月に人類は住めないの?理由となる過酷な環境5つを紹介

月に人類は住めないの?理由となる過酷な環境5つを紹介

砂漠化や海面上昇によって、そう遠くない未来、人間が居住できるスペースは地球から減少すると考えられています。 それでも人口は増加する中で「月に住めないの?」と疑問に思ったことはないでしょうか。 地球ほど大きくなくとも、月に移住できればかなりのスペースを確保できるはずが、実際にそのような計画が進んでいるようには見えません。

人類は月に住めないのか。今回はその理由をまとめてみました。

人類が月に住めない5つの理由

月に住めない理由は、環境的な問題、資源の不足、技術的な課題などが挙げられるでしょう。 今回は大きな理由を5つにまとめてご紹介します。

酸素も水もない

まず月には酸素も水もないことが、月に住めない大きな理由として挙げられます。 太古の地球では海が作られ、そこで光合成を行う生物が誕生し、酸素を作るようになりました。 しかし、海がない月では酸素が作られず、人間がそのまま生活するには難しい環境です。

また、月に酸素と水がない理由は、重力の強さも関係しています。 月の重力は地球の6分の1。そうなると、月に空気があっても重力が弱いため、とどめられず宇宙空間に放出されてしまうのです。 水も同じく、月に水蒸気が発生しても引力が弱いため、液体として残ることはありません。

ただ、月表面の土には酸化物が含まれているため、これと水素を反応させることで、酸素を発生させられる可能性はあります。 水に関しても、月の両極の表面に氷が存在していると観測されているため、将来的にはこの問題が解決することもあるかもしれません。

大気がない

地球は大気に覆われているため、人間の呼吸を可能にしていますが、他にも大きな役割があります。 宇宙は生物に有害な放射線で溢れていますが、地球は大気によって守られているため、その影響を受けずに済んでいるのです。 大気がない月に住んだ場合、放射線がそのまま降り注ぐことから、人間は健康ではいられないでしょう。

他にも、大気は飛来する隕石から地球を守る役割もあります。 隕石は地球に近づいても、大気圏に入ると摩擦による熱で燃え尽きてしまうことがほとんどです。

しかし、大気のない月には隕石がどんどん落ちてくるため、とても落ち着いて人が住める環境ではないでしょう。 実際、1961年から1972年にかけて行われたアメリカのアポロ計画で設置された月震計のデータによると、月に衝突した隕石の数は7年間で1,743個。

さらに、アポロの月震計は表面の一部に集中して設置されているため、月面全体に落ちる隕石の数はこれをはるかに超えると考えられます。 いつ隕石が降ってくるか分からない生活なんて、考えるだけでもぞっとしますね。

昼と夜の温度差が凄い

月は昼と夜では、凄まじい温度差があるため、人間が住める環境とは言えません。 その差は、昼が110℃で夜は-170℃と考えられないレベルです。

なぜ、これだけの温度差があるのか。実はこれも大気が関係しています。 大気は熱い太陽の光を和らげ、温まった地表の熱を逃がさないという役割もあるため、地球の温度を調整しているのです。

また、月の1日の長さは1ヵ月となり、15日は昼で残りの15日は夜となります。 2週間は猛暑(というレベルをはるかに上回りますが)に見舞われ、次の2週間は極寒の日々になるとは……想像の範囲を超えた環境と言えるかもしれません。

建物とエネルギーの問題

それでも月に住むとして、酸素も水もない環境を補い、放射線や隕石、さらには温度差から人々を守る建造物をつくることは可能でしょうか。 現在の技術ではかなり困難だと考えられるはずです。

また、夜の間は太陽光がないため、エネルギーの確保も難しくなってしまいます。 月における安定的なエネルギー確保は、さらなる技術の向上が必要でしょう。

莫大なコストが必要

これらの問題をある程度解決できるほど技術力があったとして、いざ実践しようにも今度はコストの壁にぶち当たるはずです。 月に住める環境を作るにも、多くの資源が必要となります。 しかし、月にはほとんど資源がありません。

そのため、地球から資源を運ぶ必要性があり、さらには酸素や水も持ってくる必要が出てくるでしょう。 現在の技術では、ロケットの打ち上げ費用は1回あたり、数十億から100億円と言われています。

さらに、月という過酷な環境に建造物を作るとしたら、特殊な資材や技術も必要となるはず。 インフラも整備するとなったら、費用がいくらあっても足りません。

今後、人間の科学力が大きく発展しない限り、人類が地球と同じように月で快適に住む環境は、実現が難しいようですね。

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逆に月がなかったら地球に住めなくなる?

月に住むことはかなり難しいようですが、逆に月がなかった場合にどうなるかご存じでしょうか。

実は月がなくなると、地球に住めなくなるほど、大変なことが起こってしまいます。 まず月の引力は地球の自転を抑える役割があります。しかし、月がなくなれば自転のスピードが速くなり、1日の長さは24時間から6時間程度になってしまいます。 自転のスピードだけでなく、地軸も変化するため、地球の気候は一変。多くの生物に影響を及ぼします。

また、海水は月の引力によって潮の満ち引きを起こしていますが、月がなくなれば、そのバランスは崩壊。 水害による被害が急増するかもしれません。

他にも、月の引力は隕石を引き寄せ、地球に衝突することを防いでくれていますが、それも失われてしまうなど、とんでもない環境になってしまうと考えられるのでしょう。 そう考えると、奇跡的な絶妙なバランスで成り立つ地球の環境に感謝するばかりですね。

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月に移住する必要がないように

月に移住が難しいと分かると、今まで以上に地球を大切にしたいという気持ちが強くなる人がほとんどではないでしょうか。 しかし、地球の環境は人間の活動が原因となる、さまざまな汚染が見られます。

そんな状況に対し、私たちはどんなことができるのでしょうか。 まずは環境問題のためにできることがないか、意識してみてください。 他にも、できるだけ多くの人に貴方の取り組みや考えを広めることも大切です。

多くの人が意識することで、いいアクションが広がり、環境問題が改善されるかもしれません。 小さなことでも、ぜひチャレンジしてみましょう。

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