ハブーブとは?迫りくる恐ろしい砂の壁はなぜ出現してしまうのか

ハブーブとは?迫りくる恐ろしい砂の壁はなぜ出現してしまうのか

ハリウッド映画なんかで、凄い爆発が起こると砂煙が巻き起こり、それが町を飲み込んでしまうシーンを見かけます。
実際に巨大な砂の壁が出現し、逃げても逃げても迫ってきたとしたら、かなり恐ろしいことではないでしょうか。
しかし、巨大な砂の壁は、自然現象としてこの地球に出現することがあります。
それが「バブーブ」と言う現象ですが、どのような場所で、何が原因で発生するのでしょうか。

バブーブとは

ハブーブ(haboob)は乾燥地帯で発生する強い砂嵐のことです。
アラビア語で「強い風」「現象」を意味する言葉に由来しますが、世界で広く使われている言葉です。
強い砂嵐、と表現しましたが、それだけではハブーブの恐ろしさを表すには適切ではありません。
なぜなら、街一つを飲み込んでしまうほどの規模があるからです。
幅は最大で100キロを越え、高さも数キロと言われるほどの大規模なので、砂嵐のレベルではないと言えるのではないでしょうか。
自分が住む街にやってきたらと思うと恐ろしいですね。

しかも、バブーブの移動速度は時速50キロに及ぶこともあるそうです。
それは巨大な砂の壁が襲ってくるかのような光景で、まるで世界の終末を見せられるかのようです。
バブーブに飲み込まれても、命を落としてしまう恐れは低いと思われますが、呼吸器や目を害する恐れはあり、頻発する地域の家族は地下シェルターを作って避難をするようです。

バブーブ発生の原因は?

バブーブは下降気流やダウンバーストのような突風によって発生します。
砂漠の乾燥した土や砂が巻き上げられて風に乗ると、巨大な壁のようになるのです。
ダウンバーストは、積乱雲の下で起こる強い下降気流が原因で発生します。
その下降気流が弱まることなく地表に到達したことで、水平に向いてしまい突風となります。

この強烈な突風と砂漠の乾燥した砂が組み合わさり発生するのが、バブーブと言えるでしょう。
中には雷雨を伴うものもあり、砂塵が水を含んで泥の嵐となることもあります。

ハブーブが起こる地域

ハブーブはどこで発生する現象なのでしょうか。
まずはアフリカ北部のサハラ砂漠やアラビア半島、クウェートやイラクなどで頻繁に発生します。
これらの地域にとってバブーブは夏の前触れとして認識され、風物詩のような現象となっています。

他にも、北アメリカの乾燥地域でも稀にバブーブが発生します。
有名なのはアリゾナ州で、観光地として知られ、巨大な都市であるフェニックスがバブーブに飲み込まれたことも話題になりました。

バブーブの飲み込まれてしまうと、昼間であっても光が遮断されて、深夜のように真っ暗になってしまいます。
何も知らずに巻き込まれてしまったら、と思うと恐ろしい現象ですね。
また、バブーブが過ぎ去った後の街は砂まみれ。

掃除も大変ですが、自然現象であるために、誰かに怒りをぶつけるわけにもいかないのが、つらいところですね。

増加する異常気象

バブーブが日本で発生することはないと思われますが、異常気象が頻繁に発生する現代では、確かなことは言えません。
異常気象は環境問題と関連性があると言われています。
私たちが環境に配慮しない生活を続けてしまうと、バブーブや竜巻、台風などが災害レベルで頻繁に発生してしまうかもしれません。
そんな日々が続けば、生活が苦しくなってしまうでしょう。
これ以上、気象が荒れてしまうことがないよう、ぜひ環境に配慮した生活を心がけてみてください。

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