気付かずやっている?日常生活の隠れた環境負荷10選を紹介
無駄に電気を使ってしまった。食べ残しがたくさん出た。これらは環境に負荷をかける行為だと誰もが知っているところです。しかし、私たちの生活は思わぬところで環境に負荷を与えているケースもあります。
今回は日常生活の隠れた環境負荷をご紹介します。
目次
日常生活の隠れた環境負荷10選
日常生活に隠れた環境負荷として以下が挙げられます。
- デジタル活動によるエネルギー消費
- 銀行口座の放置
- 服によるプラスチック排出
- 洗剤の使い過ぎ
- UVカットの成分による汚染
- 冷蔵庫保存によるロス
- 食品輸送による負荷
- 切花の空輸と農薬利用
- スマホの買い替え
- コンクリートに囲まれた暮らし
何がどのようにして環境に負荷を与えているのか、詳しく見てみましょう。
デジタル活動によるエネルギー消費
デジタルを活用することで、環境負荷を抑えられるように思いますが、無害とは言い切れません。 例えば、さまざまなメッセージをやり取りできる電子メール。これは不要なメールを削除せず保管し続けると、データセンターのザーバーを動かし続け、エネルギーを消費してしまいます。
国際エネルギー機関(IEA)の報告書によると、データセンターの電力消費量は、2030年までに約9,450億kWhと2024年の水準から倍増すると予測されました。これは日本の年間総発電量にほぼ匹敵する莫大な数字です。
参考:一般社団法人 日本原子力産業協会 データセンターの電力消費量 2030年に日本超え IEA報告書
他にも、必要以上に高品質な設定で動画を流し続けると、データ通信量を増やしてしまい、結果として二酸化炭素を排出することに。 また、ChatGPTなどの生成AIに質問すると1回につき約2.9Whの電力を必要とし、これは通常検索1回の消費電力、約0.3Whの十倍の数字となります。
銀行口座の放置
データセンターによる環境負荷で言うと、銀行口座の放置も同じ問題を抱えています。 銀行のシステムは重要な情報を保存し、不正アクセスから守るためにも、データセンターのサーバーは常に稼働し、冷却が行われています。
さらに、10年ほど出し入れがない口座は、登録住所へ通知はがきが送付されますが、これに関しても紙や印刷インク、配達のための燃料が消費されるなど、環境に対する負荷が発生することに。 銀行口座はできるだけ1つに集約した方が環境に優しいと言えるでしょう。
服によるプラスチック排出
私たちが利用する衣類は、ポリエステルやナイロン、アクリルといった、プラスチックが原料となる合成繊維が使われています。 そんな衣類を洗濯すると、目に見えないほどの小さいプラスチック片(マイクロプラスチック)が排出されてしまいます。 マイクロプラスチックによる環境汚染は深刻であり、衣類を洗濯する際は注意が必要です。
また、衣類による環境負荷はこれだけではなく、水資源の大量消費も問題視されています。 Tシャツ1枚作るだけで2,700リットル以上が消費されると言われ、さらには染色のために化学薬品も大量に使用されることから、衣類が関係する環境負荷が多いと考えられるのです。
衣類によるマイクロプラスチック汚染が深刻?原因と対策は
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洗剤の使い過ぎ
洗剤の使い過ぎも環境負荷につながります。 衣類を洗うとき、洗剤を多めに入れれば、もっと綺麗になると考えがちかもしれませんが、実は勘違いです。
水に溶け切れる洗剤の量は、臨界ミセル濃度と言われる上限があります。 これを超えて投入された洗剤は、汚れを落とす力はなく、ただ不純物として水の中を漂うだけ。
しかも、多すぎる洗剤は、一度落ちた汚れが再び衣類に吸着させてしまう原因にもなります。 多くのメーカーは最も汚れが落ちる量を研究して記載しているため、こちらを厳守して洗剤を利用しましょう。
UVカットの成分による汚染
日焼け止めに含まれるUVカット成分は、海の生態系に影響を与え、サンスクリーン・パニックと呼ばれるほど問題視されています。 日焼け止めは、紫外線を吸着して熱に変える「紫外線吸収剤」が含まれていますが、その代表格がオキシベンゾンやオクチノキサートです。
これらは海に溶けると、珊瑚の中に住む褐虫藻という藻類にダメージを与えてしまいます。 そうなると、ストレスを受けた珊瑚が褐虫藻を追い出してしまい、白化現象を起こしてしまうことに。 日常生活で日焼け止めを使い、シャワーで洗い流すと、これらの成分が下水処理場を通り抜けて最終的に海へ流れ込んでしまいます。
肌を守りつつ、海を守るためには「リーフセーフラベル」を確認しましょう。 珊瑚に有害な成分を含まない日焼け止めの製品には「Reef Safe」や「Ocean Friendly」といったマークが付いています。 日焼け止め以外のUV対策で言えば、ラッシュガードや帽子、サングラス、日傘を利用するとった選択肢もあるため、ぜひ検討してみてください。
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冷蔵庫保存によるロス
冷蔵庫に詰め込みすぎると、電気代が無駄になるという話は有名ですが、その理屈をもう少し詳しく理解してみましょう。 まず、冷蔵庫に詰め込みすぎて収納率が7割程度を超えると、冷気の通り道が塞がれてしまいます。 そのため、冷蔵庫は「冷えていない」と判断し、フルパワーで運転してしまうため、電気代が跳ね上がって無駄に二酸化炭素が排出されてしまうのです。
また、冷蔵庫に詰め込みすぎてしまうと、視界に入りにくく、結果的に期限を切らしてしまい、廃棄されてしまうことも。 食材が確認しにくいと、冷蔵庫にあったものを二重で買ってしまうパターンも考えられ、さらに容量を圧迫する結果になってしまいます。 つまり、無駄が無駄を生む流れになってしまうため、冷蔵庫は7割収納を意識しましょう。
食品輸送による負荷
食品関係で言うと、輸送による環境負荷も忘れてはなりません。 食品を輸送するために、多くの二酸化炭素を排出しますが、これは単に遠くから運ばれていると負荷が高いというだけでなく、その中身も関係します。 鮮度が重要となるフルーツや魚介類は飛行機で運ばれますが、船で同じ量のものを運ぶ際の約50~100倍の二酸化炭素が排出されることに。
また、ただ運ぶだけでなく、食品は冷やすこともセットとなっています。 そのため、走行とは別に冷却ユニットを動かすためのエネルギーも消費されるなど、食品の輸送は多くの環境負荷がかかってしまうのです。 これを軽減するためには、旬のものや県内産・国内産を選ぶなど、輸送コストが少ないものを意識する必要があります。
切花の空輸と農薬利用
空輸に関する環境負荷は、切花についても同じことが言えるでしょう。 というのも、日本で流通する切花の多くは、ケニアやコロンビア、マレーシアなど遠方から輸入されています。 花は食品と同じく日持ちしないため、飛行機の利用が一般的で、輸送の時間も長いことから、やはり二酸化炭素の排出が膨大なものになってしまうのです。
また、花を育成する過程で強力な殺虫剤や殺菌剤が頻繁に使われます。 大規模な生産地周辺では薬物や化学肥料による生態系の破壊もあり、切花は環境問題の事例として挙げられることも少なくありません。
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スマホの買い替え
スマホは製造時に多くの二酸化炭素を排出するだけでなく、金、銀、銅の他にもリチウムやコバルト、ネオジムといった希少な金属も使われています。 そのため、スマホを作るためには採掘によって多くの岩石を掘り起こし、強力な酸を使って精練する必要があり、その影響で周辺の森林破壊は水質汚染が広がってしまいます。
「バッテリーの持ちが悪い」「新型のデザインが格好いいから」といった理由だけでスマホを買い替えてしまうと、環境に大きな負荷がかかっていると覚えておいてください。 新品に交換する前に、バッテリー交換を行う、中古品を選ぶといった手段も試してみましょう。
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コンクリートに囲まれた暮らし
私たちの生活はコンクリートに囲まれています。しかし、コンクリートは環境負荷につながる性質があると有名です。 中でも熱を蓄えやすいという性質は広く知られています。 コンクリートが昼間に浴びた太陽光の熱を夜間まで持ち続け、都市部の気温を下げさせない「ヒートアイランド現象」は誰もが知る問題でしょう。
また、本来であれば雨水は土に染み込んで地下水となって海に流れ込みますが、コンクリートの場合は違います。 コンクリートは水を弾くことから、雨水は一気に下水道へ流れ込み、ゲリラ豪雨が発生するとマンホールがあふれ出す都市型洪水が起こりやすくなってしまうのです。 他にも製造時の二酸化炭素排出量や生態系に与える影響など、コンクリートはさまざま環境負荷の原因となっています。
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生活による環境負荷を意識することから
このように、私たちの生活には多くの環境負荷が隠れています。 しかし、すべての環境負荷を避けるような配慮を徹底するのも難しいところです。
大切な考えとしては少しずつ意識を広げることですが、まずはリサイクルとリユースを心掛けてみましょう。 リサイクルは分別を徹底することで、ごみを資源として再循環させ、無駄を抑えられます。 リユースに関しては、再利用を意味する言葉で、エコバッグやマイボトルの利用などモノを繰り返し使って無駄を出しません。
他にも使わなくなったものをフリマアプリやネットオークションで必要としている人へ橋渡しすることも、リユースの1つです。 身近なシーンでリユースできるモノや機会があれば、ぜひ意識してみてください。










