水素エネルギーは環境に良い?メリットと問題点を簡単解説

水素エネルギーは環境に良い?メリットと問題点を簡単解説

私たちの社会において、エネルギー不足の問題は重要な項目の1つです。 そんな課題を解決に導くかもしれないエネルギーとして「水素」が注目されていますが、実際にどういったメリットがあるのでしょうか。 水素エネルギーが環境に良いと言われる理由や社会に浸透しない理由などをご紹介します。

水素エネルギーは何がいいの?環境に良い理由

新しいエネルギーとして脚光を浴びる水素。特に環境面のメリットが大きいと言われています。 どういった部分で水素エネルギーは環境に良いのか、3つの理由を見てみましょう。

二酸化炭素を排出しない

水素エネルギーが環境に良いと言われる最大の理由は、やはり二酸化炭素を排出しないことです。 ガソリンや天然ガスといった化石燃料は、燃やすと二酸化炭素が排出されます。

しかし、水素は酸素と反応してエネルギーを発する際に、排出されるのは水のみです。 二酸化炭素といえば、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの代表とも言えます。 エネルギーを作り出すとき、二酸化炭素が排出しないとなれば、大きなメリットではないでしょうか。

さまざまな資源から作れる

水素はさまざまな資源から作られるため、非常に効率の良いエネルギーだと言えます。 その例としては、石油や天然ガスといった化石燃料だけでなく、メタノール、エタノール、さらには下水汚泥、廃プラスチックから作成が可能です。

化石燃料の場合は安価で作れますが、二酸化炭素が排出されるため、これを「グレー水素」と言って課題が指摘されています。 対して、エタノールやメタノールの場合は、液体であるため、運搬や貯蔵が効率よく行えるというメリットがあり、特に植物由来のバイオエタノールであれば、実質二酸化炭素を増やさない「カーボンニュートラル」です。

そして、下水汚泥や廃プラスチックからも水素が取り出せますが、なぜさまざまな資源から取り出せるのか不思議に思うかもしれません。 実は、水素は二次エネルギーで、水や油、植物、ごみなど何らかの物質の一部として存在しています。 そのため、熱や電気、微生物などの力で分解し、水素を取り出せるのです。 これだけ多くの資源から作り出せるとしたら、多くの無駄も削減できるかもしれませんね。

貯蔵や輸送も得意

電気は作ったらすぐ使うか、蓄電池に貯め込むことになります。 しかし、蓄電池も時間が経つと少しずつ電気が漏れてしまう「自己放電」があるため、長期の保存は難しい部分があります。

そんな貯蔵の問題も水素なら問題ありません。水素ならタンクに密閉して保存が可能だからです。 そのため、夏に太陽光で作りすぎた余剰電力を水素に変えて貯めておき、冬に利用することも可能となります。

また、電気は電線で送ると、距離が長ければ長いほど抵抗によってエネルギーが失われます。 それが水素ならロスを抑えて遠くまで運べるという特徴も。 このように、水素はガスや液体と姿を変えられるため、電気よりも貯蔵や輸送に適していると言えるのです。

水素エネルギーが広まれば生活環境はどう変わる?

水素エネルギーが社会に浸透した場合、私たちの生活はどのように変化するのでしょうか。 3つの変化を見てみましょう。

脱炭素化が加速

水素エネルギーの利用が一般的になった場合、温室効果ガスである二酸化炭素の排出が大きく削減されると考えられます。 そして、温室効果ガスが削減されれば、気候変動を緩和できる可能性も出てきます。

気候変動は熱波や豪雨、水害などの原因と考えられる、恐ろしい環境問題です。また、生態系[大辻1.1]や農作物の生産量に影響を及ぼし、気候変動が進むと、これまで通りの生活が送れなくなってしまう恐れもあります。 つまり、温室効果ガスを削減できる水素エネルギーが社会に浸透すれば、より持続可能な未来を実現できる可能性が大きくなると言えるのです。

空気は綺麗で騒音も少なくなる

車の排気ガスは大気汚染と健康被害の原因となる、窒素酸化物や粒子状物質を排出しています。 しかし、水素エネルギーを利用した場合は、排気ガスではなく、水が排出されるため、空気が汚れることもありません。

また、水素で動く車の多くは電気で動くため、ガソリン車のようなエンジン音は聞こえなくなります。 そのため、騒音は減ってドライブや深夜の物流も快適になると考えられるのです。

エネルギーの地産地消

日本では海外からの資源輸入によってエネルギーが賄われています。 しかし、水素エネルギーは水と再生可能エネルギーによって、どこでも作ることが可能です。

そのため、国内の耕作放棄地や洋上風力で水素を作り、その地域で消費する「エネルギーの地産地消」が可能となると考えられます。 貯蔵を得意とする水素であれば、昼間に余った太陽光の電気も夜に回せるため、電力不足も起こりにくくなる、といった役割も期待できるでしょう。

なぜ水素エネルギーが浸透しない3つの理由

これだけメリットの多い水素エネルギーですが、なぜ社会に浸透していないのでしょうか。3つの理由を見てみましょう。

製造コストが高い

水素エネルギーの導入が難しい理由は、まずコストの問題が挙げられるでしょう。 化石燃料を使わず水素エネルギーを作り出すには、再生可能エネルギーによって電気分解を行う必要がありますが、その電気代は高価格なものとなります。

また、水を分解する装置はプラチナやイリジウムといった希少で高価な金属が触媒として使われ、大量生産も行われていないため、こちらも高価格です。 そのため、水素エネルギーを作るためにはコストが大きな問題となってしまいます。

インフラ不足

ガソリンスタンドに比べると水素ステーションの建設費は桁違いと言われています。 なぜなら、水素を貯めるには超高圧の必要があり、鋼材やコンプレッサーも非常に高い耐久性が求められるからです。

他にも、都市ガスのようにガス管が存在していないため、手軽に運ぶ手段が存在していません。 水素は金属を脆くする性質があるため、都市ガスに利用しているガス管を使うことは難しく、専用のパイプラインを地中に埋め直すとしたら、とんでもない費用がかかってしまうのです。

技術的に扱いが難しい部分も

水素は前述したように、金属を脆くする性質の他にも取り扱いが難しい部分が他にもあります。 例えば、金属と分子の間をすり抜けて、我部の反対側へ漏れてしまう透過現象も水素の扱いが難しい理由です。 ゴムやパッキンでは通り抜けてしまうため、水素を保管するには特殊や素材や溶接による完全密閉が必要とされます。

他にも燃えやすい性質は大変危険です。 わずかな静電気の火花で火が付いてしまい、さらには水素による炎は青白いため、太陽光の下では肉眼ではほぼ見えません。 燃えていることに気付かず近付いてしまう恐れもあるため、赤外線センサーのような特殊な検知器も必要となります。

環境に良い社会のため私たちができること

このように、水素は非常に期待できるエネルギー資源ではありますが、誰もが気軽に利用できるまで、まだ時間が必要です。 水素エネルギーの導入のように新たな技術による変革も待ち遠しいところですが、身近なシーンで個人的に何かできることはないか、と考える人も多いのではないでしょうか。

誰でも意識できる、身近な環境のための行動と言えば、リサイクルやリユースが挙げられます。 リサイクルは分別を意識することで、ごみの再循環を促し、無駄を削減できる行動です。 リユースはものを繰り返し使う、という意味があり、マイボトルやマイ箸の利用が該当します。

他にも、使わなくなったモノをフリマアプリやネットオークションで売ることもリユースの1つです。 昨今はリユースで無駄を削減する手段が増えています。 ぜひ身の回りでリユースできるシーンがないか、意識してみてください。

小さな行動のようですが、持続可能な社会のために必要な意識であることは間違いありません。 リユースだけでなく、小さな行動であっても、まずは取り組んでみましょう。

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