いつから大量生産・大量消費は始まった?原因や影響を簡単解説
環境問題は人間の活動によって、自然に必要以上の負荷をかけてしまうことから発生します。 特に大量生産・大量消費と言われるサイクルは、多くの環境問題を深刻なものにしました。 大量生産・大量消費はいつから始まったのでしょうか。その原因や影響を紹介します。
目次
大量生産・大量消費とは?始まった時代背景
環境問題に大きな影響を及ぼす大量生産・大量消費。これは、どういったサイクルを指すのでしょうか。 まずは大量生産・大量消費の意味から、始まってしまった時代背景などを紹介します。
大量生産・大量消費とは?
大量生産・大量消費とは、たくさんの製品を安価に作り、多くの人が大量に買って使い捨てる、経済の仕組みや社会構造を指します。
大量生産は、同じ規格の製品を工場のようなラインで効率的にたくさん作ることです。 たくさん作ることで、1個あたりのコストが下がるため、製品の価格が抑えられます。
対して、そんな安く供給された製品を多くの人が次々と購入し、廃棄してしまう状態が大量消費です。 商品が安価であるため、壊れても買い替えればいい、という価値観が浸透。モノの寿命が短くなり、大量の廃棄が発生することにもつながります。
かつては大量生産・大量消費が、豊かさの象徴とも言えましたが、環境だけでなく、さまざまな社会問題につながる構造だと指摘されています。
大量生産・大量消費の時代背景
大量生産・大量消費の始まりは、18世紀後半にイギリスで始まった産業革命によって、手作業から機械による生産に移行したことだと言われています。 人力から機械に変わったことで、同じ質のものを短時間で大量に作る環境が整ったのです。
1910年代に入ると、自動車メーカーのフォード・モーターがベルトコンベア方式を採用します。 これは職人が一台ずつ作るのではなく、流れてくる部品を単純作業で組み立てる「移動組み立てライン」でした。 結果、自動車の価格が劇的に下がり、大量生産・大量消費の土台が完成。 さらに、第二次世界大戦後、アメリカの豊かなライフスタイルが世界中に広まると、家庭に電化製品が普及し、広告戦略によって「新しいモデルが優れている」という考えが浸透します。
そして、人々は大量に供給される商品を購入しては、すぐに廃棄する大量生産・大量消費のサイクルに身を置くことになったのです。
大量生産・大量消費による影響・問題点は?
大量生産・大量消費は環境汚染が表面化したことで、その在り方が考え直されるようになりましたが、実際にどのような影響があったのでしょうか。 次は大量生産・大量消費による影響・問題点を見てみましょう。
資源枯渇による生態系の破壊
大量生産のためには、膨大な原材料が必要です。 そのため、森林の伐採は自然の再生速度を上回るペースで行われ、鉱物資源や化石燃料も次々に掘り起こされます。 これは単純に資源が失われるだけでなく、そこに生息している動植物の住処を奪い、種の全滅を加速させる行為でもあります。
また、開発の過程によって土壌や水質など周辺環境が汚染されることもあり、動植物だけでなく、人々が生きるために必要な自然資源も失われるケースも少なくありません。
大量廃棄と気候変動の悪化
大量生産・大量消費は、必ずと言っていいほど大量廃棄がつきまといます。 そして、大量廃棄はインフラのごみ処理能力を超え、自然界に溢れ出し、自然を汚染する結果につながります。 もともと自然には廃棄物を分解する自浄能力がありますが、大量生産・大量消費によって生み出される廃棄量はその限界を超えるモノです。 さらには有害物質の漏出や不滅性の強いプラスチックによる環境汚染も、大量生産・大量消費の結果と言えるでしょう。
また、大量生産・大量消費によって生み出されたごみは、廃棄プロセスにおいて多くの温室効果ガスを発生させます。 温室効果ガスは気候変動を悪化させ、資源や居住区の減少など多くの問題につながるものです。 つまり、大量生産・大量消費は負の連鎖を生み出す恐ろしい行為だと言えるのかもしれません。
労働環境や人権の問題
大量生産・大量消費では、製品の安さが求められるため、人件費が極限まで削られるケースもあります。 発展途上国の工場で、生活を維持するのも困難な低賃金で人を雇い、大量生産のスピードに合わせるため、長時間労働や休日返上の作業を強いるなど、人権を無視していると言えるような労働環境で酷使されるのです。
地域によっては児童労働のような最も弱い立場にある人々が犠牲になることもあり、サプライチェーンの不透明性が問題視されています。
大量生産・大量消費を見直すため個人にできること
大量生産・大量消費の価値観は見直されつつあるものの、エシカルな生産や消費が主流とは言えない状況です。 では、大量生産・大量消費のような価値観を変えるために、私たち個人ができることはあるのでしょうか。
買うという行為を考える
私たちは生活する上で何かしらを「買う」という行為は避けられません。 しかし、必ず新品を買う必要はあるのでしょうか。 場合によっては新しいものではなく、リユース品でも事足りるかもしれません。
また、スマホなどは「画面が割れた」「充電が切れやすい」といったケースは修理の方が経済的にも優しいはずです。 新製品が出たから買い替えるのではなく、本当に必要かどうかを考え、モノを大事にする気持ちも忘れないようにしましょう。
所有以外の選択肢も視野に入れる
モノを買って所有するという行為も場合によっては必要のないことかもしれません。 最近ではシェアリングサービスも広がっています。 カーシェアやサブスクリプションは必要な時だけ共有するため、社会全体の生産量を抑制するサービスです。
さらには、シェアが浸透すれば企業側は長く使える製品を作る動機が生まれます。 自然と1つのモノを大事に使い続けるきっかけとなるでしょう。
循環型社会を意識する
大量生産・大量消費の対極にある考えが循環型社会と言えます。 循環型社会とは資源を廃棄せず、効率的に再利用・循環させることです。 何かを手放すときは、リサイクルできるのか、ごみになってしまうのか考えるだけでも、循環型社会を意識することにつながります。
また、企業も循環型社会を意識しているかどうか、その姿勢は異なります。 循環型社会を意識した企業が消費者に応援されるのであれば、社会全体の姿勢が変わる可能性もあるでしょう。 ぜひ企業の姿勢を意識しながら、循環型社会をみんなで目指していきましょう。
循環型社会はリユースから
大量生産・大量消費を見直す方法をいくつか挙げましたが、その中でも最も身近と言える行動がリユースです。 リユースはものを繰り返し使う、という意味があり、具体的な行動としてマイボトルやマイ箸の利用などが挙げられますが、他にも中古品を選ぶことも該当します。
昨今ではフリマアプリやネットオークションなど、リユース品に触れる機会が増えたと言えます。 リユース品を選ぶことは、誰かが使わないモノと判断したものを誰かが再利用する行為であるため、資源を無駄にすることはありません。 これにより、自然資源が消費される、廃棄によって二酸化炭素が排出されるといった環境問題を抑制できるのです。 部屋の片付けや整理整頓の中で「これは使わないな」と思ったら、リユースできないか、ぜひ考えてみてください。










