珊瑚礁が絶滅の危機!原因となる白化現象や本来の役割を解説
海から珊瑚礁が失われる、という話題を耳にします。 美しい海の象徴、というイメージの珊瑚礁ですが、実際のところはどのような役割を果たしているのでしょうか。
また、珊瑚礁が失われてしまう原因はどんな理由があるのでしょうか。 珊瑚礁の役割や消失の原因をご紹介します。
絶滅が危惧される珊瑚礁とは?
珊瑚礁とは、珊瑚が集まることで作られた地形のことを言います。 そもそも珊瑚とは何なのでしょうか。
珊瑚は海の中にある植物というイメージかもしれませんが、実は刺胞動物と呼ばれる動物なのです。 珊瑚礁は、この珊瑚という動物の営みによって作られています。 正確には珊瑚とその周辺に存在する生物や栄養分が珊瑚礁を作ると言えるでしょう。
まず、珊瑚の体内に植物プランクトンである褐虫藻が共生して光合成を行います。 その養分を珊瑚が吸収し、褐虫藻から発生する酸素によって石灰質の骨格が作られます。 それが、生息場所に応じて枝状や塊、テーブルのような形となって、長い時間をかけて積み上げられます。
そして、その積み上がった石灰質が、海面近くまで高くなった地形を珊瑚礁と言うのです。 珊瑚礁は自然と生物が長い時間をかけて作った、地球の歴史を感じられる美しい地形だと言えるでしょう。
絶滅したらどうなる?珊瑚礁の役割とは
そんな珊瑚礁は、地球にとって大切な役割を果たしています。 それは、珊瑚が動物でありながら、植物のように二酸化炭素を吸収して、酸素を作り出す働きがあるからです。
また、酸素を作り出すだけでなく、ミネラルも一緒に海中へ放出します。 これが浄化作用となり、海を綺麗に保つのです。
他にも珊瑚礁の周りには多くの生物が集まり、生物多様性を支える役割となります。 さらに天然の防波堤の役割も果たすため、地球とって珊瑚礁は大切な存在だと言えるでしょう。
珊瑚礁が絶滅危機に陥った原因は白化現象
しかし、そんな珊瑚礁が失われつつあります。 原因は珊瑚が死んでしまうことです。
珊瑚はとても繊細な生き物です。 私たち人間による水質汚染や、環境問題による水温、水質の変化によって、珊瑚はストレスを感じてしまいます。 すると、珊瑚にとって必要不可欠な褐虫藻が離れてしまい、珊瑚は酸素や栄養を補給できなくなってしまうのです。
褐虫藻が珊瑚から離れると、珊瑚は色がなくなり白くなってしまいます。 これを珊瑚の白化現象と言います。 白化した珊瑚は繁殖することができず、死滅してしまうのです。
他にも、天敵と言えるオニヒトデが発生していることで、珊瑚が食害にあっていることも原因の一つです。 オニヒトデが大量発生している原因はわかっていません。 天敵と言われるホラ貝が、人間が食用として捕獲することで減少してしまったという説もありますが、定かではないようです。
珊瑚礁の絶滅を避けるには
珊瑚礁が失われてしまっては、地球にとって、人類にとっても大きな損失となります。 美しい海が失われて、そこに住む生物も失われてしまえば、人間にとって貴重な資源が失われるのと同じことだからです。
また、美しい海は観光資源にもなります。 珊瑚礁がなくなることは漁業資源や観光資源の消失となり、経済的なダメージも大きいことでしょう。
私たちは人類が存続するためにも、地球が人の住めない星になってしまわないためにも、環境への負担を減らさなくてはなりません。 機会があれば、この世界を続けるために達成すべき目標であるSDGsや、ゴミをできるだけ増やさないための3Rなど、環境に優しくなるための知識をぜひ取り入れてみてください。