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【第10回 裏トピア】最終決着!利益重視主義は環境問題を悪化させる?

【第10回 裏トピア】最終決着!利益重視主義は環境問題を悪化させる?

こんにちは。
フランシス硝子です。

皆さんは仕事をするにあたって何を優先していますか? 利益を優先することは当然かもしれませんが、それを優先し過ぎるあまり大切なことを忘れてしまう、なんてこともあるはずです。
今回は「世の中、もっとスローライフなら良いのに」というお話です。

ついに決着のとき!

登場人物

フランシス硝子:世の中の進歩についていけないライター。最近の悩みは、仕事では誰もが目標だとか利益だとか言って張り切っているのにうんざりしているが、組織に属している限りそれらからは逃れられない、と思うと震えが止まらないこと。

Tディレクター:エコトピア編集部のディレクター。前回、謎の覚醒によって調子に乗ったせいで怒られた。

偽Tディレクター:Tディレクターの意識が形となって現実世界に飛び出した姿。前回、Tディレクターの逆襲にあって割と追い込まれている。

エコトピア編集部 オフィス

前回までのあらすじ。
第6回から続く、偽Tディレクターの話がこれだけ長くなると思っていなかったが、長引いてしまったので、そろそろ締めたいところ。とにかく、Tディレクターの逆襲が始まろうとしていた。詳しくは前回の裏トピアを参照。

さて、約束通り今回で貴様の出番を終わりにしてやろう。

そ、そんなバカな。

(しかし、なぜだ)

(この男のエコトピアへの情熱も知識も、全部僕が吸い上げたはずなのに)

(どうして僕よりも知識があるんだ!)

それじゃあ、問題だぁーーー!

………
……

ナレーション:それから、二人はすさまじい攻防を繰り広げた。しかし、偽Tディレクターが次第に疲弊しているのは明らかだった。

偽Tディレクターは考える。Tディレクターから繰り出される問題の難易度が、わずかに上がってしまえば、もしくは自分の集中力がわずかにでも下がれば、不正解を出してしまうだろう、と。

彼は焦っていた。いや、追い込まれていた。
吸収されたくない、と彼は必死に食らいついたが、知識の差は圧倒的だったのである。

なぜ、たった数日でTディレクターは自分を上回る知識を得たのか。そんな疑問の答えを出す余裕はもちろんなかった。 そして、ついにそのときがきたのであった。


……
………

えーっと、えーっと……

その答えは「男らしさと優しさは、同時に存在し得ることはないから」だ!!

………

………ゴクリッ

………不正解!!

な、なにぃぃぃぃぃーー!

ぼ、僕が負けた……?

こ、この男に…?

ブゥーーーン

わ、なんだ? まさか、吸収される!?

どうやら、自分の負けを認めてしまったことで、吸収されることを受け入れてしまったようですね。

ち、ちがう! 僕はまだ負けてなんか!

何を言うか! 僕は全問正解。お前は不正解を出したじゃないか!

そ、それは……。

ブゥーーーン

く、くそう! 吸収される!

しかし、なぜだ!

あれだけへっぽこだったお前が、いつあれほどの知識を!

ふふっ

愚かなり、偽物!

Tさんの変化に気付かぬか!

へ、変化?

そう、いつもと違うところがあるでしょう。

……?

わからないなら、拡大してみましょうか。

いつものTさんはこれ。

いつものTさん。

で、今回のTさんがこれ。

今回のTさん。

……??

まだわかりませんか? 耳の部分をよく見てください。

耳の辺りに注目。

ん?

み、耳に何かついている!? こ、これは!

そう、Tさんの耳にはワイヤレスのイヤホンが付いていたのですよ!

Tさんはそのイヤホンを使って、問題の回答も出題も、別の人間から指示を受けていたのです!

つまり、第4回で出てきたワイヤレスイヤホンの伏線をここで回収したわけです!

(伏線っていうか、設定の使いまわしじゃないかな……)

と、いうことは…問題に答えていたのも、問題を出していたのも

Tさんではなく、この私だったのだ!

な、なにぃぃぃーーー!?
ひ、卑怯なぁーーーー!

ふん、Tさんに勝てもしない勝負を仕掛け、追放しようとした貴様が何を言う!

それにしても、この僕を上回る知識を持っているなんて…フランシス硝子、恐るべし。

はっ!

いくら貴方がTさんの知識をすべて吸い取った存在であったとしても、所詮はTさんです。

Tさんでしかない貴方が、この私に勝てるわけがないじゃないですか。

(くっ、なんて嫌な女なんだ)

(くっ、なんて嫌な女なんだ)

ブゥーーーン

おや? さらに融合が進みましたね。

もしかしたら、二人が同時に同じことを考えたことで同調したために、融合が進んだのかもしれませんね。

何を考えたかはわかりませんが。

(お前のことだよ、お前!)

(お前のことだよ、お前!)

ブゥーーーン

あぁぁ、もうダメかも!

利益を重視し過ぎは注意

なぜ、僕が吸収されなければいけないんだ。

僕の方が頭は良いし、仕事だってできる!

進めている新プロジェクトだって、画期的なビジネスを生み出すはずなのに!

それなのに、どうして、こんなやつに……。

絶対、僕の方が素晴らしい結果を残せるはずなのに!

それは違う。間違っている。

ここに来る途中、僕は編集部のIくんに会ったんだ。

彼はかなり疲弊していた様子だった。

なんでも君が提案した企画を実現するために、

ほぼ休みなしで朝は6時に出社、夜は23時退社という生活を繰り返していたそうじゃないか。

そのせいで、健康診断の結果は最悪。

特に肝臓の数値が酷かったらしいし、

学生時代から付き合っている彼女とは、仕事ばかりで相手にしなかったせいで、危うく別れる寸前だったらしいじゃないか。

聞くところによると、他のメンバーも同じような状況だったとか…。

君は大そう楽しく仕事をしていたかもしれないけど、

周りへの配慮を忘れて、行き過ぎた行動を取ると、誰かにシワ寄せがくるものなんだ。

そう、その通り。

Tさん、ここからは私の番です。ズイッ

う、うん。

(あぶねぇ、前回怒られたの忘れてた……)

産業革命以来、私たち人類の技術は急激な加速度で向上しています。

確かにそれにより、多くのものが便利になり、娯楽も増え、良い世の中になったかもしれません。

しかし、その裏では様々な環境問題が発生しています。

中には利益を重視したことで大変な問題を生むケースもあります。

例えば、こんな感じに。

身近なところで言えば、恵方巻の廃棄問題や、アパレル業界の在庫問題が挙げられるでしょう。

これらは利益を重視して、突き進んだために、様々な問題を巻き起こしています。

利益を出すためには、地球の資源を削り、多くの廃棄物が発生します。

限度を超えてしまえば、多くの犠牲が出ることは自明。

エコトピアは、このような問題に対し警鐘を鳴らすべき存在でなければなりません。

そんなことを忘れてしまった貴方に、エコトピアのディレクターを名乗る資格はない!

………

………

その通りだ。

僕はエコトピアを大きくする気持ちばかりで、本質を忘れていたよ。

僕の姿勢は全くと言って良いほど、エコではなかった。

このまま突き進んでいれば、危うく地球そのものを破壊してしまったかもしれない。

(そんなわけないだろ)

二人とも止めてくれて、ありがとう。

僕は地球のためにTディレクターの中へ戻っていくよ。

さよなら、さよなら!

ブゥーーーン

………

さらばだ、偽Tディレクター。

その姿形は消えてしまったが、君が持っていた情熱を僕は決して忘れないよ。

終わりましたか。

うん、終わった。

これでエコトピアも地球も救われましたね。

そんな大きい話ではなかったけど、そういうことにしておこうか。

それにしても、最後は変に抵抗もせず、あっけなく終わったね。

そうですね。偽Tディレクターが登場してからの一連の流れは、しつこく続きましたし、

色々な人も飽き飽きしていたでしょうし、これくらいさっぱりで良いと思います。

そして、一番の理由は何よりも……

私(作者)が飽きたからでしょう。

硝子ちゃん、納得の理由だけに何も言いうことがないよ。

環境のためにもスローライフを

まだ、さっきの件で話し足りない部分があるのですが。

さっきの件がどれを指すかはわからないけど、色々片付いたわけだし、好きなように話して良いよ。

利益を重視する人間についてです。

利益重視の考えが環境に影響するかどうかは別として、

(そこを別にして話されるのは迷惑なんだけど……)

たまに見かける「自分仕事大好きですからオーラ出すマン」ですが、私はどうかと思うのですよ。

ん? つまりどんな人?

自己啓発本やらビジネス本やらを読んで、リーダーとは何かとか、経済とは何かとか、

自分が世の中回しちゃっている気になって、周りのリアクションも考えずにベラベラと好き放題喋る人種です。

(周りのリアクションも考えずにベラベラと好き放題喋る人種って、アニメについて喋っているときの硝子ちゃんのことだよな?)

好きなことを話すのは良いとしても、仕事中以外で働くことについて話されても、誰も楽しくないっつーの。

あと仕事中にもとにかく「売り上げが~」とか何とか言いながら、数字数字ってうるさいんですよね。

計算機とか無駄に叩くし。

あと無駄に横文字使いたがるのも、どうにかなりませんかね。

アジェンダとかコンセンサスとか、その辺って日本語で言った方が短いし、伝わりやすいじゃないですか。

どこで覚えてきたのかは知りませんが「できる感」を出したいために周りを混乱させるのはやめてほしいですね。

何て言うか、仕事するって、大変ですよね…ハァー

(……この子、本業の方が上手く行ってないんだな)

だからですね、私はしばらく休みたいと思うのですよ。

ん? どういうこと?

ここで必死に悪態をつくのも疲れてきました。

え、それってもしかして

さっき、飽きたって言ってたのは

偽TDの話だけじゃなくて、裏トピアのことを言ってたの!?

はい、Tさん。私は環境に負担をかけないスローライフを送るために、田舎にでも引っ込みます。

えええ、突然だね。突然過ぎるよ。

まだまだエコトピアのアクセス数も伸ばしてもらわないと困るし、

やってもらうことは山ほどあるのに!

………どうやら、そうも言ってられないみたいです。スゥ―

あれ? 硝子ちゃんの体が薄くなっていく?

もう時間のようですね。

ど、どうしたんだい?

私は、もともと環境の神の力によって、無理やりこの世界に存在していた。

いわば幻のようなもの。しかし、今回の戦いによる、エネルギーの使い過ぎで

どうやらこの姿を保てなくなったようです。

(そんな設定あったっけ…?)

(それに、さっき田舎がどうとかって…)

これから私はエコトピアの一部となり、Tさんの仕事っぷりを見守ります。

さようなら。さらようなら!

そ、そんな…待ってよ!

硝子ちゃーーーーん!

………

………硝子ちゃん。グスンッ

………

………

それで、Tさん。次回の裏トピアなんですが、

あ、普通に出てくるんだ。

END

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