ヘチマたわしを作ろう!エコな植物ヘチマの魅力
名前は知っていても、あまり馴染みのないヘチマ。 普通に生活していれば話題にもならないヘチマですが、実は大変エコな植物なのです。 ヘチマは食用としてはもちろん、化粧水としても使われるなど、様々な場面で活用されます。
中でも有名なのは、ヘチマがたわしとして利用できることです。 ヘチマたわしはどのようにして作られるのでしょうか。 ヘチマたわし以外にも、ヘチマの魅力をご紹介します。
目次
たわしになる植物!ヘチマとは
ヘチマ(糸瓜)はインド原産のウリ科の植物です。 室町時代に中国から渡来し、古くから身近で栽培でき、暮らしに活かせる植物として利用されてきました。
名前の由来は、もともと糸瓜(いとうり)と呼ばれていましたが、「とうり」と言われるようになり、それから「と」は「いろは歌」では「へ」と「ち」の間(いろはにほへとちりぬる…の「と」の前が「へ」であり、後が「ち」になります)であることから、「へち間」としてその名が広がったそうです。
キュウリを太らせたような見た目で、バネのような巻きひげが、支柱に絡みつく特徴があります。 食用としても利用され、日本では南九州や沖縄などで食べられます。 役に立たないもののことを「ヘチマの皮」であると言うことから、ヘチマは役に立たないと思われがちですが、それは誤用であり、大変役立つ植物です。
ヘチマがたわしに使われる理由
実は有能であるヘチマですが、なぜたわしとして使われるのでしょうか。 それはヘチマの内部の繊維に特徴があります。
ヘチマを近くで見ると、その繊維の絡み方が複雑であることがわかります。 また繊維の一本一本が先細りになっているため、たわしや垢すりとしても使えるのです。
乾いたままでは硬いのですが、水につけると繊維がしっかりと水を吸収して柔らかくなるため、体を洗うにも適しているでしょう。 そのため、食用としてだけではなく、たわしとして使える植物として、人々に利用されてきました。
ヘチマたわしの作り方~水に浸ける編~
そんなヘチマたわしですが、一般家庭でも作ることが可能です。 それでは、どのようにヘチマたわしは作られるのでしょうか。 まずは水に浸けて作る方法をご紹介します。
ヘチマを水につける
まずはタライやバケツなど、ヘチマ全体を沈められる容器に水を張ります。 水に沈める前に、ヘチマの両端に穴をあけておきましょう。 そうすることで水が浸透しやすくなります。
石などの重りをつけて、しっかりとヘチマを沈めましょう。 もしくは、沈めた後に板などで蓋をして、その上に重りを乗せましょう。
腐敗部分を洗う
毎日、水を入れ替えて、腐った部分を洗い流します。 十分に腐ったらきれいに洗い流し、種を取り除きます。 ヘチマの腐敗臭は、かなり強烈なので作業前にゴム手袋を用意すると良いでしょう。
日陰で乾燥させる
洗い流したら、風通しの良い日陰で乾燥させましょう。 直射日光にあててしまうと、黄色くなってしまうので、注意が必要です。
ヘチマたわしの作り方~鍋で煮る編~
ヘチマを水に浸ける方法では、臭いが気になってしまうのであれば、鍋で作る方法もあります。
ヘチマを切る
まずは、ヘチマを鍋に入れられるサイズに切ります。 使いやすいサイズがどれくらいなのかも考えて切ると良いでしょう。
ヘチマを煮る
鍋に切ったヘチマと水を入れて沸騰をさせます。 水の量は、ヘチマがしっかり水に浸かるようにしましょう。
茹でるとヘチマが浮いてくるため、箸で沈めるか、落し蓋をします。 30分ほど煮たら、鍋から出しましょう。
皮をむく
鍋から出した後、水に浸けると皮が簡単にむけます。 種を取り出し、乾燥させれば完成です。
たわしだけじゃない!ヘチマの使い道
ヘチマはたわしだけでなく、その他にも様々な使い道があります。
例えば、ヘチマが化粧水として使われていたことが広く知られています。 ヘチマ水にはサポニン、ペクチン、タンパク質、糖分が含まれ、保湿効果もあることから、化粧水として重宝されていたのです。 他にも、薬として使われることや、夏の日差しを防ぐ緑のカーテンとして、ヘチマが使われることがあります。
また、夏に花が咲くことから、夏休みの自由研究として、子供の学習教材になるかもしれません。
ヘチマの他にも道具として使われる植物
このように、ヘチマは様々な形で活用ができます。 これはヘチマに限った話ではなく、昔から植物を道具として使うことは続けられていました。 竹を加工して箸や箒(ほうき)にする、瓢箪(ひょうたん)を容器として使う、植物の蔓をロープとして使う、などなど。
さらに、これらの道具を寿命がくるまで使い終えたとしても、植物であるため、処分することで環境に悪影響を及ぼすことはありません。 ヘチマを始め、環境に優しい道具は数多く存在するため、ぜひ活用してみてください。