メガゾーラーの問題点とは?デメリットやトラブルの事例

メガゾーラーの問題点とは?デメリットやトラブルの事例

太陽光によって大規模な発電を行うメガソーラーは、再生可能エネルギーを利用するため、環境に優しいイメージがありますが、いくつかのデメリットが指摘されています。 そして、そのデメリットが表面化して問題になったケースも少なくありません。 今回はメガソーラーのデメリットや実際に問題が起こった事例をご紹介します。

デメリットが指摘されるメガソーラーはなぜ増える

メガソーラーとは、1,000kW以上の発電規模を持つ産業用太陽光発電設備を指します。 家庭用ソーラーパネルの発電量が10kW未満であるため、数値を比較するだけでも、メガソーラーの規模の大きさがうかがえるでしょう。

大規模な太陽光発電であるため、メガソーラーは広い土地に設置され、産業用電力として企業や地方自治体が運営するケースがほとんどです。 メガソーラーを利用するメリットは以下の通りとなります。

  • 大量の電力を生み出す
  • 売電による収益が得られる
  • 温暖化対策や脱炭素社会の実現に貢献
  • 遊休地の有効活用
  • エネルギーの安定供給

たくさんの電力を生み出すだけでなく、FIT制度と言われる発電した電気を電力会社が買取ってくれる仕組みがあるため、メガソーラーによって収益が得られます。 さらに、火力発電に比べると二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーを共有し、火力発電の依存度を減らせるため、国際情勢に左右されない安定したエネルギー供給も可能です。 そして、土地を持て余している場合は、メガソーラーを設置して有効活用できるなど、複数のメリットが挙げられます。

このように、設置することで多くのメリットが発生するメガソーラーは日本各地で建設が相次いでいますが、同時にデメリットも指摘され、問題視されている状況でもあります。 メガソーラーによるデメリットとは、どういった点にあるのでしょうか。

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メガソーラーのデメリットとは

それでは、メガソーラーのデメリットを見てみましょう。

環境に悪影響

メガソーラーの建設は広大な土地を必要とするため、森林を伐採したり、農地を転用したり、自然を削ってしまいます。 再生可能エネルギーによって地球温暖化対策につながる、というメリットをアピールするメガソーラーが、森林伐採によって二酸化炭素の吸収源を消失させてしまう矛盾。

さらには、森林や湿地といった自然豊かな場所を破壊し、動植物の生息地を奪って生態系のバランスを崩してしまう。 こういった状況があるため、メガソーラーは環境に悪影響があると指摘されています。

自然災害のリスク

森林の土壌は多くの植物が張り巡らせているため、水分を保持して土砂の流出を防ぐ役割があります。 しかし、メガソーラーの建設によって森林が伐採されてしまうと、保水機能は失われ、地盤は漸弱に。 そうなると、豪雨の際に雨水が吸収できず、大量の土砂や泥水が流れ出してしまいます。

また、傾斜にパネルを設置する場合、造成工事が不適切だと崩落する危険性もあり、メガソーラーによる災害のリスクが指摘されているのです。

地域住民とトラブル

メガソーラーの建設によって地域住民とトラブルになるケースも少なくありません。 まず、広大な自然の中に多数の太陽光パネルが設置されてしまうと、景観が損なわれてしまいます。これは、自然豊かな土地や観光地である場合、地域住民から強い反発を受けるケースもあります。

さらには破損や火災、強風によるパネルの飛散など、施設の安全性に対する不安もトラブルの原因となり、十分な住民説明会を実施しない、住民の意見を十分に聞かずに事業を進めるといったコミュニケーション不足があると、大きなトラブルに発展してしまうのです。

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メガソーラーによる問題が表面化した地域

こうしたメガソーラーのデメリットは、実際に問題が表面化して被害を受けた事例も存在します。 次に、メガソーラーによる問題が表面化した事例を見てみましょう。

奈良県平群町

奈良県の平群(へぐり)町はメガソーラー建設現場で、2024年11月と2025年5月下旬に豪雨による土砂流出事故が発生。 土砂は山の中にある建設現場から町道まで流れ出し、その高さはガードレールを超えるほどでした。

原因は盛土の崩落と考えられ、住民は不安を抱き、開発許可の取り消しを求めて事業者と県を相手に裁判を起こしています。

釧路湿原

北海道には自然豊かな釧路湿原が観光スポットとしても有名ですが、この地もメガソーラーの建設が問題となっています。 釧路湿原は特別天然記念物のタンチョウや、オジロワシ、オオワシといった希少な猛禽類の重要な生息地です。

しかし、開発によって鳥類の営巣地や餌場が失われ、繁殖活動に深刻な影響が。 また、釧路湿原の雄大な景観が太陽光パネルが林立によって損なわれ、観光客の減少も指摘されています。

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長野県辰野町

長野県の辰野町では複数の事業者が森林を伐採して、メガソーラーの建設を進めていました。 しかし、そのうちの一社が建設途中に倒産。パネルが放置される事態に陥りました。

町は個人事業主を割り出し、内容証明の通告書を出しましたが、返答はなし。 町長は会見を開き、この問題に毅然として取り組むとの決意表明を行いました。

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メガソーラーは持続可能なエネルギーを作り出すのか

メリットが多いと思われていたメガソーラーですが、このように各地で問題が起こっています。 これらを解決するためには、環境アセスメントの厳格化や透明性の高い情報公開など、さまざまな側面からルールを見直す必要があると言えるでしょう。

このように、昨今は環境対策やSDGsをうたうものの、実のところはデメリットが多々存在するケースも少なくありません。 見極めは非常に難しいことですが、常に環境問題やリユース・リサイクルに関する情報をキャッチして、感覚を養う努力は誰でも可能です。

ぜひ、エコトピアをはじめ環境問題に関する情報に興味を持ち、意識して追ってみてください。 どんな小さいことでも、環境問題を解決するきっかけになるはずです。 まずは、基本的なこと・簡単なことから、ぜひ試してみましょう。

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