コーヒーかすの廃棄が環境問題に?地球に優しい再利用方法は
世界で多くの人々に愛されるコーヒー飲料。私たちに安らぎを与えてくれる一方で、抽出後に大量発生するコーヒーかすが環境問題を引き起こしていることをご存じでしょうか。
今回は、コーヒーかすが環境問題につながる3つの原因と、コーヒーかすを再利用するための研究についてご紹介。私たちが気軽にできる身近な再利用方法も解説していますのでぜひ参考にしてください。
目次
コーヒーかすが環境問題に?温室効果ガスを排出か
世界では年間約9,000億杯ものコーヒーが消費され、年間1,000万トン以上のコーヒーかすが発生すると言われています。そしてその多くが産業廃棄物として処分され、廃棄過程でさまざまな環境問題を引き起こしています。まずは、コーヒーかすが環境問題につながる3つの原因をご紹介します。
埋め立て処分によるメタンガスの発生
世界ではコーヒーかすの大部分が埋め立て処分されており、埋め立て後のコーヒーかすから発生する大量のメタンガスが環境に大きな負荷を与えています。コーヒーかすには多くの油分が含まれており、分解時にはそれをエネルギーとするメタン生成菌が活発化します。その結果、通常の生ゴミに比べてかなり多くのメタンガスが発生してしまうのです。
温室効果ガスとして有名なメタンガスは、二酸化炭素(同量)の25倍もの温室効果があり、気候変動(地球温暖化)を加速させる主な原因となっています。
焼却時の二酸化炭素発生
コーヒーかすを焼却処分する際には、二酸化炭素が発生します。特に抽出後のコーヒーかすは水分を多く含むため、焼却時に多くのエネルギーを必要とし、その過程で二酸化炭素の発生量が増大します。
二酸化炭素は温室効果ガスのなかで最も大きな割合を占めており、地球温暖化への影響が最も大きいガスとして問題視されています。
水質汚染
生ごみ(可燃ごみ)として処分すべきコーヒーかすを排水溝に廃棄すると、下水処理場で処理しきれないカフェインが河川や海に流出し、水質汚染を引き起こします。自然界で分解されにくいカフェインによる水質汚染は世界各国で問題となっており、汚染水域での水生植物や昆虫、海洋生物への影響が懸念されています。
コーヒーかすを再利用する研究
日本を含む世界では、コーヒーかすを付加価値の高い資源として再利用するためにさまざまな研究が行われています。その代表的な取り組み例を3つご紹介します。
繊維
東北大学や横浜国立大学の研究チームは、特殊な技術を用いることでコーヒーに含まれるセルロースから微細な繊維(セルロースナノファイバー)を生成することに成功しました。セルロースナノファイバーは、軽くて丈夫なうえに熱に強く、ガスバリア性が高いなどの特徴を持ち、次世代の高機能素材として幅広い分野(自動車部品・家電・建材・化粧品・食品など)での活用が期待されています。
参考: 東北大学 キャビテーションでコーヒーかすを資源に変えることに成功
参考: 横浜国立大学 コーヒー粕からセルロースナノファイバーを取り出すことに成功
コンクリート
オーストラリアのRMIT大学(ロイヤルメルボルン工科大学)の研究チームは、コーヒーかすをコンクリートの改良材として再利用する研究を発表しました。
この研究では、適切に熱分解(無酸素状態・約350℃)したコーヒーかすをコンクリートの基本成分である砂の一部と置き換えることで、コンクリート強度を30%高めることに成功。廃棄物(コーヒーかす)の削減だけでなく、コンクリートに使われる天然資源(天然砂)の保護や砂の採取にともなう生態系破壊の防止策としても注目されています。
2024年9月にはコーヒーかす5t分を使ったコンクリートを歩道の公共工事に利用するなど、実用化が進んでいます。
参考: RMIT University Coffee offers performance boost for concrete
燃料
近畿大学は2016年、神戸市やスターバックス コーヒー ジャパン(株)と共同で、コーヒーかすなどの廃棄物をバイオコークス(バイオリサイクル燃料)化し、再生可能エネルギーとして循環利用するための実証実験を行いました。
この実験では、神戸市内のスターバックス店舗から出る廃棄物(コーヒーかす・カップなど)や市内の剪定枝などの植物性廃棄物を原料に、次世代型固形燃料「バイオコークス」を製造。最適な資源収集と運搬システム、バイオコークス製造における課題や今後の活用先などが検討されました。
近畿大学はその後もさまざまな企業と連携し、バイオコークスを活用する取り組み(バイオコークスで焙煎したコーヒーの商品化・キャンプ体験イベントの開催など)にチャレンジしています。
参考:近畿大学 神戸市、スターバックス、近畿大学が産官学連携で実証実験を開始
身近なコーヒーかすの再利用方法
コーヒーかすは、私たちの生活のなかでもさまざまな方法で再利用できます。
- 消臭・脱臭剤
- 除草剤
- 虫よけ・猫よけ
- 洗剤
- 植物の肥料・堆肥
このように、驚くほど多くの場面で活躍します。使用済みのコーヒーかすはカビが発生しないよう、天日干しや電子レンジを使って乾燥させてから利用しましょう。コーヒーかすを袋に入れて置くだけで消臭・脱臭ができ、その効果は活性炭の数倍と言われています。
除草剤や虫よけ・猫よけとして利用する場合は、気になる場所にコーヒーかすを撒くだけでOK。フライパンや鍋を洗うときにコーヒーかすを活用すれば、油汚れを取り除きにおい消しができます。
植物の肥料・堆肥として利用する場合は、腐葉土と混ぜて発酵させてから使いましょう。土壌の通気性がよくなり、植物の成長を促す効果があります。
持続可能な生活を心掛ける
世界の大学や研究機関では、持続可能な社会を実現するためにさまざまな研究が行われています。しかしその一方で、今回ご紹介したコーヒーかすの身近な再利用方法のように、私たち1人1人が持続可能な生活を心掛けることも大切です。
例えば以下のように、私たちが環境のためにできることはたくさんあります。
- ごみを正しく分別する
- 不用品をリユース・リサイクルする
- モノを大切に長く使う
- 食品ロスを減らす
- プラスチック製品は避ける
- 電気をこまめに消す
環境問題は地球に住むすべての人々が取り組むべき課題です。これを機に、環境に悪い習慣・行動を見直して持続可能な社会を実現していきましょう!
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