コアラが絶滅する?温暖化や山火事が原因か【絶滅動物シリーズ】
世界には数多くの動物が存在し、それはポピュラーなものから、あまり名前を聞いたことがないものまで様々です。 その中でも、コアラは人間にとってはポピュラーな動物に入るのではないでしょうか。
しかし、そんなコアラが絶滅してしまうかもしれない、と話題になっています。 コアラに何が起こっているのでしょうか。
コアラとは
今さら説明は不要かもしれませんが、コアラについて簡単に説明します。 コアラとは、哺乳綱双前歯目コアラ科コアラ属に分類される有袋類です。
日本語では別名があり、コモリグマ(子守熊)、フクログマ(袋熊)と呼ばれています。 主にオーストラリアの東部に生息し、熱帯雨林や温帯のユーカリ林などに生息しています。 コアラの背中は灰色ですがお腹は白色で、体長は約65~82センチほどあります。 小さな体で木にしがみつき、眠たそうな顔をしているコアラはとても愛らしく、大変人気がある動物です。
コアラの生息地と言えば、オーストラリアがまず思い浮かぶことでしょう。 オーストラリアにはたくさんコアラがいる、というイメージですが、実はその個体数を減らしつつあるのです。 なぜ、コアラは個体数を減少させてしまっているのでしょうか。
コアラが絶滅の恐れ
オーストラリアで幅広く生息しているコアラですが、一部の地域で急速に減少が見られています。 ニューサウスウェールズ州やクイーンズランド州では、特にその傾向が強く、クイーンズランド州のマッカイとトゥーンバと言われる地域では、コアラの個体数が80%も減少したと言われています。
この事態を受けて、ニューサウスウェールズ州は2018年の5月に4500万豪ドル(約37億円)を投じると発表しました。 これにより、ニューサウスウェールズ州の北東部にある州営林を保護区に指定し、コアラを治療するための病院や観光センターを新設する予定です。 ニューサウスウェールズ州では、ここ20年間でコアラの個体数が約26%減少していることが確認されているため、このような対策により生息数を増やすことを目指しています。
オーストラリアの象徴とも言える動物の個体数減少に、オーストラリア政府も焦りを感じているようです。 そもそも、コアラが減少する原因はどのようなところにあるのでしょうか。
参考:AJWCEF “悲劇の展開”: オーストラリアの弱い(絶滅危急種の)コアラ個体群が絶滅と闘う
コアラ減少の原因は環境問題?
コアラの減少はいくつかの環境問題が関係しています。 その環境問題の中で、まず挙げられるのは地球温暖化です。
コアラはユーカリの葉を好んで食べます。 このユーカリは、温暖化により二酸化炭素の濃度が濃くなってしまうと、非栄養素や毒素などの物質が増えてしまいます。 そのため、コアラはユーカリから十分に栄養と摂取することができず、その個体数を減少させる結果となっているのです。
次に、宅地造成や鉱山開発のための森林伐採も、原因として挙げられます。 木が切られてしまうことで、コアラの住む地域が減ってしまうのです。
他にも、交通事故など突発的な出来事で命を落とすコアラも少なくないようです。 このまま環境問題が悪化してしまえば、多くの人から愛されるコアラですらも絶滅してしまう恐れがあります。
オーストラリアの山火事がコアラを襲う
コアラは環境問題によって、減少傾向にありますが、さらに追い打ちをかけるような事態が起こりました。 それは、2019年の9月から続いた大規模な山火事です。
この山火事は、日本国土の3割に近い面積を焼失させるほどのもので、多くの動物も犠牲になりました。 火災が深刻だった、ニューサウスウェールズ州だけでも、5憶匹に近い動物が犠牲になったと推計され、コアラも2万5000頭ほど命を落としたと考えられています。 炎の中、木にしがみついて泣き叫ぶコアラの姿を記録した動画も、世界中で話題になり、コアラの絶滅がさらに懸念される状況となったのです。
この山火事は、2020年の1月に入っても、鎮火する様子はなく、コアラを含む野生動物のさらなる影響が懸念されています。 山火事のような自然現象も、種の存続を脅かすこともあるため、人間による環境への影響は最小限に食い止める必要があるでしょう。
オーストラリアの山火事でコアラも大惨事!原因は何だったのか
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種の絶滅が止まらない!
今現在も世界中で多くの動物が絶滅に瀕しています。
生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)の報告によると、約100万種類の動植物が人間の手によって絶滅の危機に晒されているそうです。
人間は快適を求めて多くの自然を歪め、多くの動物を犠牲にしてしまいます。
ちょっとしたエコを心がけるだけでも、その犠牲を少なくできるかもしれません。
電気をマメに消す、食べ物を無駄にしない、といった身近なことからでも、ぜひ意識してみてください。