キリンの亜種が絶滅危惧指定!その原因は?【絶滅動物シリーズ】
キリンと言えば、動物園で見られることも多く、日本人にとってもなじみ深い動物の一つではないでしょうか。 しかし、そんなキリンの亜種、マサイキリンが急激に個体数を減らしていると問題になっています。
マサイキリンとはどんなキリンなのでしょうか。 そして、マサイキリンが個体数を減らしてしまっている原因もご紹介いたします。
キリンの亜種、マサイキリンが激減!
日本人にとってもポピュラーな動物、キリンですが、実は絶滅の危機にさらされています。 国際自然保護連合(IUCN)によると、キリンの生息数は、1985年の時点で15万5,000頭でしたが、2015年には9万7,000頭まで減少しています。 特にキリンの亜種、マサイキリンの減少が著しく、2019年の7月にIUCNは絶滅危惧種に指定すると発表しました。
マサイキリンはケニアとタンザニアに分布し、現在3万5,000頭生息していると考えられていますが、30年前に比べると、半数近くまで減少しているそうです。 キリンは9~12の亜種が存在しますが、マサイキリンとアミメキリンが絶滅危惧種、ヌビアキリンとコルドファンキリンが絶滅寸前だと言われています。
これまで、キリンの減少はゾウやサイに比べると、それほど懸念されてはいませんでした。 しかし、ここ数年で急激に減っていることが注目され、多くの専門家も驚きを隠せないようです。
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マサイキリン減少の原因は?
なぜ、マサイキリンを始めとするキリンたちは急激に減少しているのでしょうか。 主な原因は、密猟と生息地の減少だと言われています。
ケニアとタンザニアでは、キリンの狩猟は違法ですが、骨や尾などを目当てに密猟の対象となっています。 骨は彫刻に、尾はジュエリーに、といった具合にキリンの部位を使った装飾品の市場が生まれていることから、密猟が増加しているのです。 また、キリンの骨髄や脳を使うことで、HIV、AIDSを治療できるという噂が広まってしまったことも、減少の原因だったとも言われています。
他にも人口増加も、キリン減少の原因の一つとして挙げられています。人に生息地を奪われたために、キリンが作物被害を起こしてしまい、人からの報復を受けてしまうこともあれば、交通事故で命を落としてしまうことも。 さらに、食料としても捕らえられてしまうこともあり、キリンは徐々にその個体数を減らしているのです。
日本でもマサイキリンに会える?
絶滅が危惧されているマサイキリンですが、日本では現在、8頭が動物園で飼育されています。2019年9月の時点では以下の動物園でマサイキリンに会うことができます。
- とくしま動物園
- 熊本市動植物園
- 宮崎市フェニックス自然動物園
- 平川動物公園
どうやら、マサイキリンは九州の動物園に集中しているようです。 また、平川動物公園では、2019年の4月に雄の赤ちゃんが誕生しています。絶滅危惧種であるマサイキリンの赤ちゃんに会えるチャンスは滅多にないことかもしれません。 順調に生育中のようなので、お近くにお住まいであれば、ぜひ会ってみたいところですね。
参考:鹿児島市 平川動物公園 マサイキリンが誕生しました
身近な動物も絶滅してしまうかも
このように、動物園でよく見かけるキリンですらも、絶滅の危機にさらされています。 キリンは循環系が複雑であることから、人の高血圧について、理解を深めるために役に立つ可能性があると言われています。 今にも絶滅しそうな動物たちの中には、人間にとって有益な何かを秘めているものもあるのです。
しかし、このままでは私たちの生活を支えている動物たちですら、絶滅してしまう恐れもあります。 私たちは動物の命を奪ってしまわないよう、ちょっとしたエコでも、取り入れながら生活する必要があるかもしれません。
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