用になると信じられていたことから、人間の狩猟で個体数を減少させることになります。 この乱獲によって、1930年代にはサイガの個体数が約1,000頭にまで減少してしまうことに。 その後、保護活動によって200万頭まで、サイガの個体数は回復しますが、2015年に大量死してしまいます。

この大量死の原因はしばらくの間、不明でしたが、後に判明します。 何とサイガの最大の特徴と言える、大きな鼻の中にある細菌が大量死の原因だったのです。 その細菌はパスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)と言われるものですが、実はもとからサイガの鼻の中に存在するものであり、猫や犬も持っているもので、死に至らしめるものではありませんでした。

なぜ、この細菌がサイガを大量死させたのか…それは気候変動が関係していました。 近年、高温多湿が続いたことで、菌が異常増殖した結果、サイガの体が抵抗し切れなくなり、大量死してしまったのです。

人間によって減少してしまったサイガに、追い打ちをかけるような出来事ですが、気候変動も人間が原因と言えなくもありません。 そう考えると私たちは生活を見直す必要があるのでしょう。

サイガにベビーブーム!絶滅を免れるか?

2020年、そんなサイガに明るい兆しが見られました。それは、サイガにベビーブームが到来したことです。 科学者たちにより、2007年からサイガの子供の数が調査されていましたが、2018年は58頭、2019年は4頭しか発見されませんでした。

しかし、2020年の調査では530頭も発見され、個体数の回復が見込めるだろうと言われているのです。 実際に、2019年の調査でも、カザフスタンのサイガの個体数が33万4400頭も確認され、2年前に比べると2倍に増えていました。

ただ、これで安心できるかと言えば、決してそういうことではありません。 カザフスタンのサイガたちは、冬になるとウズベキスタンへ移動して、4月下旬に戻ってきます。 それにも関わらず、2014年に密輸と麻薬密売を防ぐ目的で、カザフスタン政府はウズベキスタンとの国境沿いに柵を設置しました。 そのため、サイガの移動が制限されることに。中にはこの柵を無理に越えて、怪我をしたサイガもいるようです。

数年前、この柵にサイガが通れる隙間を作ったものの、なかなか彼らは利用しませんでした…が、今年の冬、ついにサイガがその隙間を使っただろう形跡が。 それでも、サイガの絶滅は深刻な危機を脱したわけではありません。これからも科学者たちの研究によって、サイガの個体数が増えることを祈るばかりです。

サイガ減少の原因は人間活動が大きい

サイガが減少してしまった理由としては、人間による乱獲や気候変動、柵の設置など、人間の活動が大きく関わっています。 サイガだけではなく、絶滅が危惧されている他の動物にも、同じことが言えるでしょう。 私たちは自分の行動がどれだけ自然に影響をもたらし、負担をかけているのかを知り、これ以上、悪化することがないよう注意する必要があります。

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