上勝町はリサイクル率80%!徹底したごみ分別の方法とは
私たちは、毎日のようにごみを捨てていますが、しっかりと分別を行う必要があります。 しかし、どれだけ細かく分別しているか意識をしたことはあるでしょうか。
そんなごみの分別について、日本のある町が世界から注目されているのをご存じでしょうか。 それが、日本で最もごみ分別が細かい町、上勝町(かみかつちょう)です。四国の徳島にある、上勝町のごみ分別をご紹介します。
ごみが少ない町!驚異のリサイクル率を誇る上勝町とは
提供:上勝町上勝町は徳島県の中部に位置する、総人口は1,500人ほどの小さな町です。 この総人口数は、四国の町の中でも最も人口が少ないと言える数字です。 学校も上勝小学校と上勝中学校が存在するだけで、高校はありません。 そのため、子供たちは中学校を卒業すると、隣町の勝浦町や徳島市の高校へ進学するために転出することが多いです。
このように、上勝町は山間にある小さな町ですが、世界が注目するような、とんでもない試みを続けています。 それは、日本でも初となる、町としてのごみを2020年までにゼロにする「ゼロ・ウェイスト」を宣言したことです。
日本はごみの排出量が多い国としても知られていますが、そんな中でごみゼロを目指すと宣言した上勝町。 いったい、そこではごみに対し、どのような取り組みがあるのでしょうか。
上勝町のリサイクル率はごみの45分別が鍵
提供:上勝町上勝町の注目すべき点。それはごみの収集方法にありました。 普通であれば、家のごみは各家庭がごみ捨て場に置き、それを業者が回収し、清掃工場で適切な処理が行われると想像できると思います。
しかし、上勝町ではごみの回収を行っていません。 どうしているのかと言えば、町民が自ら町で1ヵ所の収集拠点となるごみステーションにごみを持ち込むのです。
そして、そのごみはなんと45種類に分別して捨てる必要があるのです。 生ごみについては、自宅で堆肥化し、それ以外はごみステーションで、徹底的に分別しているようです。
「ちょっと大変じゃないの?」と思う人も少なくはないでしょうが、町の人々の意識も高く、ごみの資源化率は何と約80%なんだとか。 もともと、上勝町のごみ処理は野焼きが主で、その後、小型焼却炉を導入しましたが、ダイオキシン問題などによって規制が厳しくなり、新たな焼却炉を買うにも財政的に厳しく、ごみ処理の新たな方法を考える必要がありました。 そして、国際環境NGO団体のグリンピースジャパンからの提案がきっかけで、このような取り組みが進められたのです。
参考:上勝町 資源分別ガイドブック
上勝町のごみゼロを支えるリユース・リサイクル
提供:上勝町なぜ、上勝町のごみ処理がこれだけ上手く行くのでしょうか。 その理由の一つは、町のごみが集まるごみステーションにあるようです。
上勝町のごみステーションは、毎朝7時半から午後の2時まで営業し、分別に悩む場合は、常勤のスタッフが手伝ってくれます。 また、ステーションの中には「くるくるショップ」が存在し、そこでは「要らなくなったけれど、まだ使えるもの」をリユースしています。
隣接する介護予防活動センター内に「くるくる工房」というショップもあり、鯉のぼりや着物の生地を活用したリメイク商品も販売しているのです。 ごみを処理するだけではなく、不要品をごみにしない取り組みにも熱心なようです。
くるくる工房の様子。提供:特定非営利活動法人ゼロ・ウェイストアカデミー
そんな取り組みが拡大し、上勝町では、老朽化したごみステーションを新しくした上に、ホテルやセミナールームを備えた複合施設「WHY(ワイ)」が2020年の春に誕生する予定です。 繰り返し町にきてもらうことを目的とする他、施設の利用を通して循環型社会について学ぶ場として活躍することも考えられています。
上勝町のリサイクル率が高い秘訣は徹底したごみ分別
上勝町の取り組みからわかることは、分別を徹底することで、焼却・埋立ごみは減らせるということではないでしょうか。 分別することは少し面倒なことのように感じるかもしれませんが、それだけで地球の資源が守られ、私たちの未来も守られるかもしれません。
もし、分別をそれほど重要視してなかったとしたら、上勝町の取り組みを参考にし、その重要性を再認識してみてください。 分別を徹底するだけで、人類の未来は全く違う結果になるかもしれませんよ。