水の循環が地球を守る!大気や川を巡る自然システム

水の循環が地球を守る!大気や川を巡る自然システム

地球が「水の惑星」と呼ばれているのをご存知でしょうか。 なぜ、そう呼ばれるのかと言うと、地球の表面の約7割が水で、同じ太陽系の星の中でも水があるのは地球だけだからです。

しかし、そんな水の惑星であるはずの地球に住む人々は水不足に悩まされてるのです。 地球と言えば誰もが水に覆われ青く光り輝く姿を想像することでしょう。 そんな地球がどうして水不足なのでしょうか。

地球を循環する水「飲める水」は約2.5%だけ

水に覆われている地球ですが、実は人間や動物が飲める水は、必ずしも多いわけではありません。 なぜなら、地球の水の約97.5%が海水で、人間も動物もそれを飲むことができないからです。

人間や動物が飲んだり生活に使ったりする水を淡水と言いますが、これは地球の水の約2.5%だけ、ということになります。 この2.5%の水を人間や動物が自由に飲めるのかと言うと、それも違います。

淡水の内訳は1.76%が氷河、地下水が0.76%、そして河川や湖沼水が0.01%。 この0.01%が人間や動物にとっての水なのです。 では、この淡水はどこからやってくるのでしょうか。

水の循環とは?自然を巡る水の仕組み

地球の水は大きく循環するシステムになっています。 そして、その原動力となっているのが太陽です。

まず、太陽の光によって海の水は熱せられ、水蒸気になります。 その水蒸気は上空で雲となり、陸上まで流れて雨や雪を降らせるのです。 地上に落ちた水分の一部は大気中に戻り、その他の一部は地中から河川や湖沼となります。 中には地下水となって、長い間そこに滞留することもあります。

しかし、これらもやがて海に戻って行くのです。 海に戻った水はまた太陽の光によって、水蒸気になり、雨となり…と、このサイクルを繰り返します。 これを水の大循環と言います。

水が一定の場所に留まる滞留時間は場所によって異なりますが、地下水は数千年もそこに留まることがあります。 この地下水も一度くみ上げてしまうと、もとの水量に戻るには非常に長い時間がかかります。 そのため、過剰にくみ上げてしまうと、地下水はなくなってしまうのです。 水を過剰にくみ上げてしまうことは、水の循環を変えてしまい、水不足や生態系への悪影響に及ぶ恐れがあります。

水の循環は温暖化から地球を守る

海水は人間や動物が飲めないため、直接的に水不足を解決することはできませんが、別の重要な役割を果たしています。 実は海は気候と大きな関りがあるのです。 海が地球の温度を調節しているとも言えるでしょう。 では、どのように海が地球の温度を調節しているのでしょうか。

海は水深が浅い部分の「暖水層」と、水深が深い部分の「冷水層」に分けられます。 これらの海水によって海洋大循環と言われる、大規模で長時間による循環が行われています。 どういった循環が行われているのか、欧州を出発点として説明します。 欧州は緯度が日本よりも高いにも関わらず、気温にそれほど違いがありません。

これは南の赤道を通過してきた暖かい海水が北上し、欧州を暖かくしているのが理由だからです。 欧州を通過して、さらに北上した海水は、冷えて塩分濃度が高くなり、グリーンランド沖で沈んでいきます。 深いところまで潜り込んだ海水は、次に大西洋を通過して南極まで南下します。 その後、インド洋か太平洋に向かいつつ上昇し、暖かい海流となります。 そして、それがまた欧州へと向かっていくのです。 このように、1000年から5000年をかけて一周する循環が行われているそうです。

この循環が変わってしまった場合、地球の気候は大変動することでしょう。 また、海水は温室効果のある気体を吸収し、熱を吸収する役割があります。 海水によって気候がコントロールされ、温暖化が防がれてると言えるでしょう。

水の循環が命を育む

水は命の源、という言葉をよく耳にします。 これは食事や生活の場面で使われることが多い言葉というイメージがありますが、水はもっと広い意味でも命の源であると言えるでしょう。 地球を覆う水は、大規模で長いサイクルによって飲み水を作り出し、また気候をコントロールすることで生態系を守っているのです。

しかし、水不足が環境問題の一つとして取り上げられています。 残念なことに、人間が自然を歪めてしまったことが原因の一つと言えるでしょう。 命の源である水が枯渇してしまわないように、地球環境について考えていく必要があるかもしれません。

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