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オーディオ店からリユースに事業転換してから今では業界トップクラスに!ハードオフ驚きの歴史と可能性

オーディオ店からリユースに事業転換してから今では業界トップクラスに!ハードオフ驚きの歴史と可能性
新潟県新発田市にあるハードオフ本社
提供:株式会社ハードオフコーポレーション

日本全国に店舗を展開し、楽器からオーディオ、パソコン、ゲーム、カメラなど、さまざまな品物を買取・販売するハードオフは、リユース業界を代表する企業の1つと言えます。しかし、その前身はオーディオ販売店でした。

ハードオフはなぜオーディオ販売店から日本を代表するリユースショップに成長したのでしょうか。ハードオフの歴史とサステナブルを広げる取り組みをご紹介します。

リユース大手のハードオフ 驚きの歴史とは

――ハードオフはもともとオーディオ販売店から始まったと聞いています。なぜ、オーディオ店からリユース品を手広く扱う企業になったのでしょうか。事業転換から発展した経緯を教えてください。

当社の前身である㈱サウンド北越は1972年に創業し、新品のオーディオ・ビジュアル販売店「サウンド北越」を運営しておりました。新潟県内に系列店を含め最大で10店舗を展開しましたが、1992年頃、バブル崩壊のあおりや大型電気店の進出を受け、経営状況が悪化してしまいます。しかし、当時オーディオの下取り品をガレージセールのような形で販売していたことがヒントになり、1993年にリユースショップへと転換いたしました。

ハードオフの前進であるオーディオ・ビジュアル販売店「サウンド北越」
提供:株式会社ハードオフコーポレーション

最初は祖業である「サウンド北越」の流れを受け、オーディオ製品や黒物家電を取り扱う「ハードオフ」からスタートしています。その後、徐々に市場のニーズを受けて、衣料品や家具、玩具、車用品など取り扱い商品を拡大し、現在は生活用品ほぼ全てを取り扱うようになりました。また、取り扱い品により屋号を分けており、「オフハウス」「ホビーオフ」など6つの当社オリジナルブランドを直営とFCで運営しています。

現在のハードオフは生活用品を広く取り扱っている
提供:株式会社ハードオフコーポレーション

2024年にはグループ1,000店舗を達成、現在は日本国内47都道府県すべてに出店、海外ではアメリカ・台湾・タイ・カンボジアに23店舗を展開しています。

最後まで資源を無駄にしないハードオフのリユース

――ハードオフは「サステナブルセンター」という拠点をお持ちだと聞いています。こちらはどのような機能を果たしているのでしょうか。

サステナブルセンターは店舗で買い取った品物のうち、商品として販売が難しくなった物を細かく分別するための拠点です。分別した物は資源として外部の回収業者に売却しています。

サステナブルセンターでは販売が難しかったものを選別する
提供:株式会社ハードオフコーポレーション

当社が買い取らせていただいたご不要品は、点検やクリーニングを施した後、店頭・ネット経由で販売しております。お客様にお持ちいただいた大切なお品物ですので、できる限り次に必要としている方にお届けしたいのですが、中には売り場に出ているうちに年月が経ち、劣化してしまう物もございます。そういったお品物を各店から回収し、サステナブルセンターに集めています。リユース品として再利用が難しくても、できる限り最後まで資源を無駄にしないことを目的としています。

サステナブルセンターで分別されている様子
提供:株式会社ハードオフコーポレーション

現在、サステナブルセンターは新潟・大阪・千葉・埼玉の4拠点がありますが、国内に10か所程度の設置を目指したいです。

――今後、力を入れたいリユースの取り組みはありますか?

ハードオフでは「ジャンク品」という商品ジャンルがありますが、これは「壊れてしまった物」「傷がついている物」「古くなった物」など、元の商品そのものの価値として販売できない物を指します。

ジャンク品は直訳するとがらくたです。一見価値が無いと思われるかもしれませんが、実は当社の大人気コーナーで、新店舗のオープンでは真っ先にお客様が向かわれるコーナーでもあります。

ジャンク品のコーナー
提供:株式会社ハードオフコーポレーション

購入した方はご自身で修理される場合もありますし、部品を取るために使ったり、アレンジして全く別の物に生まれ変わらせるなど利用方法はさまざまで、お客様のアイディア次第で可能性は無限大です。そのままでは廃棄されてしまう運命だった物を最後まで無駄にしないジャンク品は、究極のリユースの形では無いか、と考えています。

ハードオフが広げるリユースの可能性

――2021年に実施された環境省の調査によると、過去1年間でリユース品を購入・売却したことのある人は約3割とあります。まだリユース品を購入・売却したことのない消費者に対し、ハードオフはどのようなアプローチをお考えでしょうか。

2021年からリユースショップも増え、ネットの買取サービスなども拡がっていますが、まだまだ「リユースする」という選択は一部の方にとどまっているんだなと実感します。私たちにできることは、リユースを利用しやすい環境を整えていくこと、またリユースの価値をお伝えしていくことだと考えています。

先日、「8月8日リユースの日 ~笑顔をつないで、未来のチカラに~」というイベントに出展させていただきました。小学生を対象としたリユース体験イベントで、当社はジャンク品のPCキーボードを解体し、キーホルダーを作るイベントを実施しました。参加してくれた子供たちは、私たちの想像以上に解体作業に夢中になっていました。物を捨てずに最後まで使うこと、アイディア次第で他の活用法もあるということを、今後も様々な形でお伝え出来たらいいなと思っています。

「8月8日リユースの日 ~笑顔をつないで、未来のチカラに~」の様子
提供:株式会社ハードオフコーポレーション

――これからの社会は持続可能な技術や取り組みが、今まで以上に求められると思います。ハードオフでは、今後はどのような形でサステナブルな社会構築に寄与していきたいとお考えでしょうか。

まずは本業のリユースで社会に貢献していきたいと考えています。まだまだ日本国内に出店の余地がありますし、ネットを活用した買取・販売チャネルも構築しています。お客様の身近にリユースがあれば、捨てない選択肢を増やせるのではと思います。

また、遠い将来になると思いますがサステナブルセンターで回収、再資源化した物を、店舗の備品として生まれ変わらせることができればと考えます。グループ内で廃棄物をできるだけ出さない、無駄の無い循環サイクルができれば理想ですね。これからも真の意味でのサステナブルな企業になれるよう努めてまいります。

参考:ハードオフコーポレーション 公式サイト

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