【プラスチックごみ問題入門.4】海洋ごみへの日本国内の対策
世界的な問題となっているプラスチックごみ。
その現状をお伝えする「プラスチックごみ問題入門」の第4回は、海洋ごみへの国内の対策をご紹介します。
海洋プラスチック問題の現状
海に浮かぶごみが各地で問題となっています。
海岸を埋め尽くすゴミ。その中には洗剤容器や漁具、ポリタンクなどのプラスチックごみが多く見られます。
環境省によると、漂着ごみは自然物よりもプラスチックごみの方が高い割合を占めていることが、2016年の調査でわかりました。
出典元:環境省 プラスチックを取り巻く国内外の状況
また、海岸だけではなく、海中にもプラスチックごみは溢れています。これらのゴミによって想定される被害は、生態系への影響、観光や漁業への影響、沿岸域移住環境への影響など、様々なものが考えられます。
特に海の中を漂うマイクロプラスチックが生態系に及ぼす影響が懸念されています。
そのマイクロプラスチックは日本中の海で観測されています。
出典元:環境省 プラスチックを取り巻く国内外の状況
海岸漂着物処理推進法
日本では、2009年に「海岸漂着物処理推進法」が制定されました。海岸の景観や環境、海洋環境を保全するために、海岸漂着物の処理を行う自治体に国が補助金を出して支援したり、発生の抑制を事業者や国民に求めたりしています。
この法律は2018年6月に改正されました。プラスチックごみによる海洋汚染を抑制するために、事業者にマイクロプラスチックの販売や製造の抑制を求めたり、国による海洋汚染の調査を定めたりしています。
プラスチックスマート
環境省では「プラスチック・スマート」と銘打ったキャンペーンを行い、ホームページで事例を紹介しています。
これは、企業、自治体、NGOなどが連携して問題に取り組むことを後押しするものです。
このプラスチック・スマートは、ゴミのポイ捨ての抑制、プラスチックの排出抑制、分別回収など「プラスチックとの賢い付き合い方」を全国に推進することも目的にしています。
プラスチック・スマートのもとで協力して取り組んだ、プラスチックに対する活動は、情報を集約して国内外に発信されています。
企業による取り組みはもちろんのこと、SNSを使って気軽にプラスチック・スマートへ参加することもでき、個人の取り組みも幅広く拡散することが可能です。
出典:プラスチック・スマート Plastics Smart