自然と共存!生態系サービスの機能と恩恵

自然と共存!生態系サービスの機能と恩恵

人間は自然と共存して生活をする必要があります。
なぜなら、私たちの生活はすべて自然からの恩恵によるものだからです。
食べ物も着る物も、何でもお店で手に入るため、なかなか自然からの恩恵であることをイメージするのは難しいかもしれませんが、生態系が崩れてその機能を発揮しなくなってしまったら、私たちは生きることすらままならないでしょう。
私たちの生活に対して、生態系が与えてくれる恩恵のことを「生態系サービス」と呼びます。
それでは、この生態系サービスがどのような形で私たちに多くの恩恵を与えてくれているのか、考えてみましょう。

衣食住も自然から与えられている

人間は生態系によって生活が成り立っています。
人間にとって必要な衣食住、このすべてが生態系による恩恵と言っても良いでしょう。
生態系は、水、土、大気、生物、鉱物など多くの自然から構成されています。
私たち人間もその中で暮らすことで、生態系の中にある様々な自然を利用しています。
逆に自然は、時間をかけて食料やエネルギーを作り出し、人間に供給してくれるのです。

まず、人間の活動の源である食料と水は、すべて自然から作り出されていると言っても過言ではありません。
次に衣料についても動植物の繊維を使っているもので、化学繊維も石油と言う自然の恵みから人間が作り出したものです。
そして、人が住む家も自然の恩恵によって作られています。
木材で作られた住宅はもちろん、鉄筋コンクリートのビルも鉄や石灰石のような鉱物資源が必要です。
これらを踏まえると、人間も生態系の一部であり、自然の中でしか生きて行くことができない、と言えるでしょう。
これらの生態系による供給サービスと言われています。

自然が環境を整えている

人間が安心して暮らしていのは、環境が安定しているからだとも言えます。
この環境の安定も生態系サービスが、環境が乱れないように調整しているからなのです。
これを生態系による調整サービスと言います。
調整サービスにはどのようなものがあるのでしょうか。

大気質の調整

自然は大気の調整にも大きな関りを持っています。
例えば、大気汚染や騒音などの環境問題は、植物によって緩和されています。
都市部の人口熱によるヒートアイランド現象も植物によって緩和されています。
他にも緑地が人の心と体の健康に良い影響を与えているとも言われ、人にとって生活しやすい環境を与えてくれています。

気候の維持

地球の表面は温室効果と言われる機能によって、生命を維持できる温度に保たれています。
温室効果ガスであるCO2は、水や植物によって吸収され、土壌内に貯蔵されます。
他にも海洋生物が体内にCO2を蓄えることで、気候の調整が行われているのです。

自然災害の緩和

生態系サービスによって、自然災害も緩和されています。
森林やサンゴ礁、砂浜などの生態系は防壁や緩衝帯として、台風や洪水などの自然災害を軽減しているのです。
他にも津波や雪崩、暴風など多くの災害を緩和し、さらに回復を促進する役割まで担っています。

土壌浸食の調節

草や樹木のような植物があることで土壌の浸食防止になります。
急斜面の場合は森林が土壌の水分調節を行うため、地滑りを防ぐ効果もあります。

花粉の媒介

世界の作物や薬の原料となる植物のほとんどが、昆虫や鳥などの受粉媒介動物による受粉に依存しています。
作物が育つのは、この生態系サービスがあるから、とも言えるでしょう。
もし、受粉媒介動物が少なくなってしまうと、受粉システムに悪い影響を及ぼし、作物の減少につながります。

疾病や病害虫のコントロール

有害生物や疾病は生態系によってコントロールされています。
森林が淀んだ水を浄化することで有害生物の繁殖を予防し、作物に危害を与える害虫をカエルやヘビのような捕食者が食べることで、病気の蔓延や作物の被害を抑えています。
実は、有害生物による作物の被害は世界中で大きな損失をもたらしています。
生態系が歪んでいなければ、有害生物の天敵となる生き物に多様性があり、そのような損失を抑えてくれるのです。

人の文化も自然によって作られる

文化は人だけが持つ営みのように思えますが、これも自然に与えられたものと考えられます。
例えば、芸術も自然から与えられたものが大きいと考えられます。 雄大な自然は絵心を誘い、音楽のモチーフとなり、多くの芸術家がインスピレーションを受けたことでしょう。 他にも教育や倫理的価値も自然から教わることがあります。
教育面では、自然の成り立ちや植物の種類を知ることで教育が始まり、やがてそれは科学の道へと発展します。
倫理的価値としては、大きな山や静かな湖から神聖さを感じ、霊的な充足感を得ることもあるでしょう。
中には山や海そのものが御神体となる宗教も存在します。
また、自然の美しさは人の心を癒し、観光地として楽しむこともあります。
このように文化も生態系から与えられる文化的サービスなのです。

目に見えない自然の支え

他にも、生態系サービスを支えるサービスがあります。
それを基盤サービスと言います。
土壌を肥沃にするために有機物を分解し、栄養素の流れを再循環させ、土壌の熱や水分を保つことで気候調整の基盤となります。
他にも水の循環や食物連鎖を支える機能など、多くのサービスによって人間は支えられています。

生態系のバランスを崩す環境問題

生態系はバランスを調整することで安定した自然を保ちます。
しかし、人間が過剰に負荷を与えてしまうと、生態系のバランスが崩れ、人間に対しても様々なデメリットが生まれてしまいます。
人間は自然と共存していることを意識し、生態系に必要以上の負荷を与えてないように努めなくてはなりません。
また、生態系の中で暮らす一員として、生態系から受ける様々な恩恵を忘れないことも重要でしょう。
そういった意識が、いずれ自然と共存した理想的な人間社会を実現するかもしれません。

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