G7サミットとは?2023年広島で開催された理由やテーマを解説
最近、ニュースで話題になっていた、広島で開催されたG7サミット。 よく耳にするものの、どういったサミットで何が話し合われるのか、いまひとつ理解していない、という方も少なくないはずです。
G7サミットとはどういった内容が話し合われるのでしょうか。 また、2023年に広島で行われた意味は何かあるのか、という点も気になるところです。G7の意味や広島サミットで議論された内容をわかりやすく解説します。
G7サミットとは?7か国による国際会議
G7サミットとは、主要国首脳会議、もしくは先進国首脳会議のこと。先進国7か国によって毎年行われる国際会議です。 G7は参加7か国の総称としての「Group of Seven」を意味しています。
参加国は、日本、アメリカ、カナダ、フランス、イギリス、ドイツ、イタリア及びEU。 いずれも世界的な大国であり、経済、軍事、外交面で緊密な関係を保ち、国際的に大きな影響力を持っています。 また、G7のメンバー以外にも招待された国や国際機関が参加することもあります。
G7サミットで何が話し合われるのか。 世界経済、地域情勢のような地球規模課題をはじめとし、その時々の国際社会における重要な課題が軸となりますが、自由や民主主義、人権といった基本的価値を共有するG7各国の首脳が自由に意見交換を行い、その成果を文書にまとめて公表することが特徴です。
サミットの開催地はフランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダの順で毎年持ち回りとなっていました。 第1回はフランスのランブイエで開催。日本では1979年に初めて東京で開催されています。それ以外では、1986年、1993年も東京で開催。2000年は沖縄の名護市。2008年は北海道の洞爺湖町。2016年は三重県の志摩市。そして、2023年は広島で開催されました。
1990年代までは開催国の首都や大都市で開催されていましたが、抵抗運動によるデモ活動が頻発したことで、警備のしやすい地方都市、保養地での開催が多くなりました。
2023年のG7が広島で開催された理由は?
2023年5月、G7サミットは日本の広島県広島市で開催されました。開場はグランドプリンスホテル広島です。 日本からは岸田文雄総理大臣が議長国として参加。その他、G7の首相や大統領の他に、韓国やインド、ブラジルが招待国として参加しています。
開催地が決定する前、名古屋市と福岡市も名乗りを上げていました。 しかし、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻、核兵器の使用を示唆する発言が出る中、被爆地である広島の開催こそ、平和のメッセージを発信する意義があると各国のリーダーが強調。 そういった経緯もあったのち、2022年5月、岸田総理大臣が日米首脳会談のあと、広島で開催する方針を明らかにしました。
開催の背景として、コロナ禍に見舞われた国際社会、ロシアによるウクライナ侵略が国際秩序の根幹を揺るがし、歴史的な転換点にあることが挙げられています。 また、ウクライナのゼレンスキ―大統領はオンライン形式で参加することが決定していましたが、日本を訪問することを発表。現地でサミットに参加したことも話題となりました。
2023年のG7広島サミットの内容は?
G7広島サミットでは、どのような内容が話し合われたのでしょうか。 重要課題として、以下の項目が挙げられています。
- 地域情勢
- 核軍縮・不拡散
- 経済的強靱性・経済安全保障
- 気候・エネルギー
- 食料
- 保健
- 開発
やはり、大きな課題は地域情勢、ロシアによるウクライナ侵略だと考えられます。 核軍縮・不拡散では、核兵器のない世界という理想に前進するため、G7として現実的かつ実践的な取り組みとメッセージを発信のための議論が予定されていました。
他にも気候やエネルギー、食料の問題を忘れてはなりません。 昨今の気候変動やエネルギー不足の問題は深刻であり、各国・地域の事情に応じた強靱なエネルギー移行の道筋を示す必要性が課題として挙げられています。 食料危機に関しても深刻な状況であり、廉価で安全、栄養のある食料へのアクセスと強靱な食料安全保障の確立が急務となります。
保健については、新型コロナウイルスの感染拡大という教訓を踏まえ、将来の健康危機に対する予防と準備、さまざまな健康課題に対応するイノベーションについて議論されたでしょう。 その他にも、ジェンダー、人権、デジタル、科学技術といった分野についても、重要課題として触れられていました。
G7広島サミットの議論は人類の未来を担う
G7広島サミットでは、この世界を牽引するリーダーたちが、人類の未来について話し合われました。 そこで議論されたことがこれからの歴史につながり、私たちの生活にも直結してくると考えられます。
そのため、G7広島サミットが終了した現在も発信される内容やメッセージをキャッチする必要があるでしょう。 そして、その情報が私たちの未来に安心や安全をもたらす可能性があるのか、ぜひ考えてみてください。