もうジークアクスの最終回は見た?その前にファーストガンダムで描かれる環境問題を学んでみよう【前編】

2025年の春アニメの中でも注目作だった「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス) 」が最終回を迎え、大きな話題となっています。 この作品を機に1979年放送の「機動戦士ガンダム」、いわゆるファーストガンダムを見ようかどうか迷っている方もいるのではないでしょうか。
少し前であれば、ガンダムを見たことがなければ「ただロボットが戦う話でしょ?」と思う人も少なくありませんでしたが、実は人口増加や環境破壊など、今の時代の私たちが直面している問題が描かれた奥深い作品です。 今回は1979年に放送されたファーストガンダムの中で描かれている環境問題を紹介します。
なぜ人気があるの?機動戦士ガンダムとは
ガンダムは40年以上前に誕生した作品であるにも関わらず、今も新作が作り続けられるほど人気がありますが、何がそこまで人々を魅了するのでしょうか。 簡単ではありますが、第一作目である機動戦士ガンダムが当時のアニメファンに与えたインパクトからお話ししたいと思います。
斬新すぎて打ち切り?だけど大ブームに
1979年に放送開始したガンダムは、富野由悠季監督によるロボットアニメで、従来のアニメよりも対象年齢を引き上げた内容として制作されました。 当時は子供向けのアニメが多かったにも関わらず、ガンダムでは現実感のある兵器や奥行きのある登場人物など、大人が見ても感心できる設定、感情移入できるドラマ性あるアニメだったため、当時のアニメファンに衝撃を与えたと言われています。
昔のロボットアニメと言えば「ドクター〇〇が率いるロボット軍団」とか「帝王〇〇によるメガ何とか軍団」が登場し、熱血系の少年が「必殺!〇〇パンチ!」とか叫んで悪者をやっつける展開を想像するかもしれませんが(そういうアニメももちろん面白いのですが)、ファーストガンダムではそのような展開は一切ありません。 ただ、リアリティや人間ドラマを追求した描写が当時としては斬新すぎたのか、初回放映時のガンダムは人気が出ることなく、打ち切りという形で終了してしまいます。
しかし、それから半年後に発売された「ガンプラ」が爆発的に売れたことをきっかけに人気が再熱。 さらに劇場版3部作が公開されると、その高いクオリティが評価され、社会現象に発展するほどでした。 その後も続編制作や新作ガンダムのガンプラなどによって、ファンの心を掴み続けていますが、この1979年に放送されたガンダムは「ファーストガンダム」の愛称のもと、今も愛され続けています。
そして、2025年はエヴァンゲリオンで有名な「スタジオカラー」による「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」が劇場先行公開、4月からアニメ版の放送が開始されたことで、新たなファン層を獲得、大変話題に。 また「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」をきっかけに、1979年に放送されたファーストガンダムを視聴する若いアニメファンも現れました。
どんな話なの?ガンダムのあらすじ
本題はファーストガンダムと中で描かれる環境問題ですが、その前に簡単ではありますが、アニメ本編のあらすじをご紹介します。
ファーストガンダムの世界は宇宙移民が始まって半世紀が過ぎた「宇宙世紀0079」と言われる未来の世界です。 地球は「地球連邦」と言われる統一政府によって治められ、宇宙では宇宙移民した人々がスペースコロニーと言われる人口の移住地(巨大な宇宙ステーションのようなもの)で暮らしていました。
しかし、そんなスペースコロニーの1つ、サイド3がジオン公国を名乗り、地球連邦政府に対して独立戦争を仕掛けます。 戦争は、兵士たちがモビルスーツと言われる巨大ロボットに乗り込み、大規模な戦いが繰り広げられましたが、やがて膠着状態に。
そんな戦争が始まってから半年、ジオンのエースパイロットであるシャア・アズナブルが、連邦軍の極秘計画の調査で中立コロニーであるサイド7へと偵察に向かうところから物語は開始されます。そして、そのサイド7には連邦軍の秘密兵器である新型モビルスーツ・ガンダムと、この物語の主人公の少年であるアムロ=レイがいたのでした。
ガンダム世界の戦争は環境問題がきっかけ
ファーストガンダムの世界で行われる戦争は、何がきっかけだったのか。それは、環境問題と人口増加の問題です。 アニメの中では、地球は環境汚染が続きながらも、人口が90憶人を突破したことが語られています。
現実の世界でも人口増加は、多くの環境問題や社会問題を引き起こします。 消費され続ける資源の問題、エネルギー利用による地球温暖化、大地の砂漠化、食糧不足や移民問題など、地球に多くの負荷をもたらすのです。
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そこで「増えすぎた人口をどうにかして、環境汚染も何とかしたい」と考えた地球連邦政府は宇宙移民計画を開始します。 「地球がいっぱいなら、宇宙だ!」と考えたのでしょう。また、地球で暮らす人類の数が減ることで、地球環境が回復するという考えもありました 結果、多くの人が半ば強制的に宇宙へ移民させられることに。 故郷を捨てるよう強制され、さらに宇宙と言う未知の環境で住むことになった人々の不満や不安は、大変なものだったと想像できます。
しかも、宇宙移民計画 を提案した政治家や金持ちなどのエリートは、宇宙に移民することなく、地球に居座ったのでした。 この時点でなかなかひどい話ではありますが、移民した人々はさらにひどい生活を強いられることになるのです。
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ガンダムの世界の政治家たちが懸念したように、人口増加は地球環境を悪化させてしまいます。 それだけ人間は地球に対して負担を与えているのだと言えるかもしれません。
また、砂漠化が進む中、さらに人口が増加してしまえば、人々は住む場所が限られてしまいます。 そうなると、ガンダムの世界のように移民の必要性が出てきます。 もちろん、私たちの世界では、まだまだ宇宙に暮らすような技術はないため、地球のどこかに移民先を確保する必要がありますが、人で溢れかえってしまった世界で、受け入れてくれる国が簡単に見つかるわけではありません。
そして、移民の問題は多くの人に不自由や不平等を感じさせ、最悪の場合は戦争に発展する恐れがあります。 戦争になった場合、多くの人が生き延びることすら困難になってしまうでしょう。
次回も引き続き、ガンダムにおける環境問題をご紹介しますが、そこで移民問題や戦争発展への恐怖をお伝えします。 ぜひ、次回もご覧ください。
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