ベネチアが水没の危機?地球温暖化で水の都が失われてしまうのか

ベネチアが水没の危機?地球温暖化で水の都が失われてしまうのか

イタリアの観光地として有名なベネチア。
運河が街中を走ることから、水の都とも言われ、世界遺産にも登録されています。
そんな美しい街並みのベネチアが、水没してしまう恐れがあるのです。
もしそうなれば、もちろんのことベネチアに観光へ行くはできません。
ベネチアはなぜ失われようとしているのでしょうか。

ベネチアとは

ベネチアはイタリアの北東部に位置する都市です。
ヴェネツィアと表記されることもあり、英語では「Venice」と呼ばれることから、日本語でも「ヴェニス」や「ベニス」と言われることがあります。
ベネチアは、ベネチア湾にある水深の浅い場所に作られた都市であるため、まるで海の上に浮いているかのように見えます。
また、カナル・グランデ(Canal Grande)と言われるS字形の大運河が街を二つに分けるかのように存在し、北西から南東へ流れているため「水の都」「アドリア海の真珠」などの別名があります。
ベネチアでは、狭くて曲がりくねった路地が多いことから、自動車が入れません。
しかし、運河が発達していることから、かつてはゴンドラと言われる手漕ぎボートによって物資の輸送を行っていました。
現在は水上バスやフェリーによって市民や物資が運ばれ、観光としてゴンドラは利用されています。
美しい街並みと流れる運河というだけで、魅力的な街ですが、様々な観光スポットもあります。
ナポレオンが「世界一美しい広場」と評した「サン・マルコ広場」や、聖人マルコの遺骸を収めるために造られた「サン・マルコ大聖堂」、黄金の館と言われる「フランケッティ美術館」などです。
これだけ、美しく文化的にも価値の高いベネチアですが、海に沈んでしまうかもしれない、と言われています。
そんなことがあれば、この世界にとって大きな損失と言えるのではないでしょうか。
ベネチアに何が起こっているのでしょうか。

ベネチアが水没する?

ベネチアでは「アックア・アルタ(acqua alta)」と言われる現象が時折起こります。
アックア・アルタとは高水を意味し、大潮、低気圧、シロッコ(scirocco)と言われる風、この三つの条件が重なることで高潮が起こり、ベネチアの街に水が入り込んでしまう現象です。
このとき、低い位置にあるサン・マルコ広場は水没してしまいます。
その他も水位が上昇しているため、街の至るところで膝の高さまで浸水し、まともに歩けない場所では、長靴を履いた人々が臨時で組まれた高床の上を歩くことになります。
この現象は以前からあったもので、現代になってから地下水を汲み上げるようになったことで、地盤沈下が激しくなったことが原因だと考えられています。
ある意味、ベネチアの名物とも言えますが、それだけでは済まなくなっているようです。
なぜなら、水没や浸水の水位は年々上昇しているからです。
これは地球温暖化による海面の上昇が原因の一つだと考えられています。
つまり、このまま地球温暖化が進むことで、ベネチアはアドリア海に沈んでしまうことになります。

水没を逃れる「モーゼ計画」

この現象を食い止めるべく、イタリア政府は「モーゼ計画」を立ち上げました。
モーゼと言えば、旧約聖書に出てくる、杖を振りかざして海が二つに割った人物を思い浮かべますが、実際は「Modulo Sperimentale Elettromeccanico」の頭文字を取ってモーゼのようです。
これは電気機械実験モジュールという意味で、ベネチアにある三つの水路に可動式のゲートを設置することで、海水を食い止める、というものです。
この計画は2003年に開始され、8年で完成の予定でしたが、まだ完成に至っていないようです。
2019年か2020年には完成する予定のようですが、別の問題もあります。
このモーゼ計画によって潮の流れを変えてしまうことで、水質汚濁や生態系への悪影響などが考えられることから、計画に反対する声も少なからずあるのです。
ベネチアが失われることは、何とも食い止めたいところですが、モーゼ計画によってさらなる環境問題が発生してしまう恐れがある、ということですね。
何とも複雑な状況ではないでしょうか。

自然だけでなく文化も失う

アックア・アルタは何日間もベネチアを水没状態にするものではなく、数時間もすれば水は引いてもとに戻るようです。
そのため、あと数年でベネチアが消滅してしまう、なんてことにはならないようです。
しかし、これは環境問題によって自然を失ってしまうだけでなく、人々が歴史を重ねて作り出した文化も失ってしまう、という例になるでしょう。
自然はもちろんのこと、文化も私たちの心を豊かにしてくれるものです。
これらが失われないためにも、私たちはこれからも環境問題を意識して、リサイクルやリユースを心がけるよう注意しなければならないでしょう。

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