水上都市の計画に国連も注目!海面上昇や人口増加の問題を解決か
人類にとって居住の問題は、かなり重要であり、解決すべきことです。 人口増加や砂漠化は、人の居住を減少させ、地球温暖化による海面上昇も多くの都市を消滅させる恐れがあります。
そんな中、国連も注目する、水上都市により海面で生活するという計画があり、これらの問題を解決するかもしれない、と話題になっています。 水上都市の計画とは、どのようなものなのでしょうか。
水上都市に国連も注目!海面上昇や人口増加も解決?
今の人類は人口増加や海面上昇により、多くの人の生活の場所が危ぶまれています。 特に海沿いの都市にとって、海面上昇は驚異的な環境問題であり、観光地として知られるハワイのワイキキやマーシャル諸島もこの危機に晒されています。
そんな問題について、様々な議論が行われる中、都市化や居住区の問題を取り扱う国際連合人間居住計画(UN-Habitat)で、「水上都市」の計画が言及されました。 水上都市の計画の中でも、特に際立ったのはオーシャニクス社(Oceanix)によるアイディアでした。 オーシャニクス社はフランス領ポリネシアで観光大臣を務めた、マーク・コリンズ氏(Mark Collins Chen)が創始者であり、1万人が住む都市を海上に構築する、というアイディアを発表したのです。
また、マーク・コリンズ氏は、この計画が洪水や地震、津波の被害を防止できるものであると語りました。 オーシャニクス社による水上都市の計画とは、どのようなものなのでしょうか。
水上都市は持続可能性を追求したコミュニティ
提供:OCEANIX / BIG-Bjarke Ingels Groupオーシャニクス社の水上都市は、海上に人口の島を浮かべ、それを近くに複数配置することで都市を形成する、というものでした。 島同士を橋でつなげるだけではなく、移動手段には水上タクシーや空を飛ぶタクシーも考えられているようです。 その島の上では穀物や野菜の栽培、水は海水を淡水にすることで確保し、まさに持続可能な暮らしの実現が期待できる計画なのです。
これが実現するのであれば、人口増加や海面上昇による都市消滅の問題も解決するかもしれません。 しかし、実現を阻む問題点もまだまだあります。 排出されるゴミの処理、海上の島では生産できないものの調達など、現実的に困難な点もあり、提案者たちは様々な事情を現実的に検討していく必要があると語っているそうです。
そして、この計画を実現するため、まずはニューヨークのイーストリバーにプロトタイプの島を浮かべることを目指すのだとか。 この構想が実現すれば、それはとても美しい島を想像してしまいますね。
水上都市で利用される?水上タクシー実現か
オーシャニクス社による水上都市の話は、少しSF映画に出てくるような、遠い未来のような話にも感じられます。 しかし、そんな水上都市が実現できると思わせる、技術の片鱗のようなものが、既にフランスのパリで形になっているようです。 それが、未来型タクシーとも言える水上タクシーです。
これは通勤ラッシュの対策や、環境への配慮のために作られた乗り物で、電気モーターによって動くことから、汚染や騒音の出ない新たな交通手段として注目されています。 既にセーヌ川でテスト走行もされ、通常の水上の乗り物よりも、40%も摩擦抵抗が減っていたのだとか。
2020年の春には実用化も目指しているらしく、もう間もなく、未来を思わせる乗り物が当然のようにパリの街を駆けているかもしれません。 そして、未来に登場するかもしれない水上都市の周辺にも、こんな乗り物がたくさん走っているのかもしれませんね。
モルディブは水上都市に挑戦
インド洋北部に浮かぶ島国、モルディブ共和国は、既に水上都市の開発計画に挑戦しています。 モルディブは世界で最も低い国土を持つ国と言われています。
1,000以上の島々によって構成されるモルディブは、気候変動の影響を受け、沈む恐れがあると以前から懸念されていました。 その状況を打破すべく、モルディブ政府は「モルディブ・フローティング・シティ」という水上都市計画を立ち上げます。
これは首都マレから近いエリアの珊瑚環礁の中に、六角形のブロックを組み合わせた迷路のような浮体式都市を建設する計画です。 この水上都市の形は珊瑚の形をイメージしたもので、面積はおよそ200ヘクタール。 都市の設計を請け負うのは、浮体式インフラ構築の分野として有名なオランダの企業、ダッチ・ドックランズ社です。 モルディブの取り組みを見ると、気候変動という環境の変化に、私たちは水上都市という選択を取ることが、当たり前になるのかもしれません。
水上都市は新たな生活の場になるのか
このように、人類は環境問題が悪化してしまった未来でも生き抜くための計画を考え始めています。 もしかしたら、今とは全く違う人類の生活が始まり、今抱えている問題を解決することもあるかもしれません。
しかし、その新たな生活に慣れてしまい、また身勝手な生活を続けてしまうと、新しい環境問題を生み出してしまう恐れもあるでしょう。 私たちは自然と共存して生きていることを忘れず、常に3Rやエコを忘れずに生活するように気を付けなければいけませんね。