宮古島のオーバーツーリズムが深刻!観光客増加の対策は

宮古島のオーバーツーリズムが深刻!観光客増加の対策は

美しい自然を満喫するため、旅行に出かける人も少なくないはず。 しかし、旅行者の増加によって観光地の自然が損なわれてしまう、オーバーツーリズムが世界中で問題になっています。 そして、沖縄県の宮古島もオーバーツーリズムが問題になっている地域の1つです。 今回は宮古島のオーバーツーリズム問題をご紹介します。

宮古島のオーバーツーリズム問題が深刻

宮古島は、沖縄県宮古島市にある宮古島列島の島の1つで、観光地として広く知られています。 年間を通して温暖な気候に恵まれ、青い海をはじめとする宮古島の自然は、見るものを圧倒するほどの美しさで、日本を代表する観光地の1つと言って間違いないでしょう。

特に、島の北側の海域は「八重干瀬(やびじ)」と呼ばれるダイビングスポットで、宮古島の面積の約10分の1に及ぶ、日本最大級のサンゴ礁が有名です。 他にも、ミヤコカナヘビやミヤコサワガニといった固有生物の生息が確認されるなど、豊富な自然が伺える地域となっています。

そんな宮古島ですが、国内主要4空港から直行便が運航されたこと、海外から大型クルーズ船が入港したことをきっかけに、2015年あたりから観光客が急増。 島のキャパシティを超える観光客の増加によって、多くの問題が頻発するようになりました。 過度な観光地化による、地域住民の生活環境や観光体験に対する悪影響を「オーバーツーリズム」といいますが、宮古島もまさにその状態に陥ってしまったのです。

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宮古島のオーバーツーリズムの事例

それでは、宮古島ではどのようなオーバーツーリズムが問題になっているのでしょうか。その実例をご紹介します。

ごみ問題

観光客の増加に伴い、宮古島ではごみ問題の悪化が見られています。 海岸に漂着するごみだけでなく、ポイ捨てや不法投棄の深刻化など。 ごみの種類はペットボトルからプラスチック製の破片などさまざまで、これらが自然環境に悪影響をもたらしています。

ごみによって美しい景観が損なわれるだけでなく、海洋生物が餌と間違えて食べてしまったり、体に巻き付いて死んでしまったり、生態系を破壊する要因になるほか、火薬類やガラスの破片など危険物が観光客のケガにつながるケースも。 ごみの削減や持ち帰りを徹底するなど、観光の際は自然に対する配慮を心がけなければなりません。

自然環境の破壊

ごみのほかにも、宮古島の自然環境に悪影響を及ぼすケースがあります。 例えば、動植物に触れてしまう、採ってしまうなどの行為で宮古島の固有種を傷付けてしまうケースなどです。 中には観光客がダイビング中に、宮古島の象徴とも言えるサンゴに触れてしまい、傷付けてしまうケースもあり、注意が呼びかけられています。

他にも、環境に悪い日焼け止めや化粧品を利用した状態で海に入ってしまう、海鳥の営巣場所を荒らしてしまうなどの行為も問題です。 宮古島の自然環境を破壊しないよう、動植物と不用意に接触することは避けなければなりません。

交通混雑や事故の増加

市民生活の影響としては、レンタカー増加による交通混雑や事故の発生などが挙げられます。 特に交通事故は深刻な問題で、短期間で連続して発生することもあり、市や警察署が非常事態を宣言することも。 また、水難事故の発生も多く、ライフジャケットの着用や飲酒遊泳を避けるよう、注意が促されています。

マナーを違反した立ち入り

オーバーツーリズムでは、現地に住む人の生活空間に観光客が無断で立ち入ってしまうケースがありますが、宮古島でも問題になっています。 宮古島では神聖な場所として大切にされているエリアが多々存在し、それらは立ち入りが禁じられている ことがほとんどです。 しかし、そんな場所に無断で立ち入ってしまう観光客も。

他にも、管理されていないビーチや安全ではない絶景スポットなどに立ち入るなど、危険な行為も見られます。 文化の保存や安全のためにも、節度ある行動を心掛けなければなりません。

水不足

宮古島では観光客の増加によって、水需要も増加すると考えられ、水不足が懸念される状況です。 生活用水だけでなく、農業用水や開発によって水需要は高まると予想され、持続可能性の追及が必要とされています。 これには、節水を意識したリゾート開発、財政支援の必要性が指摘され、行政者事業者など関係者全員による対策が求められています。

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宮古島のオーバーツーリズム対策

このような状況に対し、宮古島環境協会は、観光戦略委員会を立ち上げ、観光の在り方について議論を交わしました。 また、観光客向けのガイドラインの整備、質の高い観光体験を提供することに重点を置いた、環境保護の取り組みも進めています。

これにより、2023年には「宮古島サスティナブルツーリズムガイドライン」を発表。 「島も守る」をテーマにポスターや冊子、Webサイトを通して、その内容が発信されました 。 ガイドラインでは、宮古島の現状やサスティナブルツーリズム(持続可能な観光)の重要性、守るべきマナーや注意点が紹介されています。

宮古島の美しい自然や文化、豊富な生物多様性は、自然の営みによって作られてきた、人類にとって宝の1つです。 宮古島に訪れる際は、それらに悪影響を及ぼすことがないよう、事前にガイドラインの内容を把握しておきましょう。

参考:宮古島観光協会公式情報サイト 島を守る

オーバーツーリズムを起こさないために

宮古島のようにオーバーツーリズムに悩まされる観光地は、世界各地に存在します。 このような問題を引き起こさないために、私たちができることは、まずマナーを守ることが挙げられるでしょう。

しかし、普段から環境問題による影響や自然の重要性を意識していれば、オーバーツーリズムにつながる行為は、控えようと意識できるはずです。 宮古島の現状を初めて知ったという方は、まず地球で何が起こっているのか知り、簡単なことからでもいいので、環境問題のためにできることを意識してみましょう。

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