南極に植物は存在する?実は2種類の花が咲いていた

南極に植物は存在する?実は2種類の花が咲いていた

寒い冬になると、生きるためには暖かさが必要であると実感させられますが、極寒の地であっても動植物は存在します。 しかし、南極のような極限の土地はどうでしょうか。

ペンギンやシロクマが生活している姿は、何となく想像できますが、植物が存在するのかと言われると首を傾げてしまうところです。 南極に植物は存在するのか、また温暖化による南極の植物事情をご紹介します。

極限の環境「南極」に植物は存在する?

南極大陸は氷に覆われ、1年を通して気温は低く、地球上で最も寒い地域と言えます。 その寒さは、年間の平均気温がマイナス50度以下となり、ほとんどの生物はこの環境に適応できないほどです。

そんな環境の南極ですが、動植物がまったく存在しないのか、と言えばそうではありません。 動物に関してはペンギンが有名ですが、ダニや線虫が生息し、植物も存在しています。 南極に生息する植物は、主に「藻類」「コケ類」「地衣類」です。

藻類はクラミドモナスが有名で、赤色の色素を持っていることから、比較的に暖かくなる時期は、雪を赤く染めるという特徴があります。 コケ類については、昭和基地の周辺でもキョクチノビスケットゴケが生息。 地衣類とは、菌と藻が共存する植物で、南極点近くに位置するクイーンモード山脈の付近に8種類が生育しています。

このように、極寒の地である南極にも、植物が生息しているのです。

南極に咲く花は2種類のみ

南極で植物が生息していることは、何となくイメージできるかもしれませんが、花が咲いていることは、想像が難しいものではないでしょうか。 しかし、南極に咲く花は2種類も存在しています。 南極に咲く2種類の花をご紹介します。

ナンキョクコメススキ

ナンキョクコメススキはイネ科の植物で、南極大陸に2種類しか自生していない種子植物の1つです。 5~10センチほどの高さで、見た目は芝生のようですが、非常に低温の地域でも適応できる力強さを持っています。

花は咲いていますが、イネ科であることから、そのサイズは非常に小さいものです。 南極だけでなく、アルゼンチン、チリ、フォークランド諸島のような南アメリカにも分布しています。

ナンキョクミドリナデシコ

南極大陸に自生する、もう1つの種子植物がナンキョクミドリナデシコです。 ナンキョクミドリナデシコは、3センチほどの高さで、花弁のない花を咲かせます。 高い割合で自家受粉することも特徴で、発芽率は非常に高い花です。

南極の緑化が進んでいる?原因は温暖化

このように、自生する植物の種類が少ないイメージの南極ですが、昨今では緑が広がっていると言われています。 2017年、南極大陸が今までにないほど植物が生育している、という研究論文が発表されたのです。

南極の白い景色が緑に変わりつつあると言われ、その原因は温暖化現象と考えられています。 温暖化による気温の上昇により、地表の氷が解けたことで、コケが水分を多く得ることに。

さらに、気温が上がることでコケの生育期間が長くなったことから、急速に成長し、南極の景色を変化させているのです。 コケが増える現象は、過去50年で急増していると言われ、この傾向が続けば、南極大陸はさらに緑が広がっていくと考えられています。 いつの日か、南極大陸も他の大地と変わらない風景になってしまうのでしょうか。

南極で芽吹く自然の神秘

南極はこの世界でも珍しい環境であり、そこで自生する植物も珍しいものです。 しかし、私たち人間が配慮のない活動を続けてしまったら、そのバランスが崩れてしまう恐れがあります。

私たちは、そういった自然のバランスを崩すことのない生活を心がけなければなりません。 そのためには、まずは多くの環境問題や自然の神秘を知る必要があるでしょう。 意識を変えるためにも、ぜひそのような情報を積極的に探してみてください。

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