カワウソが絶滅危機に?原因は人気による密輸の横行か
日本でも今、大変人気のあるカワウソ。 その愛くるしい姿から、ペットにしてみたい、と思った人は少なくないでしょう。
しかし、そんなカワウソの人気の裏側には、悲惨とも言える状況があります。 カワウソの身に何が起こっているのでしょうか。
密輸問題で絶滅?カワウソの特徴とは
食肉目イタチ科カワウソ亜科に分類されるカワウソ。 カワウソの中にも様々な種類が存在しますが、今人気のカワウソはコツメカワウソと呼ばれる種類です。
コツメカワウソは、インド、インドネシアや東アジアなどに分布しています。 河川や沼地、マングローブ林、水田などに生息し、家族で群れを作って生活します。 魚類や昆虫、爬虫類や甲殻類を食べますが、コツメカワウソは他のカワウソに比べると甲殻類を主に食べるようです。
また、12種類以上の鳴き声を使い分けているとも言われています。 つぶらな瞳と愛嬌のある丸顔。 小さな5本指を使って餌を食べる姿も愛らしく、大変人気のある動物、カワウソですが、密輸問題を発端として絶滅してしまう恐れがあります。
絶滅を促す密輸問題はカワウソブームが原因か
そんな可愛らしい姿のコツメカワウソは日本でも大人気で、カワウソブームが到来しています。しかし、そのブームがカワウソ絶滅の原因にもなっていると考えらえています。
コツメカワウソはなぜブームになったのでしょうか。 それは、コツメカワウソの可愛らしい姿が、SNSに投稿されたことや、テレビで放送されたことで、多くの話題を呼んだことが始まりでした。 他にもカワウソカフェやカワウソ総選挙、カワウソのゆるキャラなど、コツメカワウソは引っ張りだこの状態です。
動物園や水族館でもその人気は高く、時を忘れてコツメカワウソの姿を愛で続けてしまった人も少なくないでしょう。 水族館によっては、コツメカワウソと握手もできるため、一生懸命に手を伸ばして、肉球を押し付けてくれるその姿に骨抜きにされてしまった人もいるはずです。
また、ペットとして飼えることもコツメカワウソの魅力の一つです。 実際に、日本ではあの愛らしいコツメカワウソと一緒に暮らしてみたい、と考えている人は少なくないのです。
カワウソ人気の裏側では密輸が横行し絶滅の危機に
日本で起こっているブームが、なぜカワウソの絶滅に関係しているのでしょうか。 それは、日本市場でカワウソが人気であることを知った人々が、カワウソの密猟や密輸を行うことで利益を得ようとする動きがあるからです。
日本国内では、ペットとして販売されるためにカワウソの繁殖が行われていますが、人気のあまり違法な取引を促進させてしまっている恐れがあります。
最近では、カワウソの密輸で日本人が逮捕されるケースもありました。
このような状況が続いてしまうと、日本人によってコツメカワウソが絶滅してしまう日がやってくるかもしれません。
また、世界には、十数種類のカワウソが存在していますが、そのほとんどが絶滅の恐れがあるとされています。 かつて、日本にも二ホンカワウソと言われる種類が生息していましたが、1979年を最後に生きた姿は確認されていません。
カワウソ絶滅は人の都合による密輸が大きな原因
可愛い動物と暮らしてみたい、と思う気持ちはあるかもしれません。 しかし、度が過ぎてしまうと、人の都合で命を振り回されてしまう動物も増えてしまうでしょう。 魅力的な動物は多く存在しますが、人間の一方的な都合だけで、種を絶滅に追いやることは、決してあってはいけません。
コツメカワウソもこのままでは絶滅してしまいます。 そんな日がやってこないためにも、過剰に求めることなく、動物たちが住む環境を壊さないよう、自然に配慮した生活をぜひ心がけてみてください。