レジ袋の有料化に効果はあるのか?プラスチック問題の疑問を徹底解説!

レジ袋の有料化に効果はあるのか?プラスチック問題の疑問を徹底解説!

世界的な海洋汚染をもたらしているプラスチックごみを減らすため、各国は使い捨てのプラスチック容器の使用を減らすなど、様々な対策に取り組んでいる。6月に日本で開催された主要20カ国・地域(G20)エネルギー・環境関係閣僚会合で、各国が自主的に削減対策に取り組んだ内容を定期的に報告、共有することが決まりました。

日本政府は対策の第一弾として、レジ袋の有料化の義務づけを来年4月に全国一斉に行いたいと発表しました。ペットボトルでは、飲料メーカーがプラスチックを環境に優しい素材に替える動きもでてきました。しかし、こうした対策がどれだけ効果があるのか疑問もあります。プラスチックごみをめぐる様々な「なぜ?」に答えていきましょう。

まずはレジ袋の有料化をとりあげます。

ジャーナリスト 杉本裕明



レジ袋ってどれぐらい使われているの?

スーパーやコンビニなどで商品を買った時にもらえるレジ袋ですが、10年以上前にレジ袋の製造業者の団体が、毎年全国で約300億枚が製造、消費されていると試算したことがあります。団体の製造量と輸入品から推計したもので、LLサイズ(一枚約10グラム)に換算したもので、重さにすると約30万トンになります。

しかし、団体は「これはあくまで推測で正確なものではない」と言っています。 最近、プラスチック容器包装リサイクル推進協議会という利用業者の団体が試算したことがあり、そこでは年間20万トンという数字を出しています。「スーパーでの有料化が進み、半減したこともあり、使用料はかなり減っている」と担当者は言い、朝日新聞もその数字を信用して使っていますが、元々正確なデータはなく、あるコンサルタント会社の試算を頼りにはじいたにすぎません。

実際にはもっと多いのではないでしょうか。スーパーとコンビニだけが話題にされていますが、ドラッグストアやホームセンター、家電量販店などプラスチック袋を無料配布しているところは膨大です。分厚くで大きな袋を一枚もらえば、コンビニのレジ袋の数十枚に匹敵するのではないでしょうか。何をもってレジ袋と呼ぶかですが、一般商店や百貨店なども含めると、消費量はもっと多くなるのではないでしょうか。

ただ、コンビニでは各社ともレジ袋を薄くして消費量を少なくしているようです。20年前に厚みが0・018ミリだったレジ袋は、現在0・11ミリになり、重さも4・6グラムから2・6グラムに軽量化しています。以前は丈夫で繰り返し使えたレジ袋が、今では1回で破れてしまうような「粗悪品」です。肉厚を薄くしたことで、コンビニのレジ袋の消費量は約4割減りました。例えばセブンイレブンは全国に2万店あり、レジ袋の配布量は1万4000トン。枚数に直すと約54億枚になります(セブン&アイ・ホールディングスの公表資料を参考に試算)。

参考:セブン‐イレブン~近くて便利~ 店舗での取り組み

レジ袋の有料化の義務づけとは何ですか?

国が考えているのは、全国どんな店もレジ袋の無料配布を禁止することです。それによって、事業者は紙袋など環境に優しいものに替える動きが出るでしょうし、レジ袋をお金を払って購入することを消費者が嫌い、買い物袋の持参が普及することを狙っています。しかし、買い物袋の持参が普及し、レジ袋の配布率は半分から3割と言われるスーパーに比べて、コンビニはお昼時の弁当などの購入が多く、業態が違い、「汁が垂れる商品を買い物袋に入れられない」(ある店舗)との悩みもあります。また、レジ袋の大きさもスーパーの数分の一。スーパーで3円なら、コンビニのレジ袋はせいぜい1円との指摘もあり、幾らで売るのかは事業者に悩ましい点です。

環境省は、有料化の義務づけを容器包装リサイクル法の条文に書いて改正したいとしています。これに対し経済産業省は同法の施行規則の改正ですませたいとしています。環境省のやり方だと罰則をつけられ、国会での審議が必要ですが、経産省のやり方だと違反しても罰則はつけられず、国会の審議はありません(つまり国会で野党からチェックされることがない)。これを見ると、両省がお互いに調整した形跡はなく、いつもながらの国民不在の主導権争いが始まっているようです。

レジ袋がなくなるとどれぐらい効果があるのですか?

国内で1年間に排出されるプラスチックごみは900万トン。環境省はレジ袋の消費量は年間約数10万トンと推定しており、レジ袋がすべてなくなってもせいぜい数%の効果にすぎません。しかし、使い捨て容器を減らしましょうと呼びかけているよりも、法律による義務づけは確実に削減効果が期待できます。

ところで、レジ袋を配布してきた事業者は、有料化しても負担するのは消費者で、自分の懐は痛まないため、反対の声は上がっていません。むしろ、原価が数十銭のレジ袋を10円で販売すれば大きな儲けになります。関係業界が反対しないのにはこんなからくりがあるからです。経済産業省がレジ袋の有料化に熱心なのは、そんな理由があるからかもしれません。

それと心配なのは、レジ袋が減っても、その役割がなくならないということです。ごみ袋の内袋に使うなど、二次的な使い道は多様です。1枚10円となったら、消費者はその代替品として新たにプラスチック袋を購入するかもしれません。

「レジ袋オール悪」とせず、こうしたマイナス面への配慮も必要ではないでしょうか。

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