電子ゴミのリサイクルは2割未満!深刻な環境問題に

電子ゴミのリサイクルは2割未満!深刻な環境問題に

今の時代はパソコンやスマートフォンを始めとする、様々な電子機器が活用されています。 しかし、そんな電子機器が、電子ゴミと言われ、大変な環境問題を生み出しているのです。

私たちの生活を支える電子機器が、どのような問題を起こしているのでしょうか。 電子ゴミによる環境問題をご紹介します。

電子ゴミとは?リサイクル率の低さが環境問題に

それでは、まず電子ゴミとは具体的にどのようなものを指すのでしょうか。

電子ゴミとは電子機器や家電製品の廃棄物の総称で、E-waste(イーウェイスト)とも呼ばれます。 E-wasteの「E」はElectronicsの略であり、Wasteは無駄や廃棄物を意味します。具体的には以下のものが挙げられます。

  • パソコン
  • ディスプレイ
  • スマートフォン
  • 冷蔵庫
  • 照明器具
  • ゲーム機
  • 電子玩具

これらの製品には、銅や金などの貴金属、レアメタル(希少金属)が含まれていますが、有害物質も含まれている、ということが特徴です。 そのため、電子ゴミと言われる廃棄物でありながら、豊富な資源でもあり、環境を汚染する有害物質だとも言えます。 そして、電子ゴミは、資源でもあり有害とも言えるために、大変な環境問題を発生されてしまっているのです。

リサイクルされない電子ゴミによる3つの悪影響

国連環境計画、国連7組織、世界経済フォーラム(WEF)などが、世界の電子ゴミの年間排出量が、5,000万トン近くあると発表しました。 このままであれば、2050年までに、年間排出量が1億2千万トンまで増えるという予測もあり、各国や企業に対策を呼び掛けています。そして、大量に排出される電子ゴミは、以下のような3つの影響をもたらします。

経済的な影響

電子ゴミそのものに価値があり、世界で毎年排出される5000万トンの廃棄物は、推定で625億ドルになると指摘されています。また、日本国内のゴミ処理だけでも1年間で2兆円を超える費用が使われ、税金で負担されています。 このようにゴミ処理の負担額が増えてしまうのは、電子ゴミも大きな要因の一つだと考えられるでしょう。

参考:環境省 一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成30年度)について

環境的な影響

電子ゴミは環境に対しても悪影響をもたらします。なぜなら、電子ゴミは適切に管理されないことも多く、それが原因で有害物質や二酸化炭素を発生させてしまうからです。

また、電子機器をつくる過程で多くの資源やエネルギーが消費されます。電子ゴミを廃棄するにしても、適切に処理しなければ、資源とエネルギーが無駄にする結果につながる、と言えるでしょう。

健康的な影響

先述した通り、電子ゴミは鉛、水銀やカドミウムなどの有害物質を発生させます。これらが大気や土壌を汚染してしまえば、人々の健康に影響を与えることになるでしょう。環境問題については、電子ゴミに含まれる、鉛、水銀やカドミウムなどの有害物質の影響が考えられます。 これらは環境を汚染し、人々の健康にも影響をします。 このように、電子ゴミは経済的にも、環境的にも、大きな悪影響の要因となってしまっているのです。

また、途上国では電子ゴミを処理の際、人件費を節約するため、児童労働が行われる場合もあります。電子ゴミが増えることで、子どもたちが有害物質にさらされる機会が増えてしまう、とも考えられるのです。

リサイクルされない電子ゴミは発展途上国へ

こうした電子ゴミのリサイクルは、2割以下にとどまっていると発表されました。 適切に処理されなかった電子ゴミがどこへ向かうのかと言えば、発展途上国に廃棄されています。 バーゼル条約は、先進国から途上国へ廃棄物が運び込まれることを削減するために制定されましたが、電子ゴミは途上国へ行き着いています。

途上国では、これらの電子ゴミから価値のあるものを探して転売を試みる人々も少なくありません。 そのため、有害物質の危険に晒された人々が、喘息や気管支炎に悩まされ、命を落としてしまう人も存在します。 つまり、先進国が使い古したゴミが、リサイクルされずに途上国へ捨てられ、その地域の環境や人々の健康を脅かしているのだ、と考えられるのです。

電子ゴミがリサイクルされるための対策

電子ゴミがリサイクルされることなく、廃棄され続けてしまう状況を改善するため、さまざまな対策が取り組まれています。

例えば、リサイクル先進国が多く存在するEU(欧州連合)では、電子機器や家電製品のリサイクル・リユースを促す「WEEE指令」があります。 これは2003年に公布され、電子機器や家電製品を製造した加盟国・生産者に対し、その回収やリサイクルシステムの構築、費用負担を義務付けるものです。 さらにEUは2021年、スマートフォンを始めとする電子機器の充電に利用する充電器の端子を「USB-C」に統一する法案も発表しています。

日本でも、家電リサイクル法や小型家電リサイクル法によって、電子ゴミ削減の取り組みが行われています。 家電リサイクル法は、2001年4月から本格施行され、家電4品目と呼ばれる、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機のリサイクルと廃棄削減を推進するものです。 小型家電リサイクル法は、小型家電に含まれる金属資源を回収するための法律です。 スマートフォンやゲーム機、デジタルカメラなど約400品目の小型家電を対象として、回収と再資源化が図られています。 自治体関連施設や家電販売店などに設置されている回収ボックスは、これらの小型家電を投入するだけで回収され、リサイクルされるためのものです。

電子ゴミがリサイクルされるためには

電子ゴミが増えてしまう理由としては、常に最新の電子機器が登場し、私たちもそれを求めてしまう、ということが挙げられます。 そんな状況の中で、私たちができることは、新しい電子機器を買い求める、ということを考え直すことではないでしょうか。 私たちが新しい電子機器を買い求める際、まだまだ使えるものを廃棄し、新しいものを購入してしまう、ということもあると思います。 少しでも電子ゴミの増加を抑えられるように、すぐに廃棄するようなことは避け、使えるものは使い切る必要があるでしょう。

また、不要になった電子機器を不用品回収業者に回収を依頼することで、適切にリサイクル・リユースが行われます。 電子機器の買い替えを考えている場合は、ぜひ一度じっくり考えてみてください。

参考:世界経済フォーラム A New Circular Vision for Electronics, Time for a Global Reboot

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