ガンジス川が汚い!聖なる川が汚染された原因とは?

ガンジス川が汚い!聖なる川が汚染された原因とは?

インドの人々にとって、大きな意味を持つガンジス川。 生活の面でも、宗教的な面でも、インドの人たちにとってガンジス川は重要な川です。

しかし、そのガンジス川の汚染が悪化していると話題になっています。 ガンジス川はなぜそれほどまでに汚れてしまったのでしょうか。 ガンジス川の環境問題をご紹介します。

ガンジス川とは?汚れる前の歴史

ガンジス川とはヒマラヤ山脈の南やインド半島の北東部を流れる大河です。

現在、インド、パキスタン、アフガニスタンが存在している地域は、インダス文明の始まりによって紀元前から文明が栄えていました。 そのインダス文明はインダス川を中心として栄えた文明ですが、これが衰退してしまった紀元前1000年頃からは、インドの文明はガンジス川を中心とするものになりました。

紀元前6世紀から紀元前5世紀にかけて、ガンジス川流域の覇権を争って、様々な国が立ち上がりましたが、その頃から次第にガンジス川は神聖なものとして捉えられるようになります。 ガンジス川は肥沃な土地を作り出すため、農業が行われ、人々に多くの恵みを与えることから、この地域の人々にとって大変重要だったのです。

さらに、信仰の対象としてもガンジス川は重要視されています。 インド国民の多くが信仰するヒンドゥー教では、ガンジス川をガンガーという女神とし、死者は川岸で火葬し、灰を川へ流すことが最大の敬意としています。

また、ガンジス川で沐浴することで罪が清められると言われていることから、ヒンドゥー教徒にとってはガンジス川で沐浴することは非常に重要な儀式です。 他にも、仏陀が生まれ、悟りを開いた地域でもあることから、仏教の聖地もガンジス川流域に存在します。

ガンジス川が汚い!ごみや腐敗物が混じった状態に

このように、ガンジス川はインドの人々にとって、とても重要な川です。 しかし、そのガンジス川の汚染が深刻なものになっています。

ガンジス川はヒマラヤ山脈の綺麗な水を水源としていますが、都市や工業地域を流れていくうちに、ヘドロ化してしまいます。 それは、決して透き通っているとは言えず、ゴミや腐敗物が混じった汚水、としか言えない状態です。

そんな状況から、2007年には世界で最も汚染された5つの河川に選ばれるほどで、ガンジス川流域に暮らす人間の健康、動植物に大きな影響を及ぼしている、と言われています。 旅行者の中にはガンジス川で沐浴を体験したいと考える人もいるようですが、現地のガイドには止められてしまいます。 なぜなら、ガンジス川には様々な病原菌が混ざっているため、現地の人のように免疫がある人以外が入ってしまうと、ひどい目にあってしまうからです。

神聖な川とされるガンジス川は、なぜそれほどまでに汚染されてしまったのでしょうか。

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ガンジス川が汚くなった原因は?現地の複雑な事情

ガンジス川の汚染は、1つの要因によるものではありません。 まず、下水道の未整備や、処理能力が追い付いていないことが原因として挙げられます。 未処理の下水が排水管から直接川に流れ込むだけでなく、ゴミの収集も定期的に行われない地域では、山のようにゴミが川へ捨てられています。

また、宗教上の理由でトイレがない家庭もあり、ガンジス川の周辺で排泄を行う人も少なくありません。 宗教上のことと言えば、遺体や死骸も流されるため、これも汚染を進めてしまう理由になります。

他にも工業が盛んな地域では、工場から出た廃棄物が川に直接捨てられることもあり、有害なガスもガンジス川の周辺で排出されています。 このように、整備が間に合っていないことや、宗教的な理由、経済成長による廃棄物などが、ガンジス川の汚染を加速させているのです。

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どんなに汚くてもガンジス川は神聖な場所

ガンジス川の汚染は深刻ですが、現地の人々にとっては神聖な川であることは変わりません。

どんなに汚れていても、人々は身を清めるために、ガンジス川に入ります。 調理や洗濯など、生活のためにガンジス川の水を利用します。 健康に悪影響を及ぼすことが懸念されていますが、現地の人にとっては文字通り生活の一部と言えるため、切り離すことは難しいでしょう。

この問題は、文化や経済、人と自然の関係などが複雑に絡み合い、起こってしまったと言えるかもしれません。 自然を歪める力を持ってしまった人類は、広く環境に配慮する必要があります。 私たちも小さなことでも、環境への配慮を考えながら生活することを心がけてみましょう。

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