絶滅危惧種の猫10選!減少の原因や生態を解説

絶滅危惧種の猫10選!減少の原因や生態を解説

愛猫家であれば、いつまでも可愛らしい猫たちに囲まれていたいと思うこともあるでしょう。 しかし、そんな猫たちの中には絶滅が危惧されている種が存在しています。

なぜ、可愛らしい猫たちが絶滅の危機に追いやられてしまったのでしょうか。 絶滅危惧種に指定された猫10種をご紹介します。

絶滅危惧種に指定される猫10種

絶滅危惧種に指定された猫科動物は数多く存在しますが、ここでは代表的な10種を以下の通りに紹介します。

  • スナドリネコ
  • マライヤマネコ
  • アンデスネコ
  • ボルネオヤマネコ
  • スペインオオヤマネコ
  • ウンピョウ
  • コドコド
  • クロアシネコ
  • イリオモテヤマネコ
  • ツシマヤマネコ

それでは、それぞれの生態や減少の原因を見てみましょう。

スナドリネコ

スナドリネコはベンガルヤマネコ属に分類され、インドネシアや中国南部、インドにかけて生息します。 体長は57~86センチほどで、灰褐色に黒褐色の斑点がある体色が特徴的です。 IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでは、VU(危急種 絶滅危惧2類 Vulnerable:絶滅の危険が増大している種)に指定。

泳ぎが得意で、カエルやザリガニ、魚類を捕って食べるため、熱帯・亜熱帯地域のマングローブや河川、沼沢地に生息しています。 しかし、人間の移住や汚染、干拓が原因となってスナドリネコの住処が減少。それに従い、生息数も減少しています。

マライヤマネコ

マライヤマネコ(別名:マレーヤマネコ)はベンガルヤマネコ属に分類され、ボルネオ島やスマトラ島、タイ南部に生息しています。 体長は40~56センチほどで、やや扁平で細長い頭部が特徴です。 IUCNのレッドリストでは、EN(絶滅危惧IB類:近い将来における野生での絶滅の危険性が高い)に指定。

森林や沼地を生活の場としますが、干拓による生息地の破壊、油・重金属による汚染によって生息数が減少しています。

アンデスネコ

アンデスネコはオセロット属に分類され、アルゼンチンやチリ北部、ボリビアに生息しています。 体長は57~65センチほどで、長い体毛によって円筒形に見える尻尾が特徴です。 IUCNのレッドリストでは、EN(危機 絶滅危惧IB類:近い将来における野生での絶滅の危険性が高い)に指定。

放牧によって獲物が減少、野生化した牧羊犬によって生息数が減少しています。 以下は貴重なアンデスネコの映像です。

あまりに生息数が少ないため、自然保護活動家ベルナルド・セグラ氏がチリの首都サンティアゴ郊外でこちらの動画を記録した際は、大きな話題となりました。

ボルネオヤマネコ

ボルネオヤマネコはアジアゴールデンキャット属に分類され、インドネシアやマレーシアが領有するボルネオ島に生息します。 体長は50~67センチほどで赤褐色の体色と頭部にある3本の縞模様が特徴です。 IUCNのレッドリストでは、EN(危機 絶滅危惧IB類:近い将来における野生での絶滅の危険性が高い)に指定。

森林や林縁にある岩場を主な生息地とするボルネオヤマネコですが、ボルネオではパーム油の原料となるアブラヤシの農園開発を目的とした森林伐採が深刻です。 そのため、ボルネオヤマネコも生息地は奪われ、絶滅が懸念される状態となっています。

スペインオオヤマネコ

スペインオオヤマネコ(別名:イベリアオオヤマネコ)はオオヤマネコ属に分類され、スペインの南西部やポルトガルに生息しています。 体長は85~110センチほどで、体毛に見られる黒く明瞭な斑紋が特徴です。 IUCNのレッドリストによる評価はVU(危急種 絶滅危惧2類 Vulnerable:絶滅の危険が増大している種)。

イベリア半島最大の湖の1つアルカンタラ湖のダム建設が原因となる生息地の破壊、農地開発によって獲物であるアナウサギが減少するなど、さまざまな要因によってスペインオオヤマネコは生息数を減らしています。

ウンピョウ

ウンピョウはウンピョウ属に分類され、インド北東部、インドネシアなどに生息。 体長は62~102センチほどで、特徴は雲に似た体毛となり、これがウンピョウという名前の由来でもあります。 IUCNのレッドリストによる評価はVU(危急種 絶滅危惧2類 Vulnerable:絶滅の危険が増大している種)。

ウンピョウも開発によって生息地が破壊され、毛皮や牙を目的とした乱獲などが原因で生息数が減少しています。 ちなみに、日本の動物園「よこはま動物園ズーラシア」はウンピョウが展示される貴重な施設です。

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コドコド

コドコドはオセロット属に分類され、アルゼンチン南西部、チリ南部に生息しています。 体長は40~52センチほどで、灰褐色や淡黄褐色の体に黒い斑点が特徴です。 IUCNのレッドリストによる評価はVU(危急種 絶滅危惧2類 Vulnerable:絶滅の危険が増大している種)。

開発による生息地の破壊だけでなく、キツネ狩りの際の誤射、密漁によって減少していると考えられています。

クロアシネコ

クロアシネコはネコ属に分類され、ナミビア、ボツワナなどに生息します。 体長は43~52センチほどで、明るい褐色から冬期になると色が淡くなり灰色を帯びる体毛が特徴です。 IUCNのレッドリストによる評価はVU(危急種 絶滅危惧2類 Vulnerable:絶滅の危険が増大している種)。

クロアシネコも南アメリカを筆頭に生息地が破壊され、さらには獲物であるトビウサギの減少によって、その生息数を減らしています。

イリオモテヤマネコ

イリオモテヤマネコはベンガルヤマネコ属に分類され、沖縄県の西表島に生息する固有亜種。 西表島は面積が290平方キロメートルほどで、これはヤマネコの住む島として世界最小となります。 体長は55~60センチほどで、暗灰色や淡褐色の体毛と額から背面にかけた縞模様が特徴です。 IUCNのレッドリストでは、CR(深刻な危機 絶滅危惧IA類 Critically Endangered:ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い)に指定。

イリオモテヤマネコの減少理由は、開発による生息地の破壊、犬による捕食、交通事故などが挙げられます。 保護対策として積極的な調査研究が行われ、交通事故対策や外来種で毒を持つオオヒキガエルの侵入を防ぐといった取り組みが進められています。

ツシマヤマネコ

ツシマヤマネコはベンガルヤマネコ属に分類され、モンゴル、中国大陸北部、長崎県の対馬に生息しています。 体長は50~80センチで、体全体の斑点模様と額の縞、さらには耳裏の白斑特徴です。 IUCNのレッドリストには登録されていませんが、環境省のレッドリストではCR(深刻な危機 絶滅危惧IA類 Critically Endangered:ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い)に指定されています。

イリオモテヤマネコに比べると知名度は低くなりますが、日本では非常に希少な種であり、減少原因は毛皮目的の狩猟、ニワトリを襲う害獣として駆除、食用として狩られた過去があるためです。 こちらも積極的な保護が行われ、対馬市には「ツシマヤマネコ野生順化ステーション」があり、ツシマヤマネコが野生復帰できるための技術開発が行われています。

猫だけじゃない!絶滅危惧種を守るには

このように、多くの猫が環境問題を原因として、その生息数を減少させています。 しかし、絶滅危惧種と言われる動物たちは猫たちだけではありません。 多くの動物が私たち人間の行動によって、絶滅に追いやられようとしているのです。

そういった悲劇を避けるためにも、私たちは自分たちの行動を見直さなければなりません。 例えば、身近なリサイクルを心掛ける、環境に悪い習慣は避けるなど、小さなことも効果的です。

環境問題に関する情報を発信するだけでも、動物たちを救うきっかけになります。 この記事をはじめ、環境問題に関する情報をぜひSNSなどで発信してみてください。

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