インドで深刻な大気汚染!原因や健康被害を防ぐ対策とは?

インドで深刻な大気汚染!原因や健康被害を防ぐ対策とは?

今、世界中で環境問題が発生し、多くの自然が汚染されています。 その中でも、トップクラスに汚染されている国と言われるのが、インドであり、特に大気汚染が注目されています。

インドでは、どれだけ大気汚染が深刻で、何が原因となっているのでしょうか。 インドの大気汚染と、その原因をご紹介します。

インドの大気汚染が深刻 健康被害が広がる

インドは北部を中心に大気汚染が深刻化しています。 あまりに深刻であるために、デリー首都圏の首相、アルヴィンド・ケジリワルにより、大気汚染が耐えられない水準である、と警告が発せられ、この状態を「ガス室のよう」と例えました。

そのため、マスクの着用が呼びかけられ、可能であれば空気清浄機の使用も呼びかけられていますが、高価なものを用意する余裕のない人も多く、たくさんの健康被害が出ています。 子供への健康被害はもちろん、特に妊娠した女性の健康は懸念されている状況で、家にこもることが多くなるようです。 さらに、インドでは流産や乳児の死亡が急増していますが、その原因も大気汚染が原因ではないかと言われています。

大気汚染のレベルを数字で表す、大気質指数「AQI」というものがあり、これが高ければ高いほど、大気汚染の状況が悪いと言えます。 AQIが100を超えると健康に影響があるとされ、日本では70を超えれば外出を控えるべきとも言われますが、2019年の11月、ニューデリーでは999という数値が観測されたのです。 この数値は世界の主要都市の中でも、圧倒的なものです。

インドの大気汚染の原因は?経済成長が関係

インドではこれだけ大気汚染が深刻な状態ですが、何が原因でこんなことになってしまったのでしょうか。 原因と言われるものをいくつかご紹介します。

車の排気ガス

インドは急激な経済成長と同時に、爆発的に自動車の利用が増えています。 そのため、自動車による排気ガスの量も増えてしまっているのです。 人口も増加したことで、交通渋滞を生み出し、大量に排出される自動車の排気ガスによって、大気汚染が深刻化しています。

工業施設の排気

インドの中でも大気汚染が深刻なデリーは、大きな工業地帯があります。 この工業地帯からの排気も、大気汚染の原因となっています。 また、インドは火力発電によって電力を確保していることが多く、石炭を燃やすことでも排ガスが大量に発生しています。

建設工事の粉じん

急激に経済が成長するインドでは、再開発が行われています。 またインフラ建設も盛んであることから、建築現場が数多く存在しています。 そのため、建設工事によって大量の粉じんが飛び散り、大気汚染の原因となっています。

農業による野焼き

インドは農業も盛んであり、収穫が終わる11月ごろは、野焼きが行われます。 大量の藁や雑草を燃やす野焼きは、非常に多くの農家が行うことから、大量の煙が発生します。 野焼きの対策は急務として、インド政府は取り組んでいますが、まだまだ解決には至っていないようです。

年に1度の花火祭り

インドは年に一度、ディーワーリーと呼ばれる大きなお祭りが行われます。 このお祭りでは、人々が花火や爆竹を使ってお祝いをします。

10憶人に近い人が同時に花火を使うことから、大量の煙が発生してしまうのです。 そのため、ディーワーリーも大気汚染の原因の一つとされています。

大気汚染の対策に規制を設けるインド

このような状況に対し、インドでは多くの規制を設けることで、大気汚染の対策を試みています。

まずは自動車の排ガスの対策として、ナンバープレートの数字末尾が奇数か偶数かによって、日替わりで通行が許可されることで、市内を走る車の制限を試みました。 ディーワーリーの花火についても、2016年や2017年は爆竹の販売が禁止されました。 しかし、この決定に抗議する人や、密売業者から花火を購入する市民もいるため、別の問題を生み出しているようです。

野焼きについても、防止のために火を使わずに作物残渣を処理するため、農家は機械を購入する助成金が受け取ることができます。 それでも野焼きが減らない理由としては、機械の維持費や燃料価格の上昇を考えると、農家からすると助成金の額が十分ではないから、ということのようです。

このような対策により、大気汚染を防ぐことが進められていますが、決して上手く行っているとは言えないと考えられます。

大気汚染の他にも!経済成長によるインドの問題

インドの大気汚染は、人口増加や経済成長が原因となる排気ガスが大きく関わっています。 これはインドだけではなく、中国や日本、さらに昔は産業革命によるイギリスも挙げられます。

人間が大きな成長を目指すとき、そこには環境問題が起こる恐れがあります。 何かを作り出すときは、自然への影響をしっかりと考える必要があるかもしれないですね。

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