シベリアの気温が過去最高に?気温変動で永久凍土も融解か

シベリアの気温が過去最高に?気温変動で永久凍土も融解か

シベリアと聞いたら、多くの人が極寒の地だと想像するのではないでしょうか。 常に寒いイメージのシベリアですが、温暖化の影響を受けているのか、観測史上最高気温が記録されました。

また、シベリアには永久凍土と言われる土地が存在しますが、気温上昇によって溶け始めています。 シベリアの気温はなぜ上昇し、その影響で何が起こっているのでしょうか。

シベリアの気温が史上最高に?

シベリアの北部には、ベルホヤンスクという町があります。ここは「世界の寒極」と言われ、冬の猛烈な寒さが有名です。 ベルホヤンスクの厳寒期は、氷点下50度以下まで下がり、1885年と1892年には氷点下67.8度という、観測史上最低気温も記録されています。

そんなベルホヤンスクの地で、2020年の6月20日、38度という気温が記録されました。 これは、世界気象機関に正式に認められれば、シベリアの観測史上最高気温となり、北極圏の史上最高気温にもなります。 夏が始まったばかりのこの季節、シベリアで38度という気温は異常と言えるでしょう。

しかも、シベリアのこの暑さは、最高気温を記録した日の一週間前から続いています。 極寒の地であるはずのシベリアで、何が起こっているのでしょうか。

シベリア気温上昇の原因は何なのか

寒いイメージのある、シベリアに位置するベルホヤンスクは、きっと夏も相当な涼しさだろう、と思う人も多いのではないでしょうか。 しかし、ベルホヤンスクの夏の気温は、意外に高く、昼であれば30度以上なることもあり、年較差が非常に大きいのです。

それでも、38度という気温は同時期の平均を16度上回ります。これは何が原因なのでしょうか。 それは、この地を襲う熱波で、オメガブロックと呼ばれる、偏西風の蛇行パターンが発生したからです。

普通、偏西風は西から東に流れます。しかし、北から寒気が南に降りると、その隣では南から暖気が流入することになり、暖気が断続的に流れ込みます。 オメガロックは長い時間、同じ場所に発生するため、熱波が続いてしまい、ベルホヤンスクも観測史上最高気温を記録するほど、暑い期間が続いてしまったのです。

ちなみに、この状況だと偏西風の流れが「Ω」の形になることから、この現象がオメガブロックと呼ばれています。

シベリアの永久凍土が溶けて人が住める地に

シベリアをはじめとする、ロシアの北アジア地域は、永久凍土に覆われた極寒の地です。 そこには、広大な土地が広がっているにも関わらず、非常に寒いため、ほとんど人が住めるような状態ではありません。 しかし、近年激しくなる気候変動の影響によって、この寒い地域の温度が上昇し、居住区になる可能性があると言われています。

気候変動も悪いことばかりではないかも…と思ってしまうかもしれませんが、永久凍土が溶けてしまうことで、発生するデメリットも少なくはありません。 例えば、ロシアのある地域では、永久凍土が融解することは考慮されずに作られた建造物も多く、もし気温が上昇してしまったら、建物が倒壊する恐れがあります。

他にも、永久凍土の中には、二酸化炭素やメタンなどの温室ガスが含まれているかもしれない、未知のウイルスが封印されている、などの恐れがあるのです。 気候変動が激しくなり、永久凍土が融解してしまったら、新たな環境問題が発生するかもしれませんね。

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シベリアの気温が上がらないためには

気候変動の影響で、異常が見られる地域は、シベリアだけではありません。 多くの地域で気候変動から、気温の変化以外にも、土地に異常が見られる、ということもあります。

つまり、気候変動によって、人が住みにくい場所が増えてしまうことも考えられるのです。 気候変動を私たちの力で改善することは非常に難しいことです。それでも、ゴミを出さないよう努力する、エネルギーを節約することで環境への負担を抑えることはできるはずです。

リユースを心がける、電気を付けたままにしないなど、小さいことから心がけてみましょう。

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